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WeWorkマーケティングトレース-孫さんが40億ドルの投資を即決したビジネスモデルを読み解く

今週のマーケティングトレースはWeWorkです!

WeWorkはコワーキングスペースです。

でも普通のコワーキングスペース事業を営む会社ではありません。
調べれば調べるほど、凄まじいビジネスモデルであることがわかります。

孫さん、ソフトバンクが45分の交渉で40億ドルもの投資を即決した話が有名ですが、この記事を全部読んでいただけると、その理由も理解できると思います!

それでは、早速マーケティングトレースをしていきます!

4000文字近くのコンテンツですがお付き合いください!

目次
①外部環境分析
②PEST分析
③WeWorkの競争優位性について
④3C分析→4P分析でWeWorkの戦略を整理
⑤まとめ

WeWorkの概要(2017年時点)

この企業概要を整理するだけでも、とんでもない企業であることがわかります。

・世界の47都市に184拠点
・従業員2200人
・グローバルの会員数は10万人超
・時価総額2兆円超

WeWorkの設立は2010年なので、すごい成長スピード!

コワーキングスペース運営企業の中で、ずば抜けた成長をしているWeWorkは他のコワーキングスペース事業者と何が違うのでしょうか?

外部環境分析

詳細の分析に入る前に、WeWorkを取り巻く外部環境を調べていきます。

2017年に『gcuc』が発表したデータによると、 2017年のコワーキングスペース数は世界中で1.4万拠点に及ぶようです。

世界的にコワーキングスペースは増えていることが、顕著にデータで現れています。

オフィスを取り巻く環境がどのように変化してきているのか、PEST分析で整理してみます。

外部環境を分析すると、コワーキングスペースやオフィス賃貸関連のプレイヤーにとっては、かなり追い風が吹いていることがわかります。

WeWorkはこの外部環境をフルに活かして、事業を急拡大していきています。

どういうことか?

具体的に分析していきます。

WeWorkの何がすごいのか?

先に要点をお伝えすると、データ×コミュニティ×カルチャー、この3つがWeWorkが他のコワーキングスペースや不動産事業者と明らかに異なる点です。

この3つの特徴は、WeWorkが資金調達しながら買収してきた企業をみていくと詳細を理解することができます。

会議室予約システムの開発会社、コンテンツマーケティング支援会社、小売百貨店など、ジャンルを横断して買収を繰り返してきています。

ここまで幅広いジャンルの企業を買収してきている理由は何でしょうか?

全ては、データ×コミュニティ×カルチャーの3つの要素を強化するためのものだと考えています。

もう少し詳細を解説していきます。

WeWorkのデータ蓄積→優位性確立

WeWorkの最大の強さは、オフィス空間のデータを蓄積して、データサイエンティストが空間を分析→オフィスを最適化するノウハウを蓄積している点にあります。

ここまで、入居者のデータをとっているのです↓↓↓

既存のWeWorkオフィスから得られる膨大なメタデータ。ヒートマッピング技術を用いて追跡された人の動きと利用状況はWeWorkデータセンターに蓄積され、それらを基に共有エリア、デスク、会議室の面積や配置の最適なバランスが見出され、かつ更新されていく。
孫正義、WeWorkへの即決40億ドル出資の舞台裏 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
WeWorkでは、メンバーの高い満足度を得るためにスペースやカンファレンスルームの稼働状況などをすべてデータ化し、メンバーからのフィードバックを交えてデータサイエンティストが分析した上で、スペースのレイアウトやカンファレンスルームの数、サイズなど、以後のスペース運営に最大のパフォーマンスを産むよう反映させている。

話題のコワーキングスペース”WeWork”の何がそんなにスゴイのか?|トイロハ

テクノロジー企業を買収し、社内にデータサイエンスチームをつくり、データをもとにオフィスを設計するノウハウを蓄積している。

WeWorkは単なる不動産会社ではなく、テック企業なのです。

WeWorkのコミュニティ構築→優位性確立

コミュニティマネージャーは全世界に1,000人以上。このマネージャーは、アルバイトや事務担当ではありません。

下記の記事に、WeWorkのコミュニティマネージャーの求人がありますが、年収は1,000万近く。

WeWorkの価値は、オフィス機能ではなく、イノベーションエコシステムへのアクセス権であり、コミュニティの一員になれることに、ユーザーはお金を払っているわけです。

インキュベーション意欲のある大企業やスタートアップが既に入居している。

単なる繋がりを求める人同士のコミュニティではなく、新しいものを生み出す、事業価値を上げるためのコミュニティというポジションをとったことが、WeWorkの成功ポイントだと考えています。

しかも、WeWorkコミュニティ専用のSNSによって繋がっており、入居者データベースも揃っているようです。

データの力で、オフィスのハード面も、ソフト面(コミュニティ)も進化し続ける仕組みが裏側でつくられている。

ここまでの要素だけでも、単なるコワーキングスペース事業を営む企業ではないことがわかります!

