見出し画像

子どもも大人も楽しめる!おたる水族館

小樽・祝津ワーケーションモニターツアーの3日目の午前中に、おたる水族館に行きました。主人は10年ほど前に行ったことがありましたが、私は初めてでした。

おたる水族館について

おたる水族館については、知らないことばかりでした。そもそも、この水族館は市営だと思っていましたが、実は株式会社小樽水族館公社という会社が経営しているんですね。おたる水族館の前身は1958年、海岸沿い(今の鰊御殿のふもとあたり)に作られた北海道大博覧会の海の小樽会場でした。それが翌1959年に小樽市立水族館として運営されるようになりました。1974年に現在の高台に移転され、この時に運営母体が小樽水族館公社に変更されたそうです。それから実に46年。日本の中でも歴史ある水族館のひとつです。今回のモニターツアーを主催したNPO法人小樽祝津たなげ会の理事長さんは、株式会社おたる水族館公社の会長さんでもあります。

海獣公園へ。

今回は、飼育部の課長さんが案内してくださりました。まず向かったのは、屋外にある海獣公園。こちらは海を仕切っただけのプールで、多種のアザラシ、トド、セイウチ、アシカ、ペンギンなどを見ることができます。海とつながっているため、ウニや魚が海から入ってくることもあるそうです。さらには、大きな波に乗って野生のアザラシも入ってきて、頭数が増えていた!なんてこともあるそうです。

画像1

アシカとアザラシの違いなど、あまり詳しくなかったのですが、実物を見ると、顔かたちも大きさも全然違って面白いですね。同じアザラシでも種類によって性格や学習能力の違いもあるそうで・・・奥が深いです。

画像2

海獣公園では餌も販売しています。バケツいっぱいのお魚(名前を忘れてしまいました)をトングで取って、アシカやアザラシの子どもたちにあげました。餌の魚を投げ入れると、我先にと飛び上がって上手にキャッチします。

画像3

海獣公園で心に残ったことの1つは、目が見えなくなったアザラシたちの存在でした。自然界では目が見えなくなると、長生きすることはできません。動物たちの保護、繁殖、研究、展示の役割を担った水族館ならではの光景で、歳をとるまで(取ってもなお)大事に飼育され、展示されている様子が印象的でした。

水族館の中へ。

北海道ならではの希少生物や、美味しそうな魚たち(笑)、世界的にも珍しいネズミイルカたち(鼻が尖っていなくて、優しい顔立ち)、サメやウミガメ、熱帯の魚たちも観ることができます。
北海道の海の魚たちは、基本は灰色で、あまり華がないかもしれません。けれど、すぐそこの海から来た魚も多く、「こんな魚がこの海にいるのかあ」と実物を間近で観ることができるのは楽しいです。

画像4

魚が水槽の中を泳いでいる姿をじーっとみていると、なんとなく引き込まれ、癒されます。静かで薄暗い空間に浮かび上がった水槽の中にいる、泳ぎ回る魚たちや、ゆらゆら揺れる海藻、小刻みに動く小さな動物たちを見飽きることがありません。時間を忘れて、ずっとみていられる感じがします。

画像5

地方にある小さな水族館として。

水族館に足を運ぶのは、子どもの頃以来でした。私は静岡県出身なので、水族館といえば家族旅行の際に旅先で訪れる選択肢の1つでした。伊豆・三津シーパラダイス、名古屋港水族館、鳥羽水族館、横浜・八景島シーパラダイスなど、関東や東海エリアの水族館は、あちこち何度も行きました。

20年以上経って、久しぶりに訪れた水族館は、子どもの頃の印象とは違いました。かつての水族館で思い出に残っているのは、イルカやラッコのショーです。しかし、現在は動物愛護の観点から、新たにイルカやラッコを観賞用に入手することはできないそうです。そして、動物たちに何を訓練させるかと言う点にも非常に気を遣うため、ショーの形も変わってきているそうです。

おたる水族館には2頭のネズミイルカがいますが、2頭とも定置網に迷い込んでしまった個体を保護したもので、大学と生態や習性などを研究する目的で飼育しています。周りにいる絶滅の危機に瀕した動物たちを研究し、自然保護や繁殖に寄与していくことも、地方の水族館の大切な役割です。

一方、アザラシやトドは網にかかった魚の一部を食べてしまうため、漁師の方々にとって頭を悩ます存在でもあります。絶滅の危機に瀕する動物を保護すると同時に、「害獣」と呼ばれる海獣がいることは何とも複雑な気持ちになります。アザラシも生きるために生息地を移動しているので、漁業被害額が増えたとしても個体数が増え過ぎている訳ではないと思う、といったお話も伺いました。アザラシたちを大切に育てながら、沿岸にやってくる害獣とみなされる野生のアザラシと対峙する職員さんたちは、難しい課題の狭間に身を置いているのだなと感じました。

水族館は、時代の変化に伴い、多くの課題に向き合いながら運営されています。とはいえ、誰がみても、動物の生態や自然の豊かさを身近に感じ、楽しく学べるように、展示が工夫されています。実物を見れば見るほど新しい発見がありますし、丁寧に書かれた説明も全部読めば何時間も経つほどの情報量です。最近は水族館のウェブサイトやYouTube を使った情報提供にも力を入れているので、水族館に行く前後で予習・復習しても楽しいと思います。

今回は説明を聞きながら全体を2時間で回りました。水族館の職員さんならではの視点で説明してくださることや、こちらの質問に答えてくださることで、より理解が深まりました。次回はぜひショーも観たいです。季節や年ごとに特別な展示もあるそうなので、またゆっくり楽しみたいと思います!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?