「初恋」を忘れないために
親友の好きな人が初恋相手に……。
私の初恋相手は、親友が想いを寄せた人でした。
初恋の彼とは高校3年間、同じ教室で過ごしたクラスメイト。片思いする親友に、彼の様子を毎日報告するのが、私と親友をつなぐ絆のひとつでした。
・クラス写真で見せる彼の笑顔
・友人と楽しそうに話す彼の様子
・授業中の真面目な彼の表情
「親友のため」に見つめていた彼の日常が、いつからだろう「自分のため」に変わってしまった。
私は親友への罪悪感と、彼への恋心を発したい気持ちで心が大きく揺れました。葛藤する気持ちを隠して過ごす毎日。ツラくて苦しかったことを覚えています。しかし私の気持ちを、親友も彼も気付いていたというから、思い返してみると、本当に恥ずかしい……。
心の葛藤から解放されるまでには、さほど時間はかからなかったが、ひどく長く感じたことを覚えている。
まずは、
親友に「ごめん」
そして、
彼に「すき」
心がすっきりした。
あれから20年ほど……。
親友とは、良好な関係がつづいている。
どきどき食事に行っては、仕事や子育て、互いの夫婦のことを話したりする。
初恋の彼とは、夢の中でときどき会う。
高校時代と変わらない彼と過ごした時間。朝を迎えると、懐かしい気持ちと次回の登場を楽しみにする自分がいる。
彼は今どんな生活をしているだろう。結婚して子供がいて、夢をかなえているのかな?そして私の初恋での、心の戦い。初デートでペアルックになったこと…。覚えているかな。
彼と会ってみたい!という気持ちが無いわけではない。
でも彼と会うのは、夢の中だけがいいと思っている。
初恋での記憶を、鮮明に覚えておくために。
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