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顧客を理解するために「パラドックス感情」と向き合うこと

マーケティングの仕事において、顧客の行動や心理を深く理解するためには、顧客が抱える矛盾・パラドックスに注目することが重要だと最近考えています。

改めて読み返している本が「パラドックス思考」です。

人間の行動は常に合理的で一貫しているわけではないです。

対立する感情や欲求の間で揺れ動き、モヤモヤを抱えている。(自分に置き換えればよくわかる)

この
人の矛盾した行動(パラドックス)に注目する
ことが、とくにユーザーリサーチや、その後のペルソナ・カスタマージャーニーなどをつくる際に重要になってくると考えています。

具体例で考えていきます。

「甘いものを食べたい」という欲求「健康でいたい」という欲求の間には明確な矛盾があります。

多くの生活者はこの二つの欲求の間で葛藤し、結果としてどちらかを犠牲にするか、中途半端な選択をすることに課題を抱えている…
このような状況を理解し、解決策を提供することがマーケターの役割だと捉えています。

明治のチョコレート効果のパラドックス解消アプローチ

具体例として明治の「チョコレート効果」は
「甘いものを食べたい」と「健康でいたい」という対立する欲求に着目し、その解決策として開発されている、だからロングセラーとなっている好例です。

チョコレート効果は、高カカオ含有量により健康効果を期待できる一方で、チョコレートの適度な甘さを保つことで甘いものを食べたい欲求も満たしています。

チョコレート習慣=サプリメント感覚でチョコを食べる習慣
として新たな認識をつくったことは、非常に活気的だと感じています。

甘いものを我慢せずに健康を維持できるというパラドックスを解決したチョコレート効果

曖昧に使われやすいインサイト発掘という言葉も、「パラドックス発見と解消」と捉えるとわかりやすいのではないでしょうか。

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