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Diary (Playlist) 2023/7/8

Louis Cole Sucks (LIVE) / Scary Goldings ft. Louis Cole, John Scofield & MonoNeon

 ポップなファンク・カバー動画で知られるScary Pocketsと、オルガンのLarry GoldingsがコラボしたユニットScary Goldingsにfeat.でLouis Cole, John Scofield & MonoNeonという特盛丼みたいなライブ作をリリース。配信以前にYouTubeで公開されていましたね。
 Louis Coleのドラム、はじめ聞いた時はかなり特殊な演奏に思えたのですが、もはやファンクとしては正しいものになってきたような雰囲気すら漂って来ていて面白いです。ローファイ時代のファンク、宅録時代のファンクとしてど真ん中な演奏なのかもしれない。フュージョン的な方向にまとまらない所が信頼感ですね。

Mosquitoh / Jazzbois

 ハンガリーのブダペスト出身のジャズ/ヒップホップ/フュージョン・トリオJazzboisが2nd AL『Higher Dimension Waiting Room』を2023/7/21にリリース&先行曲第三弾。
 まさに最近のジャズ、みたいな音ではあるんですが、がっつりとローファイ&サイケで良い感じです。レアグルーヴ的な雰囲気もあるところが、このトリオの最大の魅力の一つかなと思います。この渋さを保って欲しい。

A Trip To Bolgatanga / African Head Charge

 African Head Chargeが12年振りのAL『A Trip To Bolgatanga』を2023/7/7にリリース。Adrian Sherwoodの活動、最近すごいですね。
 African Head Chargeにやっと自分が追いついた感じです。クラブカルチャーを経由したアフリカ×ダブのミクスチャーサウンドが、今だとニューエイジ・リバイバルとも共振する感じに聞こえて素晴らしい。Adrian Sherwoodのハイファイさというか、音の硬さが馴染む世界になってきたというか。
 あと個人的に重要な要素としては「サイケ」ですね。割とモノトーンな印象で語られることが多い(多かった)ダブに対して、圧倒的にカラフル(この新作は特に)。そういう意味でも今こそ聴かれるべきアーティストが、まさにちょうど新譜をリリースしてありがたいです。

No Neck / Moin

 RAIMEのメンバーJoe AndrewsとTom Halstead、そしてVanishing TwinのパーカショニストValentina Magalettiによるポストパンク・バンドMoinがEP『Colcked Off』を2023/7/5にリリース。
 音の塊のようなザクザクな演奏が素晴らしいです。パワフルというよりは速度と精度が凄まじく、圧はありつつも、むしろ音のエッジで聴かせている印象です。定期的に聞きたくなるタイミング来そう。

Lagos / Tony Allen, Adrian Younge, Ali Shaheed Muhammad

 JIDの新作はTony Allenとのコラボ作。『Tony Allen JID018』を2023/7/7にリリース。逝去前に録音していたという音源を利用した作品とのこと。ドラムが多分同じセッションを利用している曲もあり、同じパターンながら楽曲が違うというのは、中々珍しいもの聞いているなという気持ちになります。
 JIDらしいレアグルーヴ系統のジャズ・ファンク感がTony Allenによってモダンになっている、というまとまり方で、アフロビートにもJIDにもどちらにも寄りすぎていないバランスが面白いですね。ビートの可能性を感じます。

Stay Soft / Melodiesinfonie

 スイスのミュージシャン/プロデューサーMelodiesinfonieの新曲。ローファイでメロウなオブスキュア・ソウルという感じで、普通なら鍵盤でしっとり埋めたくなるところがいないのがカッコ良いです。ギターの渋みを存分に楽しめます。
 というかもっと雑に言えばKhruangbin系統です。ただサイケ感がごっそり抜け、宅録の素朴さが出ている印象ですね。これはこれで良いのでは。

To Buy With Love / Joseph Shabason, Thom Gill

 トロントのミュージシャンJoseph ShabasonがEP『One For The Money ft. Thom Gill』を2023/8/11にリリース&先行曲公開。同じくトロントのミュージシャンThom Gillとのコラボ作です。
 元々は「Deep OfficeやChill Study Musicなどのプレイリストへのジョーク的な回答(意訳)」で始まった制作らしいのですが(タイトルのちょっとしたふざけ感はここから)、最終的に真摯なニューエイジ/アンビエント作になっています。音が滅茶苦茶気持ち良いし、非エモーショナルな雰囲気が最高です。「作品の語らなさ」が作品の強さと繋がってしまう瞬間というか。
 そういう意味では、それこそ王道のニューエイジ/アンビエントなのかもしれない?いや、でも実際作っている人は思い込めまくっている?

heaven hear me above / muva of Earth

 ナイジェリアの'Crown of Ọṣun'にルーツを持つロンドン拠点のシンガーmuva of EarthがデビューEP『align with Nature’s Intelligence』を2023/9/15にリリース&先行曲公開。スピリチュアル・ジャズ×アンビエントみたいな感じで、ディープな演奏が素晴らしいです。
 USのスピリチュアル・ジャズ(Jamael Deanとか)とも近い印象で、UKとUSがそろそろ一旦混ざり合うタイミング来そうな予感がしています。

Subdued Resonance / Tomasz Bednarczyk

 アンビエント・アーティストTomasz BednarczykがAL『After Midnight』を2023/6/29にリリース。深夜の雰囲気の本質を掘り下げたミニマルなアンビエント作とのこと。がっつり寝る系。
 制作時ってどういうテンションなんでしょうね。例えばダンスミュージックの時は、ある種自分が踊りやすいことが一つの指標になるんですが、アンビエント、特にこういう非没入型の作品って結構な客観視というか距離感も必要で、この良い塩梅がどのように生み出されているのか気になります。

Multiply / K-Lone

 UKのプロデューサーK-Loneが2nd AL『Swells』を2023/7/7にリリース。作品としてはモダンなエレクトロニック・ミュージックで、それなりにイケイケなんですが、個人的にはAL最後のこの曲が良かったです。メランコリックなメロディに浸っていくような楽曲で素晴らしい。


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