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Diary (Playlist) 2022/3/11

(ほぼ)毎週10曲更新予定。コメント短めでプレイリストメインです。
最後にプレイリスト貼ってます。

Dawn of New Day feat. Laraaji / John Carroll Kirby

 John Carroll Kirbyが2022年3月?4月?に新作『Dance Ancestral』をリリース&先行曲公開。ニュース記事だとリリースが4月なんですが、bcだと3/25になっているんですよね。
 feat.はニューエイジの生きる伝説Laraaji。ツィター奏者としてではなくボーカルとして招いており、陽気な歌声で朗らかに歌っています。
 イントロのキメがわかりやすいですが、「当時の小洒落たアレンジ」の「もはや現代だといなたく聞こえる」ところを、あえて入れることで「現代的なオシャレ」なバランスになっていると思います。例えばBlood Orangeではシンセなどの音色が主でアレンジはどことなくモダンだったので、そこからさらに展開した感じとも言えるかも。
 と書くとメタメタな感じなんですが、そこにシニカルさが無いのがJohn Carroll Kirbyの素晴らしさで、なんというかマジでやっている人特有の強さと、マジでやっていたら成り立たない気がする軽やかなバランス感が見事に共存しています。ちゃんとニューエイジとしても良いと言える凄さというか。今年も大注目です。

Cherry 1 / Nuke Watch

 Moon Glyphからもリリースしたことがある3人組Nuke Watchが新作『Nuke Watch』をリリース。
 詳細あまりわかっていないんですが、実験的サウンドの尖りと、どことなくDIY的な(?)ちょっとした脱力感が混ざった音がカッコ良いです。すごく雑にいうとオシャレなお店で販売していそうなバランス感が良いですね。

Mosaic / Sven Wunder

 UKのレーベルMR BONGOのコンピ『Mr Bongo Record Club Volume Five』が2022/6/3にリリース&先行曲公開。
 Sven Wunderがかなりの曲者で、スウェーデン出身の辺境やライブラリー系やレア・グルーヴなどからインスパイアを受けたアーティストなんですよね。で、その中に和モノジャズも入っているようで、それを「エキゾ」な質感でまとめています。
 「Mosaic」は、琴が入った和モノジャズのような妖しさが素晴らしく、かつそれをラグジュアリーなサウンドの中に混ぜているのが面白いです。

Mole's Pirouette / Amir Bresler

 イスラエルのジャズ・シーン&ビート・シーンのキーマンであるドラマーのAmir Breslerがソロ作『House of Arches』を2022/3/9にリリース。Apiferaのメンバーであり、Avishai CohenやShai MaestroやNitai Hershkovitsでも演奏しているドラマーです。
 ALにはRejoicerや自身が参加するアフロビートバンドLiquid Saloonなどがfeat.されています。
 エレクトロと共振するような繊細なタッチ&音色が素晴らしいんですが、今回はそこにライブ的なニュアンスが加わったように思います。サイケとのつながりが分かりやすくなったというか?その結果、演奏の精密さがより際立ち、エレクトロビートを人力で演奏していくプレイヤーとの差がわかりやすくなったようにも思います。メカニカルなリズムを叩かなくてエレクトロフィールが浮き出るカッコ良さというか。
 5月にCDも出るそうです。

Supernova feat.Tenderlonious, Thibaut Remy, Tim Carnegie / Nick Walters

 ロンドン拠点のトランペッター/コンポーザーNick Waltersの新作『Singularity』が2022/3/4にリリース。したんですが、とりあえずそれは未配信(bcで販売中)。シングル「Supernova」が2022/3/11に配信リリースしています。
 お馴染みTenderloniousに加え、ドラムのTim CarnegieはRuby Rushtonのメンバーです。
 アルバムはブラックホールの中心にある重力の特異点(シンギュラリティ)がテーマとのことです。曲にもその要素が入っており、木星や土星など多くの衛星を研究するときにカッシーニ宇宙船によって採取されたサンプル、NASAのヴァンアレンプローブが地球を通過するときに拾ったホイッスラー波、および太陽系を離れた後にボイジャープローブによって拾われた星間プラズマ音などを使用しているとのこと。
 そう思って聞くと、演奏はSF的なスピリチュアル・ジャズとも言えて、ビートのちょっとした硬さもその中で考えるとわかりやすいかもしれません。アフロフューチャリズムとは接続しない感じがUKジャズっぽくて面白いですね。

Philip / Jameszoo

 Jameszooが新作『Blind』を2022/3/11にリリース。ビートミュージックが達人たちが宅録で作り込む凄みの音楽だとしたら、『Blind』は複数人数でそのカオスを更新していこうとする音楽に聞こました。フリーキーでカオティックな中、メロディがたまに浮かび上がる様が良かったです。もっと聴き込みたい。

Shkoopet / aNTOJE

 カナダのビートメイカーaNTOJEがAL『Null Data』を2022/3/11にリリース。チルとは言わせない、オラオラ聴かせるビートミュージックで良かったです。情報詰め込みすぎから更に2歩くらい踏み出した時にやっと出来る、歪だから成り立つ感じが良いですね。ビートで、つまりドラムとベースでゴリゴリ聴かせるのがカッコ良いです。

Who Am I But Someone / Kate Bollinger

 USバージニア州リッチモンドのSSW、Kate Bollingerが2022/4/22にEP『Look at it in the Light』をリリース&先行曲公開、の第二弾。このEPは、今個人的に一番オシャレだと思うレーベルGhostlyに移籍後初のリリースとなります。
 ローファイ&メロウの極地なサウンドが気持ち良いです。ただモダンさというよりも、最近のインタビューで名前を挙げていたというJoni Mitchellなど、チルの概念以前(?)の昔の音楽から接続させていくような印象が強く、それゆえの柔らかな感じが滅茶苦茶良い!チル文脈にもヴィンテージ文脈にも縛られなさそうな、雑に言えばちゃんとカラフルで結果としてチルにもなれる音が、良いですね。

The Dripping Tap / King Gizzard & The Lizard Wizard

 オーストラリアのサイケバンドKing Gizzard & The Lizard Wizardの18分超えの新曲。長さこそ正義というか、ライブでの人を無理やり巻き込んでいく感じがあって良かったです。

Badi Sabah Olmadan / Altın Gün

 Anatolian Psych Folk BandのAltın Günのデジタルリリースの新曲。昨年bcでリリースしたチャリティーAL『Âlem』収録曲の新録のようです。オランダのバンドなんですね。
 初期の方はターキッシュ・サイケのレア・グルーヴ的な側面をやっていた印象なんですが、徐々にエレクトロ要素が加わり、この新作は「dreamy 80’s Euro synth-pop」「New Order-y fluidity」とのこと。ターキッシュ・サイケにしろアナドル・ロックにせよ、そして80'sのシンセポップにしろ、それぞれは懐古的な要素にも思えるのですが、それを独自ブレンドすることでで「聞いたことありそうでない新しい音楽」になっていると思います。
 80'sの極彩色感がガムシャラに明るく、その結果凄く人懐っこいポップなサウンドになっているのが面白いですね。『Âlem』時では打ち込みだったのが生ドラムに変わってます。

告知

TAMTAM久々にライブあります!是非とも!!!!!!

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