見出し画像

知らないうちに店頭から消えている、お気に入りの商品。

毎晩、献立に困る。昨夜の夕食の残りで済ませることもあれば、スーパーに入ってから考えることもある。面倒くさくなって、コンビニの冷凍食品を選ぶこともしばしばだ。最近は夏バテのせいか、何かを食べたいと強く思うことがない。そんな私が、今日は久々に食べたいと思うものが頭に浮かんだ。

またもや手抜きではあるのだけれど、コンビニの五目あんかけ焼きそばだ。たまに無性に食べたくなるあの味を、今日は思い出したのだ。仕事からの帰り道、コンビニに寄る。冷凍食品のコーナーでお目当てのものを探した。汁なし坦々麺やうどん、まぜそばなど、過去に何度か買ったことのある商品が並んでいる。しかし、今日買おうと思っていた五目あんかけ焼きそばが見当たらない。

パッケージを見ても、値段表示を見ても、どこにもない。どうやら売り切れたわけではなく、最初から置いていないらしい。「コンビニの冷凍食品の中で一番好き」と言っても過言ではないものが、コンビニからなくなってしまった。そんなに売れ行きが悪かったのだろうか? 

ここにちゃんと、私というニーズがあるというのに、どうやらこのニーズは少数派らしい。きっとみんながもっと大好きな、もっとよく売れる商品があって、私のお気に入りの五目あんかけ焼きそばは販売中止に追い込まれたのだろう。

思い返せばこんなことが、以前にもあった。お菓子とか、文房具とか、私がこよなく愛している商品が、あるとき店頭から消えているのだ。それらはやはり、「惜しまれつつ」というよりは、「需要がないから」といった感じでなくなっているのである。

他の多くの人と同じ嗜好を持てば、こんな思いをしなくて済むのだろうか。「私にだけ分かる商品」というのも、微かな優越感を与えてくれるけれど、店頭から消えてしまっては元も子もない。結局、お気に入りの商品の存続に貢献できなかった私には、無力感だけが残るのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?