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Diary (Playlist) 2023/5/19

Holocene Pyre w/Joy Harjo / The Growth Eternal

 LA拠点のマルチ奏者/ベーシストThe Growth Eternalの新曲。詩人のJoy Harjoが参加しています。この曲の利益の一部を「気候危機に対する、先住民の局所的な解決策と土地回復への支援」をするために寄付するとのこと。
 エクスペリメンタルなビートに歌が加わったような曲調で、解像度高めな音色一つ一つが刺激的。こういう曲って結構ダークor無菌室的な雰囲気になることが多いんですが、最終的にメロウな印象なのが面白いです。曲としては浮遊感あるけど、温かみある音色と歌心が響くというか。
 そしてもう一つの注目ポイントは曲の長さですね。意外なほどテンションが切れないのが素晴らしく、削るところがなくてちゃんと7分超えたんだなと思いました。大きな展開があるわけでもないんですが、この長さに納得感あるんですよね。

Mockingbird / Salamanda

 韓国のエレクトロデュオSalamandaの新曲。Peggy Gouが主宰する新興レーベルGudu Recordsの新しいコンピシリーズ収録曲です。
 気持ち良い音の(あえていうなら)ブレイクビーツ。音色の快楽性で空間が持っている感じが素晴らしいです。ヒップホップ的なブレイクビーツとはハイファイとローファイでベクトルは真逆だけど、原理は意外なほど同じな気もする。

Barcelona Part IV / Eli Keszler

 来日公演もするドラマー/打楽器奏者/作曲家Eli KeszlerがライブAL『LIVE』をリリース。全体で約1時間20分のダブルALとのこと。2022年6月18日にバルセロナで開催されたソナーフェスティバルと、2023年10月20日にマンハッタンのペースギャラリーで行われたパフォーマンスが収録されています。
 良すぎ凄すぎです。そしてライブ作とは思えないほどの超ハイファイ。限界を超えたほど叩きまくるからこそ、アンビエントになる奇跡です。
 収録1年空いているんですが、大きな差は無く、ただ共に素晴らしいと言うのも面白いですね。プレイとしては、ある種フォーマット化しているんですが、だからこその洗練と精度、そして日による変化が滋味になるというか。

PAIXÃO / Matty

 元BBNGの鍵盤奏者Matthew TavaresことMattyがAL『EIS O HOMEM』を2023/4/30にbcでリリース&2023/5/14に配信開始。滅茶苦茶良いDJミックスみたいな、ジャンルやビートを飛び越えて繋がっていく感じが素晴らしい傑作です。
 本作では(多分)ほぼ鍵盤を演奏せずギターを演奏(これは以前のソロ作から)。アシッドフォークとバレアリックなビートの共通点をサイケに見出し、どろどろに混ぜ合わせたトリップ作です。多幸感とビートが波のように満ちては引き……という緩急が最高なので、是非AL通して聴いてください。逆に単曲でザッピング的に聞くと謎になると思う。
 ビートレス〜サイケバンド的なゆるリズムから、エレクトロのビートと行き来するんですが、不思議と雰囲気は継続しているんですよね。ハードなビートが入ってもダークでストイックにならない良さというか。

Duende / Pepe.

 ポーランドのレーベルU Know Me Recordsに所属するアーティストPepe.の新曲。エレクトロの清涼さとサンプリング的なドープさが入ったバレアリック・ハウス。じわじわした展開で抑えるセンスの良さがかっこ良いです。

Dream / Pantayo

  フィリピンの伝統楽器クリンタンを使用したトロントのバンドPantaroが2023/6/9にAL『Ang Pagdaloy』をリリース&先行曲公開第二弾。こちらはインスト曲。
 クリンタンのピッチが合っていない/他の音街楽器が合わせるような感じも全く無いのが面白いですね。異物感というにはあまりにもぶつかっている感じが妙なサイケデリックさを出しています。

Passenger (Jeff Parker Interpolation)/ Interpol

 Interpolが昨年リリースしたAL『The Other Side of Make-Believe』収録曲をJeff Parkerがremix。原曲はロックなんですが、異形のトリップホップになっています。ドラムの絶妙なよたり具合が気持ち悪くてカッコ良いです。人間の奇妙なところを切り出した感じ。踊れるかはわからないブレイクビーツって最高ですね。

Yinne Te Yelle Be / Alogte Oho and his Sounds of Joy

 ガーナのフラフラ・ゴスペル・ユニットAlogte Oho and his Sounds of JoyがAL『O Yinne!』を2023/6/2にリリース&先行曲公開第二弾。ざっくりとレゲエで、歌のテンションの高さといい、素朴な録音感といい、黄金期のサウンドと言う感じでカッコ良いです。ソロはヴィブラフォン?

partygatorR.I.P. (feat. Xenia Rubinos, Denmark Vessey, Quelle Chris, bb tombo) / Temps

 漫画のワニがフロントを務めるコレクティブTempsがAL『PARTY GATOR PURGATORY』を2023/5/19にリリース。英国のスタンドアップ・コメディアンのジェームス・アカスターがプロデュースとのこと。
 カオスなのにセンスの良さでまとまるのが天才的でカッコ良いです。ジャンクという体だけど、素材にはとことんこだわっている感じですね。

Live at Stand By - Side B / Rezzett

 激ローファイなレフトフィールド・ダンスミュージック。くぐもっちゃった音がひたすらカッコ良いです。Side Bはドラムンから始まるんですが、暗いクラブで聞いた時のフロアの不穏感がそのまま詰め込まれている感じ。怪しくもカッコ良いクラブミュージックです。


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