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続・スウェーデンのホームセンター(考察編) No.0066

さてさて、前回はスウェーデンの園芸店やらホームセンターが面白かった話を書いたのですが、何が日本と違うんかなーということを書いてみたいと思う次第です。

園芸店とホームセンターの考察①:やっぱり品数

園芸店もホームセンターも、何がそんなに日本と違うのかと思うのだが、何しろまず品数が違う。

日本も大型のホームセンターや園芸店もあるが、なんでも置いてるスーパースタイルが多く、どうも売り物の視点がぼやけている。そもそも、園芸店なんて、ホームセンターの角にひと区画申し訳程度にあるだけのところばかり。

最近はDIYが一般的になって、日本にもプロショップも増えたけど、どこも置いているものに大差がない。
例えば断熱材ひとつとっても、高密度のロックウール は置いてない、とか最低品質のものだけ少量置いてるだけ、とかだったりするので、オプションが少なすぎる。
スウェーデンは、ガチのプロ向けかつ高品質のものも置いているので、同じサッシひとつとっても、選べる幅が段違い。

単純な品数は日本のホームセンターもそれなりにはあるけど、「広く浅く」という感じで、同じ商品(例えばビスならビスの種類とか)の深みが足りない。だから結局、信頼できる工務店さんに教えてもらったものを、ネットで注文するような流れになってしまうわけなんですな。
メーカー側との取り決めもあるんだろうけど、その辺は売り場側がセレクトしていかないと、今よりもっと売れなくなると思うんだよなー。
セレクトの本屋が台頭してきたように、ホームセンターもセレクトしていかないといけないと思うわけです。

スタッキングコンテナ売り場
断熱材、めちゃくちゃ充実してたよ

園芸店とホームセンター考察②:やっぱりデザイン

次にデザイン。①とも絡むけど、選べるデザインの幅が桁違い。
例えばサッシなんかは、木製、樹脂から自分が使いたいデザインのメーカーを選べる。メーカーも、いわゆる大手ではないので、こだわりのデザインで、シャープなもの、古い家のリフォーム用デザイン、サッシの色も選べる。窓はペアかトリプルが基本なので、断熱性能も抜群。
日本の一般商品みたいに華奢ではなく、重厚感のあるものばかりなので使う安心感があって良いですな。

園芸品なんかは、鉢はデザイナーズショップでしか売ってなさそうな形や色のものが無数に棚に並んでいる。木や鉄を使った用品も多くてこれは風景によく馴染むよねーという具合です。

可愛い!使いたい!というデザインが多いのは、消費者の「使いたい欲」をそそるものばかりなのです。
この辺、やっぱうまいよなーと思わざるを得ないわけです。

日本の商品ってやっぱり「用途」に縛られすぎだと思うんだよなー。消費者ってやぱり、使いたいものを使うと思うので、機能だけあればいいって感じで、デザインや素材や重さを切り詰めすぎなんじゃないかしら。

「北欧」だからデザイン性が高いんでしょ、というのももっともだが、本来日本のプロダクトってデザイン性高いと思うんだよね。実際、北欧でも結構日本の道具って売れてるわけだし。
わたくしは、マーケとか販促にお金かけるくらいだったら、デザインにもう少しフォーカスしてもいいんじゃね?と思う派です。


鉢もいろいろある
売り場の作り方もうまいよね

園芸店とホームセンター考察③:そして無音

何のこっちゃとお思いでしょうが、店内が無音。そして店員が少ない。

これはまず、買い物に当たって余計なインプットがないので、買い物に没頭できる点で良い。
日本のお店は、BGMやら店員やら説明書きやらセールのチラシやらが多すぎる。商品よりも情報で売ろうとしすぎている気がして、気が萎えてくるのである。
音がないってのは良いもんです。音に意味があったりすると(歌詞があったりすると)そっちに意識が引っ張られるし、店員さんと話をしづらい。BGMって結構センス問われるし、よっぽどおしゃれ方面じゃなけりゃ、やらない方が良いと思う派です。(西松屋とかはそうだけど)
店員さんにしても、品出し人員とか多すぎるよね。はっきり言って、商品に詳しい人が3,4人いれば良いだけで、あとは同数くらいのバイトと機械で充分では、、と思ってしまうわけです。

店側の視点で言うと、こう言う余計な販促や人員にコストを割かなくて良いので、日本の無駄に多い商品整理人員(このバイトをやっていたことがあるが)や、ホームセンターに限らず常に店内に流れる独自BGMの制作費などをめちゃくちゃ削減できる。その分、品質やデザインの良いものをもっと置けると思うんだけどね。
回り回って、消費者側にもメリットがあるわけで。

まとめだよ!

一般的にDIYが普及しているから、こう言うホームセンター系が充実するんだろうなーと言うのはある。
このホームセンターの後に行った友人家族なんて、窓ガラスのはめ替えもリフォームも外壁塗りも全部自分たちでやってたからね。自分もデンマークにいた時は壁補修の手伝いとかしてたし、都会でも内装はみんな自分でやってたしね。「普通」の感覚がだいぶ違うよね、と言うのはある。

日本は妙に家のことに関してのハードルが高すぎて、自分たちでやろうと言う気概がなさすぎるように思う。
しかし、日本も今後、人口が減っていくと、この辺りの仕事を人に頼まず(頼めず)に自分でやっていく必要が大いにあると思うわけです。
建具や外壁も自分で選んで、自分たちでできるところはやっていくようにしないと、人に頼めなくなったときに手を打てなくなると思うんです。
そもそも、ホームメーカーにペラペラの家を安く作ってもらったところで、高騰していくであろうメンテナンス費用を垂れ流していくだけになってしまう気がするが、どうなんでしょうね。

販売側は、この辺を見越してDIY市場をもっと拡張していく必要があると思うんよね。自分で家を改修してるとわかるけど、ひとつひとつはそんなに難しいことではないんです。構造的なところだけ大工さんにやってもらえれば、あとは自分でやろうと思えばできるもんです。
それだけに、より市場が大きくなると、自分で選べるものの幅が広がって、作りたい方向で作れるようになると思うんだけどなー。自分だけなんだろうか、、。

この辺の市場を、ぜひともクリエイトして行って欲しいと思うものですよ。


チャオ!

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