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PEST分析をマーケティングトレースで活用する際のポイント

マーケティングトレースをする際に、PEST分析をどのように活用するのかを解説するnoteです。

PEST分析は、日常の仕事の中では使うことが少ないフレームワークではないでしょうか?

この4つの視点でマクロ環境を分析するフレームワークです。


1. PEST分析の活用目的

戦略を構築する上で前提となる世の中の動きを探る
新しいニーズがどこで生まれるかのヒントを得る

テーマ企業を取り巻く環境を分析し、どのような市場背景をもとにビジネス・業界が成り立っているのかを理解します。

市場を俯瞰的に捉えることで、戦略の方向性を広い視野をもって考えることを意識してみましょう。

2. PEST分析のリサーチ方法

まずどこから4つの視点のリサーチを行うかを解説していきます。

a  政治(Politics)に関する情報リサーチ

政治関連情報は、経済産業省のホームページからキーワード検索することがオススメです。

キーワード検索すると、その業界で行政としてどのような動きがあるのかを理解することができます。

b. 経済(Economy)に関する情報リサーチ

経済関連情報は、日経新聞とNewspicksなどの経済メディアからキーワード検索することがオススメです。

c. 社会(Society)に関する情報リサーチ

社会トレンド情報は、博報堂生活総研からキーワード検索することがオススメです。

26年分の生活者観測データ約1,400項目、未来年表が無料公開されていて、これを使わない手はありません。
社会トレンドだけではなく、PEST全体の情報収集に活用することが可能です。

d. 技術(Technology)に関する情報リサーチ

技術トレンド情報は、CNETやTech crunchといったテック系情報メディアからキーワード検索することがオススメです。

スタートアップ情報もまとまっているため、5Forces分析の新規参入や代替品の脅威を考える上でも参考になる情報を取得することができます。

上記にご紹介した媒体を参考に、フレームワークに従い4要素の情報をリサーチします。

続いて仮説を出すためのポイントです。

3. PESTを活用したトレースのポイント

まず、リサーチした情報から、テーマ企業にとって「何が重要な因子かを特定」します。

この因子を特定する際はシンプルにマトリックスで考えましょう。

マーケティングトレース_PEST分析の解説.004

実現性が高く、事業への影響度が高い因子(図の右上)になるものを特定します。

この環境・トレンドが事業にどのような影響を与えたかを言語化しましょう。

例えばSmartHRのマーケティングトレース事例で、重要因子となるものを特定する場合は下記のような形となります。

政治(Politics):電子政府APIの構想
経済(Economy):労務ソフトのクラウド化比率は国内1%未満
社会(Society):クラウド利用は個人や中小企業でも当たり前の流れに
技術(Technology):クラウドサービスの普及と、データAPI連携関連の技術が進む

上記のようなマクロ環境の中で、SmartHRは、いち早く技術トレンドを掴み、労務クラウドソフト=SmartHRという認知を獲得するためのマーケティング戦略をとっていることがわかります。

詳細はSmartHRのマーケティングトレース記事にてご確認頂ければ幸いです。

PEST分析とSWOT分析はセットで考える

また、PEST分析はSWOT分析と合わせて推奨をしています。

SWOT分析の機会と脅威を整理する上でPEST分析を活用するイメージです。

SWOT分析

PEST分析を行うと、わかっているつもりになっていた市場・業界構造の背景を理解し、戦略を考える視点を広げることができます。

ぜひ、市場を俯瞰的に捉えるためにPEST分析を活用してみてください。

マーケティングトレースの全体像はこちらの記事からご確認ください!