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Diary (Playlist) 2022/11/11

(ほぼ)毎週10曲更新予定。コメント短めでプレイリストメインです。
最後にプレイリスト貼ってます。

Someone Close / Floating Points

 Floating PointsがEP『Someone Close』を2022/11/9にリリース。 4曲入りでタイトル曲以外は既にリリース済み。なんですが、他の曲がクラブ直球のダンス・トラックだったのに対し、この曲はビートレスの(あえていうなら)アンビエント。アルペジエーターが鳴り響く最近のダンスミュージック経由のアンビエントという感じで、違う言い方をすると、チルアウト目標というよりイントロのじわじわ感を永遠に続けているような曲です。
 エレクトロ中心の音像の中、管楽器の混ぜ方が上手く、シンセ的でありながら箱庭感がないのが良いですね。ちゃんとぶっ飛び系に仕上がってます。

The Want / Gold Panda

 Gold PandaがAL『The Work』を2022/11/11にリリース。6年ぶりのソロALとのこと。今まであまりちゃんと聞いてこなかったんですが、ついにしっくりきました。
 裏ビートミュージック感じで、ヒップホップ的な手法を感じるIDMみたいな音像です。踊れるけど無理に踊らせようとしない、エモいけどこちらを無理やりエモくしようとはしないところが余裕感あって良いですね。

(Bring On The) Bad Weather (feat. Anushka) / STR4TA

 STR4TAがAL『STR4TASFEAR』を2022/11/11にリリース。前作は直球のブリットファンクが今だとちょうど面白い、みたいな作品の印象だったんですが、今回はブリットファンク〜アシッドジャズに聞こえるのに、同時にしっかりモダンにも聞こえるALになっています。ゲストが豪華で、Emma-Jean ThackrayやTheo Croker、Omarなどが参加。
 国内版の解説書きました。是非実物で!

just / KMRU

 ケニア出身のアンビエント・アーティストKMRUがAL『epoch』を2022/10/25にリリース&2022/11/9から配信開始。フィールドレコーディングを多く使用するアーティストで、その意味ではそれぞれの聞く環境での環境音も取り込むタイプの音楽っぽいんですが、音が鳴った瞬間に部屋の空気を一変させるような濃度の濃い音像が魅力です。アンビエントというかメディテーションというか、速攻悟り開いた空間へみたいな感じ。
 今年だけでもかなりAL出しており、多作かつ濃密なアンビエントという独自のポジションを築いています。

Up / Duval Timothy

 Kendrick LamarやSolangeの作品にも参加する鍵盤奏者Duval TimothyがAL『Meeting With A Judas Tree』をリリース。
 フィールドレコーディングやシンセなど入りつつ、曲の圧倒的な軸はピアノで、かついわゆるポスト・クラシカルなハイファイ系(だけ)ではないんですよね。ローファイまで通ったピアノという感じで、生々しい質感と美しい旋律が素晴らしいです。
 意外にシネマティックじゃないのが面白く、がっつり音楽作品なんですよね。消費されない力強さが良いです。

Waterfalls (Feat. Topanga Paserntes) / The Randy Paserntes Trio feat. Sam Gendel and Gabe Noel

 The Randy Paserntes Trio feat. Sam Gendel and Gabe NoelがAL『Now At Last』を2022/11/11にリリース。Sam Gendel『Satin Doll』の裏というか表バージョンという感じで、真っ当にジャズをやりながら時空が狂っていく感じが面白いです。
 この曲は唯一エレクトロ感ある曲で、歌声はしっかり甘いからこそのなんだかよくわからない場所に迷い込んでしまったような感じが面白いです。実験的な作品として狙っているのか、偶然こうなったのか、そもそもこれくらいが丁度良い塩梅の世界なのか、あまりよくわかっていません。

Noonday Yellow / Ernest Hood

 75年作『Neighborhoods』がPitchfork『The 50 Best Ambient Albums of All Time』にも選出されるなど、近年再評価が進む米国ポートランドのアーティストErnest Hood、1972〜1982に録音された未発表曲をまとめたAL『Back to the Woodlands』を2022/11/11にリリース。
 フィールドレコーディングされた鳥の声の中、ツィターやハープやフルートが響くアンビエント/実験音楽。(多分)アンビエント的な方向を志向していないからこそ出来た音楽という気がします。美しい音像の中、牧歌的なメロディとあどけない演奏が浮かび上がる様が多幸感あって素晴らしい。

Low Resolutions at Santikos / More Eaze

 アメリカのコラージュ作家More EazeがAL『Strawberry Season』を2022/11/9にリリース。Floating Points「Someone Close」と聴き比べてもらいたい、アルペジエーターなど構造は同じだけれどこちらはがっつりアンビエントな曲。アウトロが素晴らしく、音の質感で曲を作っていることがわかる良さがあります。
 爆音というかヘッドフォン推奨な耳に心地よい音が詰まったALです。

Open Arms / Bog Bodies

 The Smilesにも参加する管楽器/マルチ奏者Robert Stillmanらによるジャズ・トリオBog BodiesがAL『Bog Bodies』を2022/11/11にリリース。UKだけど欧州っぽいフリーとも言えそうなんですが、ちょっとSunn O)))味があったり、雑食性と孤高のバランスが結果まさにUKっぽい気がします(USだとちょっとジャンク入りそうな気がする)。
 音の響きを楽しむ即興という感じで、重なっては消えていくアンサンブルが良いです。

Barumimi / Gigi Masin

 Gigi Masinが2年ぶりのAL『Vahinè』を2022/11/11にリリース。「これまでで最もダンスミュージックに接近した」らしく、この曲もビートが入っています。
 ビート自体は正直結構古めな印象なんですが、それを押し切るエモーショナルな上物がすごく、なんか有無を言わせない凄みを感じました。あるいは大箱仕様?変なバランス含めて、最終的にはさすがGigi Masinだなと思わせるALです。


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