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Diary (Playlist) 2023/4/1

Fantasy In Soy Sauce / Masahiro Takahashi

 カナダ在住の日本人アーティストMasahiro TakahashiがAL『Humid Sun』を2023/3/31にリリース。極楽ニューエイジ。
 質感の少し懐かしい感じが素晴らしく、なんというか発掘作みたいな音色が最高です。ローファイというか、昔のハイファイを今聞いた時の詰まり具合/開放感の絶妙なバランスがあるんですよね。すべての音が滅茶苦茶に良い。

The Morning Sun / Eddie Chacon

 シンガーEddie Chaconが再びJohn Carroll Kirbyとタッグを組んで制作したAL『Sundown』が2023/3/31にリリース。前作はリズムマシンを使用した宅録オブスキュアR&Bという感じでしたが、今回は生演奏が中心。しかしスケール感がアップしたというよりはより辺境に進んだ感じで、こんなバンドサウンドあるのか……!超良いです。
 リズムはダンサブルでありつつ、良い意味でリズムが埋没していくような瞬間があるんですよね。小気味良さで止める凄みというか。そして演奏の尖りに対して、朗々と歌うEddie Chaconの異常さ。これで歌が力んだら終わりだし、抽象的でも駄目だと思うんですよ。囁くようにかつしっかりと歌うEddie Chaconの素晴らしさが出まくってます。
 必聴作だし、正直今年これよりカッコ良くニューエイジ・ムーヴメントを昇華した作品でない気すらしています。ローファイでもなければ、ハイファイでもない、でも音の解像度は高めで気持ち良い音像も良い!!どういうミックスなんだ(ちゃんと金かかっているという話かもしれませんが)。

Su Sızıyor / Altin Gün

 アムステルダムのターキッシュ・サイケバンドAltin GünがAL『A​ş​k』を2023/3/31にリリース。「70年代のアナトリアのフォークロックサウンドへの回帰」とのことで、妖しくも魅力的なあの音が甦ってます。解説によるとヴィンテージ機材を使用し、音作りに非常にこだわったとのこと。
 当時のいなたさ含めてしっかり取り入れているのが面白いですね。特にメロとノリが素晴らしく、良い意味でちょっとずんどこ感すらあるんですが、そこがあの時代の良さですもんね、という気持ちになります。
 ファンクを変形させて(しまって)いる面白さってあると思っていて、そこに真正面から向き合っているのが好感でした。

Good Lies / Overmono

 UKの兄弟デュオOvermonoがAL『Good Lies』を2023/5/12にリリース&タイトル曲公開。ボーカル・サンプリングが特徴の一つでしたが、ここまでしっかりメロがある曲は初めてな気がします。曲も2:40と短め。とはいえビートとアゲ感はさすがで、どうやっても踊らせる感じですね。

X / Matthewdavid

 Matthewdavid新曲。AL『Mycelium Music』はbcではもうリリースされているっぽいんですが、配信としては先行曲第二弾です。
 聴いて体験するトリップみたいな曲です。ハードコアなニューエイジ曲。音はかなり抽象的でメロあるのかないのかわからないくらいなんですが、どことなくポップにも聞こえるのが面白く、Matthewdavidの圧倒的な強さを感じます。ASMR的でもあるんですが、結構ローファイでもあるのが面白く、別の言い方をするとASMRの解像度を保ったまま、包み込みような圧があるんですよね。音の作り方すごいです。

Mbira / Stingaloon / Deadeye

 Reinier Baas、Kit Downes、Jonas BurgwinkelによるオルガントリオDeadeyeがライブ作『LIVE』を2023/3/31にリリース。編成としてはオルガントリオではあるんですが、むしろオルタナ/エクスペリメンタルに近く、オルガンの低音がサイン波のシンベみたいだったことに気がついたり、ギターの高揚感を改めて発見したりみたいな演奏です。
 ライブ作だけど音がスタジオ作みたいに良いです。どういうことなんだろ。バスドラのチューニングがビートを刻む役割の割には(気持ち)高めなんですが(ジャズドラムとしては普通くらいであるけど)、ベースレスということで納得感ある、むしろこの場所しかないよね、みたいな音で良かったです。全員攻め攻めで素晴らしい。

Make My Way Back Home (feat. Nick Hakim & Theo Croker) / Kassa Overall

 ドラマー/プロデューサー/MCのKassa OverallがAL『ANIMALS』を2023/5/26にリリース&先行曲を公開。前作『I Think I'm Good』はUKのBrownswoodからのリリースでしたが、今回はWarp Recordsからです。
 同じドラマー/プロデューサーのアーティストとして、エクスペリメンタルになってもジャズであり続けるMakaya McCravenと比べると、ジャズでありながら最終的に全然ジャズとして着地しないのが面白いですね。ダークでハイファイなヒップホップとも言えるし、ジャジーなエレクトロとも言えるこの感じこそKassa Overallの面白さな気がします。Theo Crokerのフレーズの謎さ(ファンクにもジャズにもおさまらず、細かくエディットしてフレーズできているような感じがある)も新しくて良い!

Sacre Sacre / Tilo Weber

 欧州ジャズシーンで活躍するドラマーTilo WeberがAL『Tesserae』を2023/4/21にリリース&先行曲第三弾。基本がElias StemesederとPetter Eldhのトリオ編成の作品となっていて、この曲にはフルートでAnna-Lena Schnabeが参加しています。
 融解直前みたいなリズムかつ緊張感がすごいジャズ。このストイックさは欧州ならではという気がします。カッコ良い。

Off the Hook Ⅰ-Ⅱ (Excerpt) (Live) / Sun & Steel

 ノルウェーのフリー・ジャズ・シーンよりMarthe Lea、Paal Nilssen-Love、Isach Skeidsvoll、Øyvind Storesundが集まったモンスター・カルテット、Sun & Steelのライブ録音。久々にPaal Nilssen-Loveを聴いたんですが(最近Spotifyフォローした)良かったです。

Paper Limb / Steve Gunn & David Moore

 USのSSW/ギタリストSteve GunnとBing & RuthのリーダーであるピアニストDavid Mooreが共作AL『Reflections Vol. 1: Let the Moon Be a Planet』を2023/3/31にリリース。Steve Gunnはギターのみの演奏です。
 極上のアンビエントで、ポスト・クラシックというよりフォーク的な音の混ざり方をしているのがとても良いです。残響音の溶け方が気持ち良いですね。


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