音の葉
真夜中のフクロウ
電車が通る
遮断機が鳴る音
週末 暴走族が走る爆音
音が消えるその時に
音楽が生まれる
かえるの声 リスの求愛
生まれたその音は
音の葉となって
浮かんでは消え
消えては浮かんで
湿り気を帯びた空気にその余韻が放たれる
音は何万光年も経て
地球に戻ってきて 再び音楽となる
ひらりふわ ゆらゆらら
ゆ
どかん ぴゅう ぴよう ふぃー
不安定なようで決して途切れることなく
次の何万光年か先まで漂い続ける
景色が変わり多くの生き物が生まれて死んで
入れ替わっても
その音楽は相変わらず不安定に
時には長い間を伴いながら漂い続ける
ひらりふわ ゆらゆ ら
ぴちゃん
どん びよう ふぃー
ぶん ど どどん
私たちには風の音にしか聴こえない
その音
無数の音の葉が連なっている宇宙
始まりも終わりも誰も知らない
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