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複数階層の目線を持とう!〜LDLバディ対談「今年の目標」〜 #0108

先日、木下斉さんが所長を務めるオンラインラボ、LDLのバディ対談で福井県あわら市の温泉旅館を経営されている八木司さんと対談しました。テーマは「今年の目標」です!

八木さんは、声のトーンが落ち着いた方で、話す内容も現実的かつ実践的。とても信頼の置ける方、という印象の方でした!
(八木さんのリンクは以下。すごい方です!!↓)

対話の中で勉強になることは多々あったのですが、代々続く旅館を改革し、エリア再生にまで関わられている八木さんのお話から、「複数階層の目線を持つ」というレイヤー思考について、とても参考になるなーと思ったので、共有したいと思います!


個人、経営、エリアの3軸で考える

「今年の目標」というお題に対して八木さんから、「個人の目標」「経営の目標」「エリアの目標」という3軸での目標をお話いただきました。

わたくしにとって考えさせられたのが、内容もさることながら、目標を3つのレイヤーに分けて語られていることでした。経営者であったり、ビジネスのマインドがある方は、この見方が普通にできているんだろうなーーと思ったわけです。

自身からエリアまで、自己を拡張しながら伸び縮みして視点を変えていく、というのは全く自分には欠けていた観点でした。
わたくしは、自分自身をまだ「個体」と認識しているので、短略的に「店を持ちたい!」みたいな目標設定をしてしまっていました。社会的な視点まで自己を拡張した場合にどうしたいのか、という点を自分でも考えてみよう!と思ったわけです。

前回書いた「庭」と「ランドスケープ」の違いに似ていて、自分はまだ自己の範囲が「庭」(というか「木」w)。対して、八木さんの見ている風景は「ランドスケープ」なんだろうなーーと感じました。(前回記事↓)

俯瞰的に見ること

俯瞰的に物事を見る上で必要なことは、目線の軸を変えることで多面的に物事を把握することなんだと思うわけです。

考えてみれば庭も同じです。個々の植物の特性を見ることもあれば、全体の収支バランスを考えるし、パースペクティブで見た庭(もっというと周辺環境も踏まえた庭)という見方もするわけです。
植物だけ見ていても、ランドスケープはできないってことですね。

これを書いていて思ったのが、旅館の経営自体が非常にコーディネーター的な能力を必要とされるものだ、ということです。
旅館やホテルだと例えば厨房や庭の職人さんと関わることもある。あるいは音楽、内装、インテリアのレイアウトや見せ方、本のセレクトなど(八木さんのホテルには、地元の書店さんのセレクト本を入れている)、滞在しやすい空間設計が必要です。サービス業としてのおもてなしや、広報、そして当然経営的な方針、、。これらをまとめるコーディネーター的な考え方が、経営そのものだし、俯瞰的な目線を獲得することにつながっているんだろうなーと感じた次第です。

八木さんがエリアで活動するにあたって、今後データ分析をできる人材を仲間にしていきたい、という話もあったのですが、これもこのコーディネートの延長だと思うのです。
データ解析はまさに、無限にあるパラメーターで「効いている」あるいは「相関している」データを抽出してくる作業なので、俯瞰的かつ個別具体的に行ったり来たりすることの具体的な表れなんですよね。

さすが、目の付け所がコーディネーター的だ!と感心することしきりでした。

個人に寄りすぎない

では自分はどうなんだ、というと、前項で書いたようにまだ個人に寄りすぎている傾向があるわけです。
そういや樹木医の師匠によく言われるもんな、、。「木を見るな。下がって全体を見よ」と。木の配置は樹形やサイズ、色のトーンや地形や地覆とのバランスなど、全体として「自然に」見えることが大事なのです。

やはり庭も自分の経営も、まだ「木」しか見えていないってことなんでしょう。
しかし、自分で作業をしていたり、走りながら事業をしていると、ついついこの辺りを忘れてしまうんですよねw。
いみじくも木下さんが言っている「ジブン株式会社」がまさにこの「下がって全体を見よ」ということなんだよなーと振り返るきっかけになりました。

