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ビジネスモデル脳を鍛えるために

ビジネスモデル。

ビジネスの現場で何となく使われるこの言葉。

ビジネスモデル・ジェネレーションの書籍が数年前にブームとなり、ビジネスモデルというキーワード認知度が上がりましたね。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

定義は色々とありますが、一般的に言われるのが下記。

企業が価値を創出し獲得する方法を述べたもの

自分自身もビジネスモデル・ジェネレーションはもちろん読みましたし、ビジネスモデルの大切さは理解しているつもりになっていました。

でも、日常からビジネスモデルから発想する習慣が身についているか?というと微妙です。

ということで、ビジネスモデル脳を鍛える為に大切なことを自分自身のためにもまとめておこうと思います。

はじめに:なぜビジネスモデル思考か?

仕事をしていると、「考えて仕事をしなさい」と言われることが多いと思います。そもそも考えるって、何を考えれば良いのでしょうか・・・?

目標としている数字を意識すれば良いのでしょうか?

それとも、組織のビジョンを理解すれば良いのでしょうか?

ここだけ勝手に定義します。

ずばり、考える=ビジネスモデルを理解する、ビジネスモデルに変化を起こすための方法を考える!ということです。

仕事で考える=ビジネスモデルを理解する+ビジネスモデルに変化を起こす

考えということは、自分の仕事が影響を与えているビジネスの全体像を理解して、そのモデルにどう変化させるかを意識できているか?ということ。

市場価値が高い人=ビジネスモデル思考度×専門性

市場価値が高い人って、ビジネスモデルを考える力が高いです。

成果を出せる営業、クライアントの評価が高いデザイナー、ライター・・など仕事で成果を出す人たちがどんな思考特性をもっているかなと最近ずっと考えていました。

成果を出す人は、高い専門性をもっています。

営業であればコミュニケーション能力が高い、ライターであれば文章力が高い・・・など、その職種としてプロフェッショナルであります。

ただ、専門性が高くても評価されていない人がたくさんいます。

なぜでしょうか?

それは、専門的なスキルを、「組織が儲ける」ために活用できていないのが大きな要因だと考えています。

仕事で成果の出せる人=ビジネスモデルに変化を加えることができる人。

仕事で成果の出ない人=ビジネスモデルに無関係なアウトプットを大量生産する人。

仕事で成果の出せる人=「儲かる仕組みづくり」に貢献していると言い換えることができると思います。

最近、「ビジネスデザイナー」という職種が注目を集めていますが、要するに、従来型の職人気質な人は淘汰されていくというメッセージだと捉えています。

参考:財務諸表が読めるデザイナー「ビジネスデザイナー」とは何者か?

ここまでが、なぜビジネスモデル脳を持つことが大切なのかという話。

日常からビジネスモデル脳を鍛えるために

ビジネスモデルを考える力は日頃から意識して鍛えないといけません。

社内の研修でも紹介した、ビジネスモデル脳を鍛えるための方法を3つだけご紹介します!

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①ビジネスモデルを要約する

②ビジネスモデルの要素を組み替える

③複数のビジネスモデルを比較する

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土台となるのは、ビジネスモデル・ジェネレーションで紹介されているビジネスモデルキャンパスです。

こちらのサイトでビジネスモデルキャンパスのフォーマットはダウンロードすることが可能です。

https://strategyzer.com/canvas

ビジネスモデルキャンパスをダウンロードしたら、下記の方法で活用することをオススメしています。


1:ビジネスモデルを要約する

流れ

①ビジネスモデルキャンパスで事業の全体像を整理する 

②そのビジネスの「競争優位性」を一言で表わす

普段から行いたいこと

常にビジネスモデルを要約する癖を身につけるためには、ビジネスモデルを言語化し続けることが大切。

ビジネスモデルを要約するトレーニングとしては、Newspicksや日経新聞の要約といったトレーニングを毎日行うことがオススメです!


