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フランス旅行記 プロバンス篇

プロバンスへ行こう

リヨンを後にし、エクサンプロバンス ( Aix-en-Provence ) へ行くことにしました。つまり南仏。南仏といってもいろんな地方にさらに分かれていきます。エクサンプロバンスはブーシュ・デュ・ローヌ県にあるマルセイユから電車で40分くらいのところに位置する街。人口約12万人。プロバンス地方の観光拠点となる街であり、フランスの国民的画家であるセザンヌの出身地。さんさんたる容赦ない日差しと乾いた風。澄み渡る青い空。パリは365日のうち300日曇っているというけれど、南仏はまったく別世界。悩んでいる暇もないほどの太陽。

プロバンス地方は古代ローマ時代のあと、フランク族やイスラム帝国領となった歴史を持ち、15世紀にフランス領になった地方です。このため史跡が日常の中に数多く残っており、特にローマ人の建築物は状態のよいままで街の一部となっています。

エクサンプロバンスは、通称エクス。エクス ( Aix ) とはラテン語で水を表すところから、「プロバンスの水」という意味で、もともと豊かな水源のある土地であったことを物語っています。町ができるには、まず泉から井戸ができてそれから教会ができてお店ができてという順番。

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リヨンからエクスまでは電車でそう遠くない。TGVなら1時間とちょっと。今回はこのエクスを拠点として、プロバンスにある「フランスの最も美しい村」を訪ねることにしました。しかもこれまで行ったことがない村へ行ってみよう。

学生だったころ、期末試験が終わると各駅停車の電車にのり、ユースホステルに泊まってプロバンスを巡りました。アヴィニョンアルルオランジュニーム。まだまだたくさんの魅力的な町や村が点在する。わたしは中でもアルルが大好きで、南仏に行くたび訪れていました。コンスタンチンヌス大浴場跡もある。古代ローマ人は紀元前にお湯の出る上下水道完備の大公衆浴場を作り、享受していました。リヨンの古代ローマ劇場では音に関する技術の高さがうかがえましたが、プロバンスに来ると水に関する技術もこれまたすごいことがわかる。

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エクスを歩いていると、地方の可能性というかメトロポリタンを選ばずにあえて南仏を選ぶという大きな選択肢が見えてきます。これは日本であっても同じであると思うけど、コロナによるテレワークの普及や、どこにいても自分のいるところがワークステーションになるという働き方は十分可能な時代に入ってきていると。コロナ後の世界では円錐形ヒエラルキーはだんだんと溶けていき、ゆるやかなヨコのつながりによって生活していけるようになるような感じがします。実力と責任が伴うものであるでしょうが、仕事は労働から表現(アート)となっていく。エクスはそれを感じさせる街。

↓ こちらはサン・ソーヴール大聖堂。5世紀から10世紀の長い間作られ続けた教会。ゴシック、ローマン。それぞれの時代の建築様式が集合したカテドラル。

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↓ こちらはエクスの郵便局でみつけた味のある張り紙。この扉は閉鎖されていますという趣旨。

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ではここからプロバンスめぐりを始めていきましょう。


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