安成(あんなり)さん

在ウクライナ17年のライター。好きな国で好きな奴らと付き合い好きな猫達と好きなように生…

安成(あんなり)さん

在ウクライナ17年のライター。好きな国で好きな奴らと付き合い好きな猫達と好きなように生きてきた。15年目に隣の国が侵攻してきていきなり戦争の中の人になった。理不尽な戦争で死んでいった人達と何とか生きている自分達について書くことにした。https://ukraine-np.com/

最近の記事

愛しのプタシュカー飛ぶことをやめたウクライナの小鳥は地上で強くたくましく生きていくー

ともこさんの井戸端ウクライナ解説 Vol.3 ー普通のおばさんだから言えることー はじめに 戦争と女とメディアの爪今回のテーマは「戦争と女性」。戦場は男の世界。女性兵士の増えた現代の戦争でも、戦地で亡くなるのは圧倒的に男性兵士。しかし、戦死だけが戦争による傷痕ではありません。戦争の現場には、殊更に女性を苦しめる兵器もあります。とりわけ、じわじわと尊厳を傷つけ、笑顔を奪っていくメディア(ソーシャルメディア、マスメディア)という名の兵器は、近年の戦争のなかで存在感を強めてきてい

    • 東は東、西は西ーウクライナの東西問題ー

      ともこさんの井戸端ウクライナ解説 Vol.2 ー普通のおばさんだからいえることー ウクライナの東部と西部では、様々な違いがあります。これはとてもよく尋ねられる質問なんですが、東ウクライナと西ウクライナでは、ウクライナの一部になるまでの歴史的な経緯も違いますし、通常使われる言語も違います(東部はロシア語、西部はウクライナ語)。 歴史的経緯というと、単に過去の問題と思ってしまいそうですが、現在でも街中には18世紀や19世紀、さらにはもっと古い時代の建物やその跡地も残っており、

      • ゼレンスキーに花束を Квіти для Зеленського

        ともこさんの井戸端ウクライナ解説 Vol.1 ー普通のおばさんだからいえることー 7月5日(金曜日)日本時間の午後8時、HANAさん主催のオンライン懇親会が開かれました。日本では都知事選の話題で持ちきりのなか、遠い異国からの報告に時間を割いていただいて、嬉しい限りです。 私にとってオンライン懇親会はおよそ2ヶ月ぶり。現在、ウクライナ全土は長時間の計画停電実施中なため、自宅からではなく、うちの近所にあるコワーキングスペースからの参加となりました。オンライン会議のときはいつも

        • 「僕らはみんな生きている」 ウクライナ現地報告 2024年6月

          「僕らはみんな生きている」2024年6月の現地報告をお届けします。 ウクライナは現在、ロシアのインフラ攻撃に起因する計画停電の真っ最中。2022年ー2023年冬に続く第二弾の計画停電になりますが、想像以上に苦労している現地の模様をお届けします。インタビュアーはHANAさん、答えるのはウクライナリヴィウ在住の安成さんです。 「僕らはみんな生きている」キャンプファイヤー挑戦中 ウクライナ全土で計画停電実施中 HANA 早速ですが、停電で大変だとおっしゃってましたね。 安成 

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          ダリ 帰ってこなかった戦場の詩人

          爆音の響く塹壕で詩を読み続けた詩人ダリ。2024年1月、33歳のウクライナ青年はハルキウ戦線で最愛の猫とともに戦場で散った はじめに仕事であちこち移動するので、結構な数の有名人を生で見た。ローマの空港でまだスリムだった頃のディカプリオを見た。成田でまだ爽やかだった頃のキムタクも見た。ウクライナに来てからは、コネを使って、まだフサフサだった頃のスヴャトスラフ・ヴァカルチュークを至近距離で見た。 名高いイケメンを数々見たけど、ダリほど眼力の強い男に会ったことはなかった。今もま

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