見出し画像

宇宙を夢見る子どもたちと夢に挑み続けるおとなたち。


先日、宇宙好きのこどもたちのためのスペシャル企画

JAXAさんとの協力で「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャーの津田さん、

そして国立天文台のチリ観測所の教授

阪本先生にご登壇いただくという

なんとも贅沢なイベントを実施しました。

宇宙が大好きな子どもたちにとっては
お二人とも憧れの大先輩。

お二人の講演に子どもたちは、

熱心にメモを取ったり

大きく頷いては拍手をしたり、

目をキラキラと輝かせていました。


今回のnoteは、子どもたちへのメッセージがとても素敵で大変胸を打たれたので、参加されていない方にもぜひお伝えしたいなと思い書く事にしました。


これまであまり宇宙に興味がない方にも

楽しんでいただけたらと思い、
少し、どんなお仕事をされているのか
わたしなりに書いてみます。

(専門家ではなく、いち宇宙好きの大人が書いているので、詳しい方は間違いなどありましたらコメント等で教えてくださいね!)



宇宙史に残る「7つの世界初」を成し遂げた日本の開発チーム。


「はやぶさ2」は小型探査機で、
リュウグウという小惑星から
「星のカケラ」を持って帰ることが
ミッションです。

この「はやぶさ2」そして前任の「はやぶさ」はファンも多いのですが、

今回ご登壇いただいた津田さんは、そのはやぶさ2のプロジェクトマネージャーです。

そして、なんと「7つの世界初」を成し遂げ

宇宙史に残る偉大なる成功おさめています。

どれくらいすごいかというと、

3億キロ離れた場所のどんな形状かもよくわからない、どんな地面かもわからない小惑星に、なんと1メートルの誤差も出さずに到着させました。

「NASAでさえ20年かかっても追いつけない」と言われるほどの歴史的偉業を津田さん率いる日本のチームが成し遂げたのです。

そしてこのPJにファンが多いのは、

すごいだけでなく、その成功の裏に涙なしでは語れない

幾多の困難やトラブルがあったのです。

そうして世界中が見守る中、紆余曲折を経てようやく掴んだ成功でした。

「44回訓練をして、そのうち20回は墜落した。それでも、諦めなかった。そして本番では誤差1mで成功した。あの感動はきっといつまでも忘れられない。」そうおっしゃっていました。

(長くなりすぎるのでここから先はぜひ検索を!
映画化もされているので是非観てほしい!もうこれは大人たち胸熱です。)



世界22の国と地域が手を取り合い生まれた観測所


先ほどの小型探査機はやぶさ、そしてはやぶさ2は

小惑星から物質を持ち帰り、

その物質から太陽系のはじまりを探ることがミッションでしたが、

この国立天文台チリ観測所のアルマ望遠鏡の

ミッションもまさに「太陽系のはじまりの謎」に挑むことです。

わたしはこの観測所がある理由からとても好きです。

その理由は、国立天文台チリ観測所という場所は、

日本を含む22の国と地域の研究機関の協力のもと

東アジア、北米、ヨーロッパが対等に協力しあい生まれた観測所なのです。

この競争社会、宇宙ビジネスが激化するこの時代に

手を取り合い、対等に協力し合う、というのがとても素敵ですよね。

阪本先生は、その国立天文台チリ観測所の所長を経て、現在は教授というお仕事をされています。

地球の裏側チリの標高5000mの砂漠にあるその観測所の展望台の広さは、

なんと山手線の内側に匹敵する広さ。

そこに66基のアンテナを配置していて、

日本はそのうち約1/4のアンテナを提供しています。

そこで世界22の国と地域とが

それぞれの技術と知恵を惜しみなく出し合い、

共に手を取り合って「太陽系のはじまり」という大きな謎に挑戦する。

なんだかロマンがありますよね。

こどもたちが大人になる時代には、

これが世界のスタンダードであるといいなと思っています。

チリの現地時間は夜中の3時すぎだというのに、
子どもたちのために講演してくださいました。涙


面白いと思うものをとことん突きつめること



お二人の対談の最後に
こどもたちへのメッセージをくださいました。


津田さん率いるはやぶさ2のチームは、

直接のメンバーが600人、関係者も入れたら数千人。

「リュウグウのことをもっと知りたい。太陽系の謎を解き明かすんだ」という夢を、数千人の大人たちが追い続け成功させることができました。
だからみんなも「これは面白い」と思う好奇心を大切にして欲しい。
そして、とことん好きを追求して欲しい
それを貫くと誰よりも詳しくなってエキスパートになる。
だから最初の好奇心を何よりも大切にして欲しい。

そうメッセージをくださいました。


本当に強いのは、おんなじよりも違う100人が集まった時。


阪本先生は「こどもたちの方が優れていることは沢山ある」
そう仰りながらこんな言葉をこどもたちに送ってくれました。

好奇心は子どもには敵わないし、

好きな事に使う時間も大人よりもたくさんある。

だから子どものうちは、

とにかく好きなものをとことん追求して欲しい。

それが大人になった時の好奇心や集中力、

この分野は負けないという自信になる。

そして、その好きを追求したいろんな大人たちが集まった時本当に強くなる。

大勢の人でプロジェクトをやる時、

100人が100人ともおんなじでは力にはならない。

違う事に興味を持った100人が集まった時、

想像もできないような大きな力を発揮する。

そうして困った時に助け合う。だから、自分だけの好きを追求して欲しい。


世界22の国と地域で協力し合って作られた

世界最大の観測所の所長である阪本先生だからこそのメッセージに、

気がつけば涙があふれていました。





「好きなことを好きだと、胸を張って言えるように」


お二人の話してくださったことは、
私たちも共感するものが多く、本当に嬉しく思いました。

「なんでだろう?どうして?」
そう思える興味のタネを見つけて、
好きをとことん追求すること。

みんなそれができるはずなのに
大きくなるにつれ、
大人の思う正解にあわせたり、
誰かの意見に自信をなくすことがある。

胸を張って「わたしはこれが好き。」

「これがわたし」と言えるように。


子どもたちの「好き」を

大人たちはどうか優しく見守って欲しい。

それが、その子だけの人生を作っていくから。

自分の好きを大切にすることが、
誰かの好きを大切にする心を育てる。

阪本先生もおっしゃっていたように
みんなおんなじじゃつまらない。

みんなちがうから、面白くて
そのちがいが世界をより彩り豊かにしていく。

多様性ある社会の一歩は、
「これがわたし」を、
胸を張って言えることから始まるんじゃないかな。



いつの間にか”大人”になったあなたにも、
このメッセージが届きますように。

「あなたの好きをどうか大切にしてください。」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?