Diary (Playlist) 2023/3/18
lover's theme / Lionmilk
LA拠点の鍵盤奏者/プロデューサーLionmilkがAL『Intergalactic Warp Terminal 222』を2023/3/17にリリース。bcのライナーの中に「music-making as a form of self-care」という言葉があるのがわかる、内省的であると同時に癒しでもある雰囲気が素晴らしいです。
アンビエントを志向しているというよりも、創作することによる癒しゆえに音の質感がなめらかになっているように聞こえるのが面白いですね。ジャズ的なテクニックも入りつつも、技巧というよりも思い出や身体性を辿る形だからこその柔らかさというか。ドープさがあるのも良いです。
Waiting For / Matt Martians
The InternetのメンバーであるMatt Martiansがソロ曲を2023/3/17にリリース。SydにSteve Lacyと、もはや売れっ子揃いの集団になっているThe Internetですが、Matt Martiansの曲はずっとアンダーグランドのカッコ良さとポップなセンスが混ざり合っている感じで大好きです。
Sun Juke / Nondi_
USのプロデューサーがAL『Flood City Trax』を2023/4/7にリリース&先行配信曲第二弾。多分Juke/Footworkなんですが、低音の謎のスカスカさ(ミックスで失敗している系の奇妙な無さ)が気持ち悪くてカッコ良い!速いけど圧はなく、代わりに永遠と浮遊感があって面白いです。
B.O.T.O. / RP Boo
というわけで聴き比べてみようFootworkの重鎮RP Booの新曲。こんなに無茶苦茶でそれゆえにカッコ良いのかFootworkと凄さと勢いを感じさせてくれます。
エディットの荒々しさが完全にカッコ良さになっているのが凄いですね。パチパチなっている音はそれこそ波形のミス的なやつだと思うんですが、それが不思議と邪魔じゃなくむしろリズミカル。素材のままに近いからこそ破茶滅茶な威力がある感じも最高です。
The Horse Has A Voice (feat. Theon Cross) / Matthew Herbert
UKのアーティストMatthew HerbertがAL『The Horse』2023/5/26にリリース&先行曲公開。feat.はなんとTheon Cross!
以前豚のアルバムも作っていましたが、今回のテーマは馬。動物の骨格を音響的に調査することから始まったらしく、ALでは馬の太ももの骨からカスタムメイドされたフルートと肋骨と馬の毛から作られた弓などを使用しているとのこと。それ以外にも馬の人類の歴史における重要性を調査し、スペイン北部の古代の馬の洞窟壁画の前でリバーブを録音したり……といつもの、「説明はよくわからないけど、最終的にMatthew Herbertの作品としてまとまるマジック」です。
Theon Crossの参加が面白く、きちんと(?)変則的なチューバ奏者として配置しているのが良いですね。低音管楽器の高揚感がうまく楽曲になっています。
Why Must You Fly (feat. Omar) [Demus Dub] / STR4TA
STR4TAがremix作『The Demus Dubs』を2023/2/16にリリース&2023/3/17に配信開始。チャラつき一切無し、渋さとダンサブルさ重視のremixでカッコ良いです。
原曲のスラップしまくりなところを残すことで、良い意味でちょっといなたいというか、バンド的な生々しい感じになっているんですよね。エレクトロなベクトル加わりつつ、エモーショナルな感じが残っているのが良かったです。
Reeling / Say She She
Say She Sheがシングル『Reeling / Don't You Dare Stop』を2023/3/19にリリース。今まではヴィンテージ・ソウル的な音像の印象だったんですが、この曲は少しハイファイな質感に。
ざっくりいうと70年代後半から80年代的な。しかしブリット・ファンク的な形には全然ならないのが面白いですね。リズムの16分の感じとかリズムチェンジで(も)展開させていくアレンジとかダブ処理感とか共通点はいくらでもあるんですが、もうちょっとしっかりディスコティックというかソウル寄りというか。お国柄出ている気もします。
Chocolati / Azekel, Nao
ナイジェリア生まれロンドン拠点のシンガーAzekelがAL『Analyze Love』を2023/3/17にリリース。ALはざっくりR&B〜Altéという感じ。
メロウな曲調なんですが、それに対し緊張感あるイントロが良いですね。割とその緊張感で曲持っていく感じにも思えます。
Telar - Remix / Bryan Senti & Kaitlyn Aurelia Smith
LAの作曲家/ヴァイオリン/ヴィオラ奏者Bryan Sentiが昨年リリースしたAL『Manu』より、Kaitlyn Aurelia Smithのremixをリリース。激チルなアンビエントです。メロディの気持ち良さを活かす感じなのが良いです。
GOODNITE. / Keenyn Omari
NYのアーティストKeenyn OmariがAL『FLOW』2023/3/17にリリース。アブストラクトでソウルフルな歌もの。
改めてエクスペリメンタルとR&Bやゴスペルの異様な相性の良さを感じます。ここらへんのエポックメイキングな作品ってFrank Ocean『Blonde』だったのかなと思っているんですがどうなんでしょうか。アンビエントで言うとそれこそ『Channel Orange』もあるし、エクスペリメンタルな方向と結びついたことこそ実は最も重要だったのではないかと思っています(まぁアンビエントあったからこそではあるから、そこも全然重要なんですが)。
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