インドネシアに来た当初感じた10の違和感
(※この記事は2024年2月「 #1か月間ブログ書くぞ 」企画の記事です。)
みなさん、こんにちは。
インドネシアでメディア広告事業を経営しています、長谷川と申します。
今日は日曜日なのでサラッとした内容を投稿を書きます。私は2024年4月でインドネシア在住丸10年になるのですが、インドネシアに来た当初に感じていた違和感、日本との違い、その前に5年間住んでいたタイとの違いなどを、忘れないうちにここに記しておこうと思いここに書いてみたいと思います。
1.相槌の「んん」
まず1つ目の違和感、インドネシア人の相槌です。日本人の「うん」とか「はい」みたいに1語での"Yes"の意みたいな相槌ではなく「んん」と2語続くのです。日本人の感覚からすると「う〜ん」か「ん〜」みたいな感じで、最初は"少し躊躇または妥協してのyes"なのかなとか、「うんうん」みたいにフレンドリーな意味なのかなでもちょっと失礼だなとか、想像したりしたのですが、そうではなくて肯定的なyesの相槌が「んん」なのです。今では自分自身もインドネシア語流の「んん」の相槌が無意識に出るようになってしまっているので、逆に日本語での会話でも時々そういった相槌が出てしまって変な空気を生んでしまっているのを気をつけたいと思います。
2.びしょびしょの便座
インドネシアに来てトイレでびっくりすることがいくつかあるのですが、まずはこれ、びしょびしょの便座です。「え、清掃の人が洗ってまだ拭き取ってない個室に入ってしまったのか?!」と焦るレベルで便座から床からびしょびしょに濡れている現象に、駅やテーマパークなどの公衆トイレだけでなく、ショッピングモールやホテルなどの綺麗なトイレでも遭遇します。
これはほとんどのインドネシア人が、便座の横についているホースシャワーのようなもので日本のウォッシュレットのようにお尻や便座を洗うからなのですが、今まで日本のトイレスタイルに慣れてきた自分は当初は非常に戸惑いました。今では逆に少し濡れている便座の方が、「あ、使った後に洗ってくれたんだな」と思って、その後乾いたティッシュなどで拭き取ってむしろその方が清潔に感じるようになりましたが、ほとんどの日本人の方が私と同じように最初このびしょびしょのトイレにはカルチャーショックを受けるのではないでしょうか。
3.逆向きのトイレットペーパー
お次もトイレエリアの違和感が続きます、個室に設置されているトイレットペーパー、日本ではペーパーを切り取りやすいように、ペーパーホルダーの切り取り口のギザギザ部分やカバーのある方に最新のペーパーが来るように設置(下図左側「Over」の向き)すると思うのですが、インドネシアでは結構な確率で向こう側に最新のペーパーが垂れ下がって(下図右側「Under」の向き)、ホルダーで紙がスムーズに切れずに自力で手で切り離さないといけないパターンが多いなと感じました。(そして私の妻もこの「Under」で設置する派で、「なんで?」と聞いても「え?こちら向きが正しいんじゃないの?」と何の疑問も持たずに物心ついたときからトイレットペーパーは「Under」だったみたいです)
今回少し調べてみたら、意外とUnder主流の国も多いみたいですね。日本から飛び出して初めて知った慣習の違いでした。
4. やたら消費するティッシュペーパー
日本に居たときの自分にとってはティッシュペーパーはそこそこ高価なもの(品質も良い)で、一枚一枚大事に使っていたのですが、インドネシア人たちが当たり前のようにティッシュペーパーを鞄に入れて持ち歩いたりして、食堂で食事する前、汚い椅子に座る前など、非常に気軽に躊躇なくティッシュペーパーを何枚もパックから摘み出して使っている様子に驚いてしまいました。
