Diary (Playlist) 2022/2/25
Mrs Calamari / Alabaster DePlume
ロンドン拠点のコンポーザー/サックス奏者Alabaster DePlume、2022/4/1に新作『GOLD』をリリース&先行曲4つ目が公開。
多数のミュージシャンが参加した人がわちゃわちゃ動く様が刻まれている音像と、ノスタルジックでエキゾチックなメロディが素晴らしいです。意図的に練習をさせきらない形で録音したそうで、そのちょっとした混乱具合がこの多数の人が蠢く感じになっているかと思います。昔の録音のあの独特な質感を見事再現しているというか。
アルバムの制作背景、他にも面白そうなので、リリースされたらインタビューなどどんどん読んでいきたいですね。
Angel feat.Dwele / Miguel Atwood-Ferguson, Suite For Ma Duke Orchestra
J.Dilla関連曲をオーケストラ編成で演奏した2009年のライブ、その模様を収録した『Timeless: Suite For Ma Dukes』が2022/2/22から配信開始。今まではLPやCDやDVDのでした。必聴!
オーケストラ編成の良さとrawなヒップホップ感を見事共存させているのがMiguel Atwood-Fergusonの力なんだと思います。「大ネタを派手に演奏して上滑り」みたいにいくらでもなりそうなのに、ちゃんとライブで生演奏的なリッチさありつつ、原曲の良さ残しているのが本当にすごい。ヒップホップの生演奏、の一つの完成形と言ってもいいかと。
In Place / Joona Toivanen Trio
北欧のジャズトリオJoona Toivanen Trioの新作『Both Only』が2022/2/25にリリース。We Jazzからの初の作品となっています。
隙間を活かした演奏ではあるんですが、生演奏的な方向と言うよりもエレクトロなどの影響から成り立ったような、会話的と言うよりは極めてミニマルで静的なアンサンブルが素晴らしいです。逆再生のピアノやドラムの質感など、どことなくDAW的な要素感じるんですよね。ただ過去作を聞いてもそういう印象はないので、このアルバムからの変化?アンビエントと共振するような音が良かったです。
Active-Multiple-Fetish-Overlord / Binker and Moses
サックス奏者Binker GoldingとドラマーMoses Boydのデュオ、Binker and Mosesが新作『Feeding The Machine』を2022/2/25にリリース。全編にわたってMax Luthertがエレクトロで参加しています。
UKなりのハードなスピリチュアル・ジャズという感じで、ジャズ・ロック的なヘヴィさと、そこを支えるエレクトロという不思議なバランスが面白いです。いつもは精密なプレイが印象的なMoses Boydですが、オラオラと叩く様が良いですね。
Tema Cinque / Lorenzo Morresi & Tenderlonious
マルチ奏者Lorenzo Morresiと22a主宰のフルート奏者TenderloniousによるデュオLorenzo Morresi & TenderloniousがEP『ACQUA』を2022/2/25にリリース。
エキゾな6/8グルーヴだった「Acqua」と、リズムマシンが心地よいエレクトロ・ジャズ・バラードな「Tema Cinque」の2曲のEPとなっています。ともに絶妙にUKジャズや他の様々なジャズの磁場とは違った、クラブで聴く「いつのだかわからないけどカッコ良い音楽」みたいな音になっていて良いです。特に「Tema Cinque」の怪しい雰囲気がカッコよく、もうちょっと当時っぽいローファイな音にしても良い気もするんですが、そこを現代的なパキッとした音にすることで、本当にいつの時代の音楽かわからない奇怪な音になっています。Tenderloniousのひねくれ感が良いです。
Sanctify Me / MATTIE
テキサス拠点のアーティストMATTIEが新譜『Jupiter's Purse』をLeaving Recordsより2022/2/25にリリース。プロデュースはBlack Taffy、ミックスとマスタリングはMatthewdavid。
陰鬱なハイパーポップみたいな感じでカッコ良いです。解像度が少し低い、というか低音がゴリゴリで、そのハードさがビートミュージック的な雰囲気になっています。それもあって、エレクトロ感強いけれど、同時になんとなく肉体的な印象も受けて面白いです。
Shiasate / Yasuaki Shimizu
サックス奏者/コンポーザー清水靖晃による1984年録音の未発表作『Kiren』が2022/2/23にリリース。『案山子』が1982年録音、マライア『うたかたの日々』が1983年録音なので、その延長にあるようなエレクトロ・エクスペリメンタル。ダンスミュージックとも言えるんですが、なんというか機械のビートが強過ぎて全部踊れる感じになってしまった、みたいなバランスにも聞こえます。
エレクトロの「箱庭だけど広い」みたいなスケール感と、そこで朗々と吹くサックスのアンバランスさが面白く、確実にこの世の音ではないSF感というか、今聴くと凄くポップでアーティスティックな音ですね。今リリースされたことがわかる、今だからこそ聴きたい音楽です。
Roden / The Growth Eternal
ベーシスト/シンガー/コンポーザーであるThe Growth Eternalが新作『PARASAiL-18』を2022/2/25にリリース。今まで曲が短めだったんですが(長くて2分くらい)、本作は全体的曲が長め、「Roden」は約6分半あります。
曲が長くなったこともあり、今までは一ネタで周回は無く終わる感じだったんですが、よりポップスの構造に近づき展開が入る曲調に。加工された声の気持ち良さ/悪さを楽しむ、SF的なサイバーR&Bという感じです。エッジーな音使いでありつつも、意外に一つ一つの音はまろいのが良く、気怠げでチルな雰囲気がカッコ良いですね。
Sero Sam Te / Branko Mataja
旧ユーゴスラビア出身で北米を拠点に活躍したギター奏者Branko Matajaの音源がNumeroから!1973年頃に発表された『Traditional And Folk Songs Of Yugoslavia』と、80年代半ばに発表され個人的に来客に配られたとされる『Folk Songs of Serbja』の2枚のアルバムからの楽曲が収録されたAL『Over Fields And Mountains』が2022/3/25にリリース。
哀愁のメロディと淡々とした演奏、妙なサイケ感がカッコ良いです。演奏はローファイっぽいんだけど、リバーブやトレモロが妙に綺麗なのもあって、サンプリング的な音にも聞こえるというか、時空が歪む感じが良いですね。
bonita bonita bonita / ILL-SUGI
ビートメイカーILL-SUGIが新作ビートテープ『WAV MECHANICAL』を2022/2/20にリリース。重心低めというか、いっそモゴモゴしていると言っても良いんじゃないかくらいの音がカッコ良いです。遠くから聞こえてくるような声ネタが亡霊的で良い!
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