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書籍「欲望の見つけ方」から考える『誰が欲望のモデルになるか?』と向き合うことの大切さ

先日に書籍「欲望の見つけ方」はマーケティングに関わる人は必読です…ということをツイートしました。(書籍のタイトルが悪いですが)

この書籍に書かれていることを、どのようにマーケティングの仕事に活かせるのか?について考えていることを書いていきます。

整理:模倣の欲望理論とは?

抑えておきたいのは「模倣の欲望」と呼ばれる理論です。

ジラールによれば、人は真似を通じて、ほかの人が欲しがるものを欲しがるという。自分が欲しいものは、自分の内からはわいてこない。自分が欲しいと思っているそれは、必ず誰かの影響を受けている。さらに、人が欲しがるものを欲しがることで競争が生まれ、競争はさらなる模倣を生む。

欲望の見つけ方より引用


欲望の三角形(画像: 臨床心理学用語事典より)

模倣の欲望理論をを整理すると、下記3つのプロセスになると解釈することができます。

1. 人間の内側に欲望があるわけではない=人は、これが欲しいと内発的に決めているわけではない 

2. 欲望は他者の欲望を模倣することから生まれている

3. 欲望は他者との関係性の中=文化的に生まれるもの

マーケティングの仕事において、
「誰が欲望のモデルになるか?」
の問いと向き合うことが非常に重要だと考えています。

市場や組織に新しいコンセプトを根付かせるためには、
1. 新しいコンセプトは「組織の象徴となる人」に実践してもらう
2. 異質なコンセプトではなく、模倣したくなるコンセプトと認識してもらう

まずは、この2つを意識しておけると良いと考えています。

インフルエンサーマーケティングが失敗する時と成功する時の違いは、「模倣の欲望が動かせているか?」の観点が重要だと考えています。

友人は私にとって欲望のモデルになったのだ。口に出すことはない。しかし、内なる力が私のなかで働きはじめた今、そのまま放っておけば、問題を起こすことになる。私は友人が欲しいものを基準に決断しはじめる。向こうがある地域に引っ越せば、私も住んでいる場所を見直す。彼がデルタ航空のマイレージプログラムでプラチナ会員に達すれば、私はゴールド会員では満足できなくなる。

欲望の見つけ方より引用

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