2:ビジネスモデルの要素を組み替える

プロセス

①ビジネスモデルキャンパスで事業の全体像を整理する

②ビジネスモデルキャンパス内の特定要素に変化を加える

ポイント

ビジネスモデルキャンパスだと、2つの方法があります。

CS(カスタマーセグメント)を変化させる

・特定の顧客カテゴリーに集中する

・特定の顧客カテゴリーは減らす・削除する

・新しいターゲットを創る

KP(キーパートナー)を変化させること

・買収

・資本提携

・業務提携

・仲間集め

どちらの方法にも共通するのは、全体像を理解して、無理やりビジネスモデルの要素を組み替える。いわゆる強制発想というものですね。

普段から行いたいこと

①このサービスを、この人に提供できたら喜ぶかも、極端にターゲットを絞ったら儲かるかも、といった発想をたくさん出す。

②この人とこの人、この企業とこの企業をくっつけると面白いのではないか?という発想をたくさん出す。

仕事をしている時に以下の問いを自分自身に投げかけることをオススメします。

3.複数のビジネスモデルを比較する

プロセス

①ビジネスモデルキャンパスで事業の全体像を整理する
②競合他社のビジネスモデルキャンパスを描く
③ビジネスモデル上の違いを可視化して、どこを変えるのかを考える

ポイント

ビジネスモデル視点から競合分析をしてみると、表面的な施策ベースではなく、そもそも何が競争力に差を生み出しているのか?を理解することができます。

ビジネスモデルキャンパス活用方法のまとめ

基本的には、ビジネスモデルキャンパスを活用して上記3つのワーク(思考)をしてみると良いと考えています。

ビジネスモデル脳を強化することで得られる3つのメリット

①儲かる構造とは何かを深く理解することができる

②自分たちの仕事の意味を再確認することができる ※自分の仕事が全体の構造にどのような影響を与えているかがわかる。

③仕事やプロジェクトでどんな変化を起こすかが見えやすくなる

ビジネスモデル脳には、フレームワークを活用すればなれるわけではないので、日頃からトレーニングをする習慣を身に付けることが大切。

なので、日常から情報収集をする際に、ビジネスモデルを頭の中に描く癖はつけておきましょう!

ビジネスモデルを深く理解するための参考図書

自分がビジネスモデモデル理解に参考になった本をご紹介。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデルキャンパスというフレームワークを世の中に紹介した本です。

ビジネスモデルキャンパスの基本的な考え方を理解する上では、まずはこちらの本を読んでみましょう。

「儲かる会社」の財務諸表~48の実例で身につく経営力・会計力~ (光文社新書)

財務諸表の数字からビジネスモデルを想像する能力は、ビジネスパーソンの必須能力だと考えています。

儲かっている会社、話題になっている会社のIR情報、財務諸表を読み解く習慣はつくっておきたいですね!

noteの連載で、ビジネスパーソンに人気がある連載「決算が読めるようになるノート」も合わせてオススメです。書籍化もされているようなので、自分も買って読んでみようと思います。

https://irnote.com/


まとめ

ビジネスモデルに変化を与える思考をもつと、単純に仕事が楽しくなると感じています。

・仕事のリソースがないのであれば、キーパートナーを探してみる。

・新サービスがうまくいかないのであれば、セグメントとバリューを見直してみる。

などなど、組織のせい、他人のせい、市場のせい・・・にする前に、ビジネスモデルを描き、変化を起こすためのアクションプランを策定してみましょう!

そして、あくまで目的は、ビジネスモデルを描くことではなく、ビジネスモデルに変化を起こすことです。

ビジネスモデルを考えることと、ビジネスをすることは違います。(自分が偉そうに語ることではないですが・・・・)

ビジネスモデル症候群にならないための参考記事↓


「ビジネスモデル」という言葉がはらむ圧倒的な胡散臭さ

決してビジネスモデルを考えることが悪いわけではなく、ビジネスモデルに変化を起こす、ビジネスモデルを実際に創る行動こそ大切ということですね。

1日1回はビジネスモデル脳に頭を切り替えて、俯瞰的に仕事を捉え直して、考えるだけではなく行動して・・・面白い事業をつくっていきましょう。