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「決め打ち」でもなく、「出たとこ勝負」でもない戦略策定プロセスについて

戦略策定のプロジェクトで、よく登場する質問がこの2つです。

1. どのレベルで戦略を構築できたら良いのか?
2. どの要素を動きながら考えると良いのか?

答えを出しにくい問いであるため、
あーでもない、こーでもない…と時間を使ってしまいがちです。

最近の関わっているプロジェクトでも、上記の問いの答えを明確にもっておく必要性を感じることがありました。

本日は、自分も改めて思考整理をしてみた「戦略策定プロセス」をテーマに書いていきます。

前提は、意図的戦略と創発的戦略の2つ

前提は、戦略の策定プロセスには、意図的・創発的の2つがあること、相互につながりあっていることを理解することが重要だと考えています。

意図的・創発的どちらか一方ではない

戦略をつくるプロセスは、一つの考え方で決め打ちで動くことは危険です。

リーンスタートアップ、エフェクチュエーションといった考え方も、間違えて取り入れると、戦略を考えることは意味がない、まずは動き出すことが大切だ!といった偏った解釈になっているケースをよく見かけます。

ポイントは、
・意図的・創発的のどっちに比重をおくか?
・時間軸で、意図的・創発的をどのように切り替えて運用するか?

の問いに向き合うことだと考えています。

プロセスを整理すると、このような流れになります。

戦略の決め打ちは限界がある

比重やプロセス設計をする際には、戦略の決め打ちは限界があることをチームで認識を合わせておくことが大切だと考えています。

2010年以降の戦略論の流れを改めてインプットをし直しているのですが、
・持続的な競争優位を築くことは大切ではあるが難易度が高いこと
・一時的競争優位を都度都度に判断して、積み重ねていくこと

の重要性が言われています。

持続する競争優位を確立しなければならないという概念は、これまで永きにわたって信じ続けられてきた。しかし競合他社や消費者の動向は過去に比べてあまりにも予測が難しく、業界も刻々と変化している。このような状況下で持続する優位性を持てる企業は稀である。先頭を走り続けるためには、常に新しい戦略的取り組みを打ち出すことで、多くの「一時的な競争優位」を同時並行的に確立し活用していく必要がある。このような優位性は一つひとつは短期間しかもたないかもしれないが、組み合わせることで、企業は長期間にわたるリードを維持できるのだ。

一時的競争優位こそ新たな常識 DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文

一時的競争優位を提唱し、上記論文の著者であるリタ マグレイスは、ポーターの考え方は古いと表現していますが、自分は古いというより「意図的と創発的の比重が変わってきている」と捉えるのがしっくりきています。

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