ジャカルタに10年住んだ今はもう、私もインドネシア人のみなさん同様、湯水のようにティッシュペーパーを消費する1人になりました。背景としましては、やはり「空気が汚い」ので食器やテーブルやイスがすぐ汚れる可能性が高く、食事前にそういったものをティッシュで一応拭き取ることが慣習化されているからではないかと思います。
インドネシアのティッシュペーパー相場は日本より3〜4倍高いと思います。それでも2億7千万人のインドネシア国民が大量にティッシュペーパーを消費するので、製紙会社さんにとってかなり魅力的な市場なのではないかと想像します。
5.やたら人数多い飲食店店員
ほとんどの日本人の方がインドネシアの飲食店に入ってしばらくして「あれ⁈ 店員やたら多いな、このお店!」と気づかれると思います。
そう、インドネシアの飲食店の一店舗あたりの規模に対する店員比率がおかしいんです。曜日や時間帯によっては、とあるラーメン屋さんの中に居るお客さんが4名、店内(ホール)にいる従業員だけでも25名、みたいな光景もあったりします。
このような従業員多めの飲食店の人員体制になる背景としていくつかの理由があるかと思うのですが、主に以下の理由だと思われます。
マルチタスクが苦手なインドネシア人
不安定な勤怠、または突然の音信不通などに備えた二重化
仕事を多く処理できる優秀な人材1人雇うよりもタスクを3つに分けて3人雇った方が費用対効果が良いという経営判断がまだできる人材市場環境
こういった特殊な環境が、席に案内する人、注文を取る人、空いたコップにお茶を注ぐ人、料理を運ぶ人、支払い対応の人、などそれぞれの担当スタッフがシングルタスクの分担で分けるマネジメントスタイルを定着させて、「え、この規模でこの従業員数?!」と驚く人員数が配置されているのです。
6.空いた皿をすぐ下げにくる飲食店店員
これだけは、10年間インドネシアに住んで生活しても正直未だに私の価値観が受け入れられない違和感なのですが、飲食店で食べ終わったと思われるお皿や器があると、すぐに店員さんが飛んできて何も言わずに下げていくか、「食べ終わりましたか?」と聞かれてお皿を片付けていきます。
個人的には全ての料理が食べ終わるまでゆっくりと食事の時間を楽しみたいので、一品ずつ忙しなくお皿を下げて欲しく無いのですが、食事が進むごとに椅子取りゲームのようにテーブルのお皿が1枚また1枚と消えていき、食事終わりになかなか寂しいテーブル風景になってしまうのがとても残念で、未だにこの対応をされる度に「うーん、、」と思ってしまうインドネシアの慣習です。外食の頻度が高い生活をしているので、これが改善されるだけで私個人のジャカルタ生活QOLは上がりそうです。
7.クルプックとクリピックを食べるタイミング
インドネシア料理を食べると、必ずと言って良いほど食事に添えられている、またはテーブルに当たり前のように置かれている、または店員さんなどがオススメしてくるのが「クルプック(Kerupuk)」や「クリピック(Keripik)」と言われるせんべい・チップスのようなスナックに遭遇します。
インドネシア生活を始めた当初は、白飯、おかず、スープなどと同列にこのクルプック/クリピックが出てきた時に「え、食事中にせんべい?!」と最初戸惑い、どのタイミングでパリパリ食べるのが正解なのかわからず、結局最後の最後でデザート(?)的に頂いたり、食べないまま食事を終えてしまうことが結構ありました。
今はインドネシア人の食事の楽しみ方も知り、食感や様々な調理方法を楽しむ本当に食事好きな国民なんだなと感覚がシンクロできたので、白飯→スープ→クリピック、揚げ物→生野菜→サンバル→クルプック、みたいな感じで普通に食事の様々なおかずの流れの中でこのせんべい・チップスを美味しくいただけるようになっております。
8.常に砂糖入りがデフォルトなお茶飲料
インドネシアのお茶は甘いのです。紅茶はもちろん、緑茶ですらも甘い状態でペットボトルで売られているので、インドネシアに来た当初はこの甘過ぎる全てのお茶系が苦手でした。(今でも基本的には積極的には購入、注文はしないです)
