Diary (Playlist) 2023/1/7
今年もよろしくお願いします。
Pancakes / Vienna
カナダのプロデューサーViennaの新曲。ローファイ・ヒップホップというか、時代が時代ならビートミュージックだし、インストヒップホップと言われていただろうな、というヒップホップを軸としたインスト曲。フレーズやソロで展開させるのではなく、エフェクトとノイズ的な要素の量と質感で展開させるのが肝だと思ってます。
Like Him / Greg Spero
Spirit Fingersの鍵盤奏者Greg Speroの、かつMakaya McCravenやJeff Parker、Joel Rossなどが参加するThe Chicago Experimentの新曲。現代ジャズ的なまとまり方になってはいるんですが、良い意味でフュージョン感が残っているのが面白く、アコースティックな中にソリッドなリズムが入る感覚が面白いです。
やはり注目はスラップ。ジャズでここまで存在感あるものとして聞いたのは久々な気がします。動くのではなくミニマルかつシンプルなパターンでスラップなのが珍しく、バキッとした音色の特徴が際立ってます。そこ含め80s〜90sっぽいフィーリングに聞こえるんですが、やっとそこらへんの音楽を自分たちが向き合えるようになってきたんだなという感じです。
Out of My Mind (feat. Blaque Dynamite) / Jenny Hong
ピアニスト/ボーカリストJenny Hongの新曲はfeatにドラマーMike MitchellことBlaque Dynamite。「ヒップな音楽としてのジャズ」という感じで、テクニック発のセンスが炸裂しています。絶妙に変なまとまり方になっているのはBlaque Dynamiteの力も大きく、ビートが強いけれど妙に軽いというか(特にスネアの音色)、16ビートながらヒップホップやR&B的な着地にしない感じがカッコ良いです。
アウトロでの爆裂プレイが聴きどころですね。
NR夜のドライブ / 131222クロナ-ゼパム
すごく消されそうな気がする。Return to Forever "Sorceress"のスクリュー曲。他にカシオペアのスクリューも収録されているEP『TU火曜日』が2022/12/13にリリースされてます。
スクリューで聴くと昔「MIDIみたい」「スポーツみたい」と思っていたフュージョンにも、サイケ成分とよれとなまりがあったことがわかり、そのあと原曲聴くと結構生々しくて良いんですよね。かつての自分の耳はなんだったのだろうか。
Start With You (Live in Ojai) / Nate Mercreau
ギターシンセ奏者Nate Mercreauがトリオ編成のライブ音源『Ojai Orange Grove Concert』を2022/12/12にリリース&2023/1/1から配信開始。Josh JohnsonとCarlos Niñoが参加しています。Carlos Niñoの誕生日である 2021 年2月16日に行われた演奏とのこと。
プレイヤビリティ×アンビエントの現在の一つの到達点かと思えるような演奏が素晴らしいです。アンビエントの環境溶け込む音の志向性を、即興的な方面から解釈した演奏とも言えるんですが、その環境の下地を作るCarlos Niñoの演奏が凄まじい。一人でフィールドレコーディング的な音の場を作っているんですよね。打楽器の新たな可能性を開いている演奏だと思います。
IMAGINARY TRIP IV / Tomasz Bednarczyk
ポーランドのアーティストTomasz BednarczykがAL『Music for Balance and Relaxation Vol.3』を2022/12/30にリリース。激チルの結果リラクゼーションまでいった感じです。
この曲はローファイヒップホップなどとも共鳴しそうなメランコリーがありますね。現在のチル/ローファイ文化って、アンビエントの音的な要素もそうなんですが、むしろ情景描写が肝なんだなと思わされました。懐かしさを喚起させる音楽としてのアンビエントというか。
Talking Drums Edit / Ariel Kalma
フランスのニューエイジ・アーティストAriel KalmaがAL『Spirited Beats』を2022/12/26にリリース。未収録曲など入った編集版的な?Carlos Niñoがbcでひたすら購入している人ですね。
今ならDJで大流行みたいなバレアリックといわれそうな打楽器アンサンブル作です。ハイファイで迫ってくるような音像が面白く、録音芸術という感じ。ニューエイジってシンセを多用していることもあり、録音だから出来る音像というのをかなり追求している印象で、そこが現代で再評価されている理由の一つかなと思っています。
Night Heron / Will Van Horn
ペダル・スティール奏者Will Van Hornの新曲。極楽チルアウトサイケ。シンバルレスなドラムがわかっているなという感じで、リズムが残りつつもひたすらゆるゆる。空間がゆっくりと歪んていくようなペダル・スティールの演奏が素晴らしいです。
Yete Apor / Pure Akan, Efya
ガーナのアーティストPure Akanの新曲。ハイライフにヒップホップの要素を取り入れたヒップライフのアーティストとのこと。
この曲はかなりローファイなハウスにラップが乗る曲で、過去曲ともまた違った曲です。ざっくりとはKAYTRANADA路線なんですが、音のはみ出方が荒々しくてカッコ良い!ラップ中心ではあるんですが、トラックの音量もかなりデカく、ダンスミュージックとして成立させているバランスに好感が持てます。
Rumble / Skrillex, Fred again.. & Flowdan
SkrillexとUKのプロデューサー Fred again..、Flowdanのコラボ曲。強さ!音圧!破壊力!みたいな曲で良いですね。
Skrillexは本人の楽曲とは別に、ダブステップ/ブロステップ→EDMブームの影響から評価が揺れ動いているアーティストという印象で、音自体はずっと面白いんですよね。それこそLouis Coleが好む理由もわかる、「頭の悪い」音が詰まっていて個人的には割と好きだったんですが、この新曲はさらに重心が激低い!派手過ぎて聞けない時間あるな、ということが多かったんですが、これならいつでも結構楽しく聴けるのでは。
しかし音がムキムキで面白いです。こんな強い音にしなくてもと思いつつ、一度この強さにしちゃうと過去曲と繋げられないというか、もうこの強さから逃げられない感じなのかなとも思います(まぁ単純にデカくてカッコ良い、という理由のみだとは思いますが)。
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