今回の対談で特に実感したことの一つが、走りながらだと見えなくなってしまう時には、伴走してくれる存在ってのはありがたいものなんだろうな、ということです。メンター的な人って必要なんだなーと人生で初めて(!)思えたので、今後メンター的な人を見つけていきたいなーと思った次第です。

特に個人事業だと自分の世界に入りすぎてしまいますからね。客観的にアドバイスをいただける方をつける、というのは自分の行き先を見失わないために大事なんだろうなー。ホント、初めて気づきましたw

俯瞰的であるために自分の目標を3軸でみる

で、八木さんと同じように目標の立て方を3軸で考えたとすると、自分ではどうだろう?と考えてみました。

まず経営軸。
これは売上規模や事業上の数値的な目標と捉えています。
個人的に、数値目標は自分の中では明確に置かないことをモットーとしていました。というのも、数値目標を置くと規模を求めてしまい、数値達成だけで「できている」と勘違いしがちだからです。
とはいえ事業である以上、儲けがないと継続ができないので、ぼんやりとした売上と作庭の件数目標は毎年上げていました。

売上目標!と言うとハチマキ巻いて「エイエイオー」の世界になってしまうし、成果が上がるかどうかは「わからない」と言うのが本当の所だと思っています。積み上げ的な目標はやはり置かない、というスタンスは変えずにいきたいと思います。とはいえ、自分の事業はまだ利益率が悪く、改善余地があることが一つのチャレンジです。
と言うことで、なんとなく年初にも考えていましたが、確定申告時の利益を黒字化することを一つの目標にしたいな、と思っています。

次にエリア軸。
散文的に色々な人と関わる中で考えることが多いのですが、もう少しエリア集約的に人を集めることに関わりたいと思っています。
これはあくまで個人的な実感として持っているところなのですが、地元にカルチャー面での多様性が無い、ということを移住当初から思い続けています。

この週末、まちなかの雑貨屋兼カフェ(町で唯一と言っていいカルチャー的な発信の場)でグリーンの販売ポップアップを行いました。これが信じられないくらいたくさんの人に来てもらって、今までで最も販売益があったのですが、グリーンとお店とを関連していく可能性を実感しました。また逆に植物を置くようなお店が全くないエリアであることも再確認しました。
(また別にこの話は書きたいと思います)

「グリーンから始まるエリア」ということは常々考えていることです。
外構や1階の店舗のグリーンを連続的に入れることで、商店街エリアを統一的な歩行エリアにしたいなーというのが一つの目標。他業種、例えば「家具×グリーン」「飲食×グリーン」「ホテル×グリーン」のように、それぞれを「際立たせる」存在としてのグリーン活動を展開したいですね。そうすることで人や店舗を増やしていく実例を作ってみたいです。
今年の目標は、地元でエッジの効いたお店とのコラボ案件を3件やってみたいですね。それを見て、発信としての店舗に興味を持ってくれる人を増えればなーと考えます。

最後に個人軸。
個人目標としては「店を持つ」ということを掲げていたのですが、ここに関しては、店の形態を考えたいなーと思います。

そもそも木下さんにもともと相談した内容の回答に立ち返って、緑に対して共感してもらえる商業施設へのランドスケーピング→出店、みたいな流れを再考した方が良いと感じています。
あるいは有名施設の外構ですかねー。近隣に有名なホテルや子供用の大きな施設があるのですが、現状このあたりは雑草エリアになってしまっています。グリーンが「コスト」になっているので、こういった場所を「資産」、つまり非日常的な再訪したくなる空間に変えていく提案もしたいですね。

つまり。個人の目標としては、出店の前段階としてやはり自分のアイコンになるような仕事が必要かな、と思います。これは八木さんにも指摘された内容でありました。サスガです!

ということで、頭の中を整理する、大変良い機会になりました!
八木さん、ありがとうございました!!

ではでは!


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