モスバーガーの応援マーケティングトレース!ネガティブ報道の時こそ、ブランドポジションを崩さないことの大切さ
モスバーガーが大好きな黒澤@マーケティングトレースです。
昨日も行ってきました!
何かとネガティブな報道が多いモスバーガー・・・モスバーガーファンとしては心苦しいところです。。
マクドナルドは不祥事の連鎖により、業績に大きな影響が出たことは記憶に新しいわけですが、モスバーガーがどのようにこの状況を抜け出すべきなのか?
をマーケティングトレースから考えていきたいと思います!
下記はマクドナルドの不祥事が続きた時の財務諸表です。
2009年~2015年が厳しい時期だったことがわかります。
ネガティブ報道
↓
ブランド棄損
↓
売上・経常ともに下がってしまった・・・
という状況を表しています。フランチャイズ店舗は、ブランドのコントロールが難しい部分がありますね・・・
モスバーガーファンとしては、マクドナルドと同じような影響を受けてもらいたくない。
頑張れモスバーガー!!!
ということで、マーケティングトレースやります。
◆モスバーガーの概要
モスバーガーの基本情報を整理していきます。
まずはIR情報をみていきます。
・売上713億8700万
・経常利益率5.5%(2018年/3期)
引用元:Newspicks
ちなみに、創業は1972年です。
◆◆店舗数は伸ばしていない
モスバーガーの売上高と店舗数は横ばい。国内はそこまで店舗数拡大をしていないことがわかります。
◆◆店舗数を他ファーストフード店と比較
どこのファーストフード店も店舗数を伸ばしているわけではないので、モスバーガーだけネガティブに捉える必要はなさそうです。
◆◆成長エンジンは海外
台湾、シンガポール、香港、タイなどの店舗数を拡大しているようです。
現状の売上高比率は下記のような形になっており、日本が80%近くは占めているようです。
◆モスバーガーの3C分析
3C分析から市場構造を読み解いていきます。
◆◆自社
組織資源を洗い出してみます。
・健康、こだわりのブランドイメージ
・協力農家約3000軒のネットワーク
・菜摘バーガーやライスバーガーなどの商品力
モスバーガーは、ブランドコンセプトと消費者ニーズが掛け合わさった領域でのみ新商品開発をするというこだわりをもっています。
たとえば、パンケーキがブームになっているときに、それに関連した新商品を開発するというような、流行に乗ったメニューをつくることはあまりない。独特なライスバーガーを例に取れば、「親子3世代でモスバーガーを訪れた時に、ハンバーガーになじみのないお年寄りでも食べられるメニュー」というコンセプトで開発されたものだ。
引用元は下記の記事です。
産地や工程はホームページ内でもしっかり公開↓↓
「差別化」「地域密着」を基本戦略とし、その上に「おいしさ」「安全・安心」「多様化」「利便性」「店舗体験価値」「輝く人」という6つの柱を据えています。この中で最も大切にしているのが「おいしさ」であり、モスグループが絶対に譲れない価値です。
引用元は下記になります。
◆顧客
・会員登録して週一回ペースで利用する人はロイヤリティが高いと仮定
※会員登録導線は改善の余地がありそうです。
・コアファンが多いことがTwitterをみてもわかります。
◆◆競合
・コンビニの中食市場獲得
※特にセブンイレブンのハンバーガーは美味しい!
・地域飲食店
※マクドナルドは競合ではない!と言われるけど、自分は競合という認識。味やサービス品質は同カテゴリとして比較されているはずです。
◆4P分析
チャネル構造含めて、モスバーガーの具体的なマーケティング戦略を分解していきます。
◆◆広告・PR
①SNSを活用した若年層の取り込み
SNSの流入経路は、Twitter→YouTubeという順番になっています。
Simillar webで調べてみました。
ホームページへの流入経路はオーガニックが70%近くになっていますね。
②ご当地メニュー
モスバーガーはフランチャイズ店舗比率が高く、フランチャイジーと本部との信頼関係も厚いことで有名です。
モスにあった仕掛け
ご当地メニューの開発→ジオターゲティング広告→地域でファン獲得・・というのが大枠のプロモーション戦略だと考えています。
◆◆価格
マクドナルドより高い、高級バーガーより安いという価格帯
Newspicksが出しているデータが本当にわかりやすい!
フレッシュネスバーガーの方が高い構造になっていることがわかります。
◆◆店舗/流通
店舗数:1400店舗弱
フランチャイジー1095店舗、直営店舗319店舗
ネット注文も強化している
既に宅配を強化しているモスバーガー。外食⇔中食⇔内食とカテゴリー全てを取りにきていることがわかります。
◆◆商品
菜摘バーガー、ライスバーガーなどが特徴的なメニュー
※低アレルゲンメニューなど健康に配慮したものも多い。
◆自分がCMOだったらどうするか?
自分がCMOだったら、モスバーガーが築いてきたブランドポジションを活かしたマーケティング施策を動かしていきます。
◆◆超ローカライズ戦略→社会価値追求
現在も地域戦略を進めているモスバーガーですが、さらにローカライズを進めるのはどうか?と考えています。
▼ローカライズの基本戦略
①フランチャイズ店舗、直営店に権限移譲
↓
②地域ニーズに合わせてローカライズ
↓
③地域顧客のLTVを最大化する
例えば、CSRをフランチャイジーに権限移譲→地域顧客との信頼関係を築くという新しいスタイルを築けたりしないでしょうか?
持続可能な開発目標(SDGs)をCSR内でうたっていますが、地域内でSDGsを実践できたら、競争力に繋がるCSRとなるのではないかと思います。
地域店舗をもっていることの強みをどこまで活かせるか?は、フランチャイズ業界全体に求められてくることかもしれません。
飲食店向けではないですが、小売再生論は参考になるかもしれないです。
◆◆デジタルシフト→サプライチェーン改革
今回の食中毒の問題からサプライチェーン改革は必須のはずです。
思い切って、システムまわりを抜本的に見直すのもありかもしれないです。
まず思いつきやすいのは、完全自動店舗です。
アメリカでは完全無人のファーストフード店は出てきています。
ブロックチェーン導入→サプライチェーン強化
食中毒の問題を乗り越える必要はあるので、ここは大規模投資をしてブロックチェーン導入→食品流通管理の仕組みそのものを変えてしまうのはどうでしょうか?
自動化を図りつつ、空いた人的リソースは地域顧客と信頼関係を築くために時間を使う。
王道のやり方ではあると思いますが、これからのエリアビジネスにおいて必要とされる発想だと考えています。
RPAの動向は要チェックです!
◆まとめ
モスバーガーは、一貫性のあるブランド戦略を実施していきているので、ネガティブな報道が多いタイミングだからこそ、築いてきたブランドポジションを崩さないことが大切だと考えています。
フランチャイジーとの信頼関係、農家ネットワーク、地域のファン層を活かしたマーケティングは、他社が簡単に模倣できるものではないはずです。
モスバーガーのマーケティングトレースは以上です。
とにかく、モスバーガー好きとしては、この厳しい時期を乗り越えてもらいたいです!
最後まで読んで頂きありがとうございます。
参考URLと書籍
モスバーガー創業者の櫻田さんの本を読むと、さらにモスバーターの原点を理解できると思います!