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Diary (Playlist) 2021/12/3

(ほぼ)毎週10曲更新予定。コメント短めでプレイリストメインです。
最後にプレイリスト貼ってます。

Kawai Voyage / DJ Harrison

 Butcher Brownの鍵盤奏者でもDJ Harrisonがソロ作『Tales from the Old Dominion』を2021/12/03にリリース。Stones Throw Recordsからとなります。
 前のStones Throwからの作品『HazyMoods』は凝っていた(というか少しアブかった)印象だったんですが、今回は定期的にリリースしているソロ作と同じ雰囲気の直球ビート作。個人的に感じていることなんですが、Butcher Brownとも共通する「(ソロやメロではなく)メロウなノリを続けることで曲を聴かせる」美学があるように思えて良かったです。

Need Nobody / Matt Martians

 The InternetのMatt Martians、今年二つ目のEPとなる『Butterfly Don't Visit Caterpillar』を2021/12/03にリリース。ダウナーでもはやアッパー、みたいな雰囲気がカッコ良く、バンド化することでヘルシーになっていた(とも言える)The Internetのアクが聞けた気がして良かったです。
 どれもビート作くらいの短い曲なんですが、意外なほどちゃんと歌を乗せるところが面白いですね。アブストラクトなトラックというところで終わらない、ポップに(?)していく感覚がThe Internetの攻め感につながっているんだなと思いました。

Stand Up / Tierra Whack

 Tierra WhackがスニーカーブランドVansとのコラボEP『Rap?』を2021/12/02にリリース。声でやり切る滅茶苦茶シンプルなトラックがカッコ良い!3曲でそれぞれ2分台の短さ、合計でわずか8分半程度なんですが、曲のバリエーションといい、ミニマルな作りといい、満足感の高い良いEPでした。

Stranger / Gabriels

 カリフォルニア拠点のソウル・グループGabrielsの新作『Bloodline』が2021/12/03にリリース。ソウルフルが突き進んでアブストラクトな扉が開く系で、ゴスペルやソウル、R&Bの強い影響を感じながら出力が独自になっているのが素晴らしいです。Son Luxみもありますね。

Satellite (feat. Louis Cole & Genevieve Artadi) / Thundercat

 米ドラマ『インセキュア』の第5シーズンのサウンドトラックに提供したThundercat新曲。feat.はKNOWER表記でもいい気も?

Cadillac / Zeitgeist Freedom Energy Exchange

 メルボルンの30/70 collectiveのドラマーでもあるZiggy ZeitgeistによるユニットZeitgeist Freedom Energy Exchangeが新作『Prayer For Peace』を2021/12/03にリリース。メルボルンからベルリンに拠点を移したようで、本作はメンバーが一新、ベルリンのミュージシャンとなっています。またJazzanovaのスタジオで録音したとのこと。
 メルボルンのクラブカルチャー直系のラフでサイケなクラブジャズから、少しフュージョン感やスムースさが入った気がします。とはUKジャズと近そうで違う、ビートで聴かせるけれど最終的にはカオスになっても良いだろうサイケ&パワー感がカッコ良いです。

Desert Dream Romance / Buttering Trio

 なかなか新作出ないなと思っていたButtering Trio、ついに来年にALをリリース予定とのことで、とりあえず新曲公開。ドラマーAmir Breslerが全面的に参加しているようです。

When It Gets Dark (feat. Kenneth Whalum) / Jamire Williams

 Solange、モーゼス・サムニー、ブラッド・オレンジ作への参加でも知られるドラマーJamire Williamsが新作『But Only After You Have Suffered』を2021/12/03にリリース。前作『Effectual』は基本ドラムソロという音響的実験作でしたが、本作は(ドラムは叩いているっぽいが)どこでドラムを叩いているのが中々わからない(というかまったくビートが中心に来ない)作曲家/プロデューサーとしての作品…なのか?
 聞き込まないとなんとも言えないであろう作品なので、とりあえずもうちょっと聞きます。

Señorita / Arca

 Arcaがソロ作を4作ほぼ同時リリース。こちらはその2作目『Kick ⅲ』。個人的には「異形化したビート系」となってしまうと興味無くなってしまうので(「普通の」レゲトン自体が既に無茶苦茶だと(だからこそかっこいいと)思うので、改めて異形化しようとしているところが若干もやりとする)、その重力圏から離れた(気がした)『Kick ⅲ』良かったです。
 と書きつつ、5部作としての評価が必須だと思います。Arcaは聴くと体力持っていかれるんですよね…。聞きます!

Anthem / Kenny G

 などなどありつつ、今週はこれでしょう!Kenny Gが新作『New Standards』を2021/12/03にリリース。50年代、60年代のジャズ・バラードにインスピレーションを受けた、本人の言葉を引用すると「愛すべきジャズ・スタンダードの "心と魂 "を捉えた曲を作曲・演奏し、"私のやり方 "で録音することにしました。」という作品とのこと。
 前作『Brazilian Nights』の軽さもいまやクセになりますが、基本的にKenny G作のリズム(ドラム、打楽器系)は、リッチであるもののだからこそ軽め。生々しさよりも端正なスタジオワークだなと印象でした。しかし本作はバラード作ということでリズムがほぼ無し!Kenny Gのこれでもかと歌い上げるサックスの濃厚さを前面に押し出したアルバムになっています。
 結果アンビエント/ニューエイジ作にも思える、ねっとりスムース感が素晴らしかったです。そしてこの濃密さにも関わらず絶妙にBGMとしても機能する軽さは、Kenny Gのネアカっぷりだと思っています。
 vapor文脈でこのアルバム評価されないかな…!


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