DMMの自転車シェアサービス撤退のニュースを深読みする〜DMMの亀山社長は凄く合理的な意思決定しているという話〜
次々と新規参入が進む自転車シェアサービス
自動車、タクシー、自転車・・・次々とシェアリングサービスの普及が日本でも始まっています。
そんな中で、今日深掘りしたくなったニュースはこちら。
CASHを買収したりと、勢いあるDMM。
なぜ、市場規模が拡大する自転車シェアサービスの事業において、DMMは撤退をすることになったのか?
今日は、このニュースを深堀りして、自転車シェアのビジネスモデルを読み解いていきたいと思います。
亀山社長の撤退判断は、すごく合理的で、DMMが実は堅実に経営していることがわかるニュースです。
最初に抑えておきたい自転車シェアサービス関連の記事
メルカリがシェアサイクル事業「メルチャリ」を2018年初頭に開始へ
自転車シェアサービスには、メルカリやLINEなど、大量のエンドユーザーデータをもっているプレイヤーが参入してきています。
市場は拡大する中でDMMは撤退を発表
自転車シェアサービスに参入する発表が行われて注目を集めていたDMMですが、先週に撤退を発表。
なぜ、DMMは撤退を余儀なくされたのか?について考えてみます。
亀山さんコメント@Newspicks
全国の駐輪場を探しに走り回りましたが、放置自転車公害をカバーするための数を確保できず、涙の撤退を決断しました(泣)。DMMが一転、シェア自転車参入を「やめた」理由
自転車シェアの事業リスクは放置自転車
亀山さんのコメントからわかる通り、放置自転車をなくすためには、一定のポート数(駐車場)が必要ということ。
ポート数が足りなければ、放置する人が増え、サービスの信頼性が失われてしまう。
自転車シェアに限らず、シェアリングサービスはユーザー間でサービスが循環するモデルです。ユーザー間が最低限のモラルをもって利用できる文化形成が必要になる。
シェアリングビジネスは、ネットワーク効果により規模の経済を働かせると同時にモラルをもったユーザー行動を促すことがポイントになる。
メルカリの場合は、本業のCtoCサービスで、ユーザー間の信頼を担保するノウハウをもっている。なので、メルチャリ事業に自信をもって参入できるのかもしれません。
シェアリングサービスに参入する時のポイント
ユーザー同士がモラルをもってサービス利用するために下記のポイントを抑える必要がありそうです。
①ユーザー同士のコミュニケーション設計
②ユーザーが想定した行動をとってもらうための設備投資金額
※設備投資には、自転車自体のプロダクトに紐づくもの、決済やコミュニケーションインフラなどのサービスに紐づくものがある。
①+②でユーザー同士がモラルをもってサービス利用できる土台をつくり、利用者数を拡大していく見込みが立つのであれば、シェア自転車サービスには参入ができる。
シェアリングサービスを提供する会社は1社独占の流れ?
中国でシェアリングサービスを展開する事業者が廃業に追い込まれているというニュースが出ています。
LINEが提携を進めている、Mobikeの一極集中構造になるのではないか?というニュースが出ています。
人が国境を跨いでサービス利用をする時代。
国境を超えて、同じアカウント+同じ決済方法でサービス利用できることをユーザーが求めるのは自然の流れ。もし、Mobikeがアジアの自転車シェアリングサービスのシェア拡大を広げるとなると、Mobikeと組んでいるLINE優勢の流れになるかもしれないと考えています。
DMMの自転車シェアサービスから撤退するのか意思決定は、この中国の動きからも影響を受けていそうです。
周辺産業にチャンスあり
プラットフォーマーの一極集中が進むとしても、シェアリングサービス市場が拡大すれば、その周辺産業が盛り上がることは間違えなし。
シェアリングサービスのプロモーション代行、保険、サポートなどなど、シェアリングサービスの周辺産業に特化したビジネスを展開するのはありかもしれないなと考えています。
真っ向から自転車シェアサービス市場を取りにいくのは難易度高そうです。
まとめ
①シェアリングサービスは信頼性を担保できるかが鍵になる。信頼性を維持できるだけの投資とリソース確保ができるか?
②シェアリングサービスは一極集中が進む
上記2点から、DMM亀山社長は、すごく合理的に撤退の意思決定をしたのだろうなと想像しています。
DMMがシェアリングサービスの周辺産業に参入する可能性は大いにあると思うので、今後の動きには注目です!