WeWorkのカルチャー形成→優位性確立

これは、WeWorkのビジョンとして掲げられている言葉です。

ただ生きるためではなく、豊かな人生を送るために働ける世界を創造する

夏には社員やWeWork登録メンバー含めて3日間のサマーキャンプに行く話は有名で、強烈なカルチャーがWeWorkのグローバルコミュニティに根付いていることがわかります。

ワークスタイルからライフスタイル全般を提供する企業へ

WeWorkは、この考え方が組織、組織を超えたコミュニティに浸透している。

この強烈なカルチャーが軸になり、コミュニティネットワークを形成→拡張→事業価値向上という循環が生まれている。

ここまでが、WeWorkの競争優位性を築いているポイントの分析でした。

3C分析→4P分析でWeWorkの戦略を整理

ここまでみてきた、WeWorkの競争優位性を、3C分析、4P分析のフレームワークで整理してみます。


賃料だけをみたら、一般的に出回っているオフィスを借りる、レンタルオフィスを借りた方が、安くすみます。

WeWorkに入居する価値は、当然価格ではなく、上記の分析であげてきたうような、
・イノベーションエコシステムへのアクセス
・データをもとにデザインされた快適なオフィス空間
・グローバルなコミュニティへのアクセス
といった要素にあるわけですね。

実際にスタートアップで入居しているベルフェイスの中島社長が、なぜWeWorkをオフィスに選んだのか?についてnoteに書いておられます。

WeWorkにオフィスを構えることのメリットは何か?を生の声から理解するのに、とても役立つ記事です!
※マーケティングトレースでは、生の声にあたることが大事!

成長フェーズのスタートアップにとって、
・組織拡大した際にオフィスをすぐ移せる(WeWorkは敷金礼金がなく、1ヶ月単位で解約ができる)
・採用効果があるオフィス(特にデザイナーやエンジニアにとって)
・受付、備品、清掃などのコストは必要だけどコストを抑える

といった要素は、非常に大きな恩恵であることがわかります。

コミュニティとデータの力はどこに活かされるのか?

最後に、今後のWeWorkの事業展開を分析していきます。

最近はリテール事業にも進出しているWeWork。

WeWorkコミュニティには、インフルエンサー(流行を発信する起点になる人たち)が多いので、小売機能をもち、オリジナルブランドを販売していくのは悪い方向性ではないかと考えています。

ここからは予測です。

下記の事例は、WeWorkではありませんが、飲食業や美容業界などとのコラボレーションも今後ありえるのではないでしょうか?(そのうち買収しそうな気もします。)

WeWorkが参入しそうなビジネスモデル

飲食店版のWeWorkモデルが紹介されています。

こちらは美容業界のWeWorkモデルです。

自分がWeWorkのCMOだったら、上記のような異業種のWeWorkモデル企業を買収して、全てのライフスタイル企業をWeWorkコミュニティに組み込む戦略をとりたいと考えています。

WeWorkが都市(街)の中心になり、ワークスタイルだけではなく、ライフスタイル全般の拠点になる。

近いうちに、WeWorkタウンが生まれて、WeWorkタウンからスタートアップが生まれてくるのではないでしょうか?

WeWorkのマーケティングトレースまとめ

・ハイタッチセールスで、名だたる企業がWeWorkにオフィスを構える→インキュベーションの中心地というブランド確立

・グローバルに広がるコミュニティ構築→ネットワーク効果により、成長企業が続々と入居

・強烈なカルチャーを組織内外に浸透させ、コミュニティに一体感を醸成

・データを蓄積して、データをもとにオフィス空間デザイン(新しいWeWork拠点をつくるコストは下げ続ける)

・ワークスタイルからライフスタイルへの拡張→(WeWorkタウンのレベルまで拡張するのではないかという仮説)

以上が、WeWorkのマーケティングトレースでした!

孫さんが即決で40億ドルを出資した意味も納得できましたとさ!

マーケティングトレースでは、このような分析を一緒にしてくれる仲間を募集中です!


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マーケターの筋トレコミュニティ #マーケティングトレース 主宰/日本のマーケティングリテラシーを底上げしていきたい。ブランディングテクノロジー(株)執行役員/パンダが好きなので上野の近く在住🐼