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言葉を開発する

世の中には、頭の良い人の思考法や、効率良い時間の使い方、メモの取り方など、生活や仕事を快適にして時間を有効活用するための色々なノウハウが溢れているのですが、僕たちが毎日空気のように無意識で使っている言葉についても、少しの意識をするだけで未来が良い方向に変化すると思っていまして、そんな「言葉」を自発的に開発してみましょう、という話をします。

皆さんが少し何かを考えるきっかけになりましたら嬉しいです。

言葉の持つチカラ

言葉には色々なチカラが宿っていると思います、「さすが!」と言われると大したことをしていなくても何故か気分が上がりますし、「がっかりした」と言われるとシュンと落ち込みます。

また誰がその言葉を発するかでも、言葉のチカラが変わったりもします。
漫画「ONE PIECE」の主人公ルフィのような真っ直ぐなキャラクターが、『海賊王に、おれはなるっ!』と堂々と言ってのけるから響くのであって、映画『パイレーツオブカリビアン』のジョニー・デップ扮するジャック・スパロウ船長が無邪気に『海賊王に、おれはなるっ!』と言っても、キャラに合わない言葉で響かないわけです。
それよりも、『俺はキャプテン・ジャック・スパロウだ。おわかり?』と、俺様感を出しているセリフの方が役柄にも役者ジョニー・デップにもマッチして、観る人はワクワク心が動くのは、やはりその人その人に合った言葉、その人の持つ力を引き出す言葉というのが、あるからだと思います。

私たちが何気なく毎日発している言葉ですが、使う言葉によって相手に与える影響が変わることを知っていましたら、より意識して発したり、より意識してチカラのある言葉に置き換えたり、ときには新しく造語を開発することだってできます。

具体的にどんな言葉にチカラがあるのか、どういう風に言葉を創り出すのか、3パターンの場面に分けて説明していきたいと思います。

クローズドな関係内での合言葉

クローズドな関係の中で共通の「合言葉」を開発してみましょう、という話なのですが、実は意外とみなさんすでに自然とやられていたりします。

家族の中だけでウケるギャグ、夫婦間だけで通じる造語、社内メンバーの間で多用する仕事用語、業界特有隠語など、一般的ではないけど、特定のグループ内では通じる言葉、共通のコンテクスト(文脈、状況、背景、前後関係)があるがゆえに成立する言葉ってありますよね。

こういった相手との共通の「合言葉」がありますと、関係性が近くなるという効果があると思います。実際に、夫婦間だけの呼び名や言葉使いがある夫婦は、そういうのが無い夫婦よりも離婚率が低い、なんて話も聞いてことがありますし、LINEグループやFacebookメッセンジャーグループでも、単なるグループメールなままなのと、何らかのグループ名が設定されているのでは、メンバーの”所属感”が違ってきますし、新しいメンバーの加入障壁みたいなものができて、メンバーの結束がより強まったりします。

このような効果を期待して、そこまで必要なくても敢えて共通の「合言葉」を開発して使うことで、関係性が近くなります。

具体的には
・相手に(他で呼ばれていない)あだ名をつける
・グループメンバーをひと括る、いい感じのグループ名を付ける
(「私たちって、●●な人の集まりですよね?」みたいに、属性を括るのでも良いかもしれません)
・共有した時間の中でのコンテクストで、新しい造語を開発する
・二人の会話の時だけの特有の語尾をつける(恋人、夫婦とかであれば)
みたいな方法で、新しい言葉を活用してみてください。

どんな人にも響くキラーワード

逆に、場所や人を選ばず、誰にでも響く効果がある言葉もあります。
わかりすいところでは、「ありがとう!」「嬉しいです!」「さすが!」といったポジティブな言葉、相手の自尊心をくすぐるような言葉、がそれに当たります。

そのほかにも、有名人が使って万人に響いている言葉なども使えます。
スティーブ・ジョブズ氏(Apple創業者)の"Stay Hungry, Stay Foolish"、オバマ氏(元44代アメリカ合衆国大統領)の"Yes, We Can!"、テレビドラマ「半沢直樹」の大和田常務の「施されたら施し返す、恩返しです!」といった決め台詞は、すでに多くの人に響いて知られるところとなっているため、ここぞという時に拝借して引用して使うことで、自分の発する言葉にチカラを与えてくれます。

