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Diary (Playlist) 2023/2/24

Circus/Citadel, Pt. III (feat. Mikko Innanen, Jussi Kannaste, Verneri Pohjola & Joonas Riippa) / Antti Lötjönen

 The Five Corners Quintetのメンバーでもあるフィンランド拠点のベーシストAntti LötjönenがAL『Circus/Citadel』を2023/2/24にリリース。レーベルはPetter EldhやそのユニットのKoma Saxo、The Five Corners QuintetのTimo Lassyによるソロ作など北欧〜ベルリンの最近の面白い作品を多数リリースしているWe Jazzです。
 編成はトランペットにサックス2管、ベースにドラムのコードレスのクインテット編成。全体像としてはフリーキーでありながら、一人一人の音色を生かした隙間の使い方が刺激的でカッコ良いです。そしてUSやUKのジャズとはまた違った形ではあるんですが、絶妙にビート感覚のみやや共有させている感じが面白いんですよね。ギリギリでダンスミュージックでもありそうなバランスというか。

Twinkles / Greg Spero

 鍵盤奏者Greg SperoがAL『The Chicago Experiment: Revisited』を2023/3/24にリリース&先行配信曲第六弾。こんなに分けてリリースするんですね。
 ブレイクビーツ的に加工されたドラムが印象的で、これをどこまで残すか、途中で元に戻すか、みたいな所がポイントなんですが、途中でさらに生のシンバル類が加わってレンジが広がるという、結構新しい回答を見せていて面白いです(Kassa Overallとかやりそう/やってそうだけど)。

My TV Was Colorless ft. Emilie Weibel / Saint Abdullah & Jason Nazary

 テヘラン生まれの兄弟エレクトロ・デュオSaint Abdullahと、ブルックリン拠点のドラマー/作曲家Jason Nazaryによるコラボ作『Evicted in the Morning』が2023/2/24にリリース。Warp傘下のサブ・レーベルであるDisciplesからのリリースとなります。ドラムの生音と電子音の混ざり具合が気持ち良い、ディープなエレクトロ〜ジャズ作。
 曲によってはビート強めになったり、突如エクスペリメンタルになったりと曲調の幅ありつつも、構築的というよりも即興的な余白の広さが良い感じです。結構ライブ的なフレッシュさがあるんですよね。

Ngo Ma / IzangoMa

 南アフリカの15人編成のバンドIzangoMaがAL『Ngo Ma』を2023/5/26にリリース&先行曲公開。レーベルはBrownswood Recordingsより。高速エレクトロヒプノティックビート。
 ハードな状態とトラディショナルなフレーズが分け隔てなく出てくるのが面白いです。(別レーベルですが)Nyege Nyege Tapesのカオス感が存在出来る土壌がわかる感じというか。総じてエクスペリメンタルなダンスミュージックだし、逆に本質そのままみたいな雰囲気なんですよね。10分があっという間のダンスミュージックなサイケです。

Pleasure Trip / NICKELMAN

 大阪拠点のビートメーカーNICKELMANの新曲。音の図太さが滅茶苦茶カッコ良いですね。バスドラとベースの兼ね合いが面白く、バスドラがベースのスペースまで行っている時が多いんですが、その強烈なビート感こそがこのジャンルのかっこよさな気もしています。

Sabana Mensajera / Susobrino

 2020年のAL『Seis Estudios Para Guitarra』が話題にもなったボリビア生まれでベルギー育ちのアーティストSusobrinoの新曲。サイケデリックな浮遊感と同時に来る圧倒的なリズムの洪水の気持ち良さ!最高です!
 ラテンのリズムの凄みとも言えるんですが、同時にとてもモダンでもあるんですよね。しっかり革新的なのが面白いしカッコ良いです。AL出して欲しい……!

Didn't Cha Know / Sam Gendel

 Sam Gendelがソウルのカバー作『COOKUP』を2023/2/24にリリース。ローファイな音像の中から浮かび上がるヨレヨレのソウルミュージックがカッコ良いです。ネオソウルの(本来持っていた)ローファイサイドの作品とも言えるし(その意味ではビートダウンとも近い)、音響派からのネオソウルの道のりとも言えそうです。何度も聞いて考えて楽しみたいALですね。

You're A Girl For One Man Only / Brandee Younger

 ハープ奏者Brandee Youngerが2023/4/7にAL『Brand New Life』をリリース&先行曲公開。ハープの音色を生かしたアンサンブルが面白く、繊細な音色をしっかり聞かせるための帯域のあけ方が良いです。
 メンバーは VibraphoneにJoel Ross, ベースにRashaan Carter、ドラムにMcCravenです。

The Answer (featuring Orlando Watson) / Braxton Cook

 サックス奏者/シンガーのBraxton CookがAL『Who Are You When No One Is Watching?』を2023/2/24にリリース。思ったよりしっかりとポップな作品で、ひたすらメロウなR&B〜ジャズ。
 ビートも打ち込みが多めなどポップな方向になりつつも、元々のBraxton Cookの異様なまでのメロウさが強くて、なんだかR&Bと言い切ってしまうのはダメそうな、不思議な激甘作品になっています。かつ(個人的な印象として)サイケという感じでも無いのが面白く、ひたすらメディテーションな雰囲気なんですよね。

Real Life (w/ Jonny Boy) Vol.2: another compilation of Jon Bap's throwaway recordings (2018-2020) / Maurice II

 Jon Bap改めMaurice IIが新曲、というか23分で何曲も入っているのでALかEP?を昨年2022/12/7にbcでリリース→2023/2/18に配信リリース。bcだとデジタルは$1,000でとても聞けない感じだったので(多分カセットは$20くらいで売っていたっぽく、カセット限定だよということだったんですかね)、嬉しい配信リリースです。
 デモと言われるとデモですが、そう言ってお蔵入りされてしまうにはあまりに魅力的な瞬間が沢山つまってます。というかJon Bap自体が元々そういう怪しい瞬間をカッコ良く聴かせる人だったなと思い出しました。


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