でもインドネシア人に「何故こんなに甘いお茶を飲むの?」と聞くと、「砂糖が入っていないお茶にお金を払う方が信じられない、お金を払うのだから砂糖入りのものに価値を感じる」という回答が返ってきて、そういう見方もあるのかと目から鱗が落ちたのを今でも覚えています。
10年経って、最近ではスターバックスなどでも「Less Sugar」「Less Ice」などの健康を意識したカスタマイズ注文ができるようになったり「No Sugar」のお茶飲料も各社発売するようになっておりますので、やはり経済成長とともに国民の健康意識も高まって、消費者ニーズに変化が起きて市場に出てくる商品も健康志向になっていくのだなと、現在進行形で体感しているところです。
9. 子供が神様でみんなで育児をする世界
年間約500万人の赤ちゃんが生まれるインドネシアは赤ちゃん大国でして、日々生活していて視界に赤ちゃん・子供たちが入って来ない日は無いくらいです。
そんな子供が多い国ならではだと思うのですが、子供の対応に慣れている方が多く、お店の店員さん、ショッピングモールの警備員の方、タクシーの運転手さんなど、全てのインドネシア人の方々子供たちに対してとてもポジティブに接しています。レストランで赤ちゃんが大声で泣いていても、誰一人嫌な顔をする人はおらず、むしろ店員さんたちがあやしにきてくれたりします。
また経済的な余裕有無に関わらず、全ての層の人たちがベビーシッターさんなどに育児をサポートしてもらう慣習が根付いていて、親戚や近所のおばさんたちも含め、みんなで子供を育てるような土壌が既にあるので、子育てが夫婦だけの問題ではない空気が非常に温かいなと感じました。
そして、私自身もこの10年間でインドネシア人の妻と結婚をして、子供3人が生まれて育児をする身になった今、改めてインドネシアのこの温かい子育てサポート文化に感謝する日々です。
10. インドネシア国民のあいさつと笑顔が素敵過ぎる
最後の10番目の違和感は、とっておきのポジティブ違和感です。インドネシア人の国民性の最大の魅力と言って良いのでは無いかと思うのですが、インドネシア国民全員がとても気持ちの良い挨拶をしてくれます。
「おはよう」「ありがとう」「どういたしまして」、何のことない簡単な挨拶なのですが嫌味もなく強制感もなく、頭で考える間も無く本当にその人の心から自然と湧き出てくる挨拶のフレーズが、他の国で味わったことが無いくらい心に直球で刺さります。(少なくとも私には)
そしてさらに笑顔がこれまたメガトン級に素敵で、先ほどの心から自然と湧き出る挨拶と、自然に出る笑顔が常にセットで投げかけられてきて、私の場合は人間的にというよりももう少し本能に近いような、動物的な感覚と感情が揺さぶられました。
仕事柄、インドネシアに出張でいらっしゃる日本人の方と毎月10名くらいはお会いしているのですが、ほとんどの方がお会いして開口一番「インドネシア人の笑顔が素敵」「人柄がすごく良い」「ポスピタリティがすごい」と、インドネシア国民の魅力についてコメントされます。そのくらい、インドネシア国民の人間力は素晴らしいと思いますし、私がこの国を拠点として生きていこうと決めることができた大きな要素の一つでもあるのです。
慣れてしまう前に
というわけで、今回はインドネシアに来た当初の違和感を忘れないうちに記録に残しました。まだまだこの国と国民が大好きで長居すると思いますので、そのうち完全にインドネシア人化して今の違和感も当たり前になって慣れてしまうかもしれませんが、その時にまたこの記事を読んで振り返ることができれば、当たり前では無いことに感謝できるかなと思います。
それではみなさん、おやすみなさい!
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