そういったキラーワード、パワーワードは、テレビやドラマの中だけでなく、本やソーシャルメディア上にも溢れています。

今は昔と比べてソーシャルメディアでの発信が当たり前になり、有名人から一般人まで様々な人たちの言葉に気楽に触れることができますし、しかもその言葉に対する人々の反応も、「いいね!」やコメントなどで見てとれる時代ですので、そういった他人の言葉を見て、「ああ、こういう言葉がチカラがあるんだ」と学んで、自分のキャラクターにあった言葉に書き換えることだってできると思います。

こういう有名キラーワードは、すでに有名人が開発済みの言葉なのですが、それを「カバーする」といったイメージでしょうか。すでに効果が見ている言葉の編集ですので、ゼロからの言葉の開発するよりうまくいく確率も高いです。(しかし、多用し過ぎると、借り物言葉だらけの人といった印象になるので、気をつけましょう。。)

自分だけの魔法の言葉を開発する

このように、クローズドな関係グループの中で造語を作ったり、万人に響くキラーワードを自分なりに書き換えたりしているうちに、自分だけの魔法の言葉というのがいくつか生まれてきます。

例えば、編集者の箕輪厚介さんの「死ぬこと以外かすり傷」みたいな言葉は、箕輪さんだけの魔法の言葉だなと思うのです。

この「死ぬこと以外かすり傷」という言葉一つを聞いただけで、箕輪さんの性格(負けん気の強さ、ストレス耐性)、行動指針(死なない限りは諦めずにチャレンジする)、美学(死ぬほどのチャレンジができていないのはダサい)、みたいなものが見えてきて、いちいち「私は〇〇な性格でして・・」と説明しなくても、このキラーワードだけで色々なことが一瞬で伝わってきます。

さらに他人がこの言葉を使っても、入学式の小学1年生とランドセルの様に、言葉と本人がフィットせず「借りてきた言葉」感が出過ぎてしまい、他人が拝借しにくい言葉だと思うのです。

このような、自分自身のキャラクターにフィットし、自分らしさが増す言葉が見つかりますと、初対面で自己紹介の際や、エピソードトークの前など、長々とつまらない話をせずに相手に自分のことを知ってもらって、さらに「え、どういうこと?もっと詳しく聞きたい!」と、興味を持ってもらえるきっかけに繋がります。

僕の場合ですと、例えば別のnoteで書いた「おかわり」という言葉などが、それに当たるかなと思います。
自分のキャラに合っていて、生き方、美学、そのあとに続くエピソードなど、どこから切り取ってもらっても、その「おかわり」で説明ができるからです。

この「おかわり」はいつ頃から自分で使い始めたんだろう、、と思い返しても思い出せないのですが、おそらく20代の頃に先輩経営者の皆さんとお会いして、毎回自己紹介をしていた中で、この「おかわり」というキーワードへの食い付きが良かったため、そのうち毎回そのテッパンワードを入れる様になっていったのではないかと思います。

ですので、日々の友達などとの会話の中で、聞き手の反応が想像よりも良かった言葉などは、自分だけの魔法の言葉になっていく可能性があると思いますので、もし良かったら、そんなことも気にかけてみてください。

おわりに

開発というと、商品やサービス、機械、ロボットなど、複雑で有形なものを想像してしまうので大袈裟かなとは思ったのですが、これだけ僕たちが日々無意識に使い続けている無形の一つ一つの言葉についても、単語1つ変えるだけで、語尾に1フレーズ付け加えるだけで、相手への印象と効果が大きく変わり、しかもロボットの開発と違い、言葉はコストゼロで開発できますので、タダで未来が良い方向に変わる方法として、皆さんの記憶の片隅に入れておいていただけましたら、嬉しいです。

前回、なんとサポートをくださった方がいらっしゃいまして、とても驚いたのですが、大変励みになりました、ありがとうございます。
皆さんのコメントや応援のおかげで続けられています、引き続き温かいエールをよろしくお願いいたします!


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