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良い戦略づくりと地道なデータベース作成

戦略づくりのプロセスは、ブレストやフレームワークで綺麗に整理しながらアイデアが生み出されて…

と進むわけではない。

地道にユーザーインタビューを繰り返して、文字起こしをしながら発言の意味を考えたり、
地道に業界内のプレスリリースを読み込みキーワード抽出しながら、数年先にどんな変化が起きそうかを考えたり、

といった「地道に情報を整理して、情報の関係性を頭の中で整理していくプロセスから出てくる閃き」が大切だと最近強く感じています。

なぜ私たちはイノベーションにまで効率を求めてしまうのだろう

帯に書かれたフレーズがグサッと心に刺さり、読みながら首が捥げるほど頷いた本がこちらです。

「イノベーションという言葉の響きからは,斬新で綿密な事業計画,カラフルなオフィスや活発なブレイン・ストーミング,何かが降りてくるような気づきの瞬間といった華やかで知的な印象がつきまとう。しかし,実際の現場でなされていることは,その都度訪れる新たな局面に対して,立ち止まって静かに思索し,ねばり強く対話を続ける地道な営みではないだろうか。」

地道に取り組むイノベーション―人類学者と制度経済学者がみた現場 まえがき

イノベーションに取り組むプロセスの詳細を観察して、

地道に取り組むイノベーションを読みながら考えたことが「戦略づくりに効率さを求めすぎると、誰でもつくれるアウトプットに落ち着いてしまう」ということです。

生成AIが出てきて、手っ取り早く仮説アイデアを出せるようになってきています。
しかし、手っ取り早く考えられるということは、誰でもすぐに出せるということです。

では、改めて何を大切にできると良いのか?何で戦略の深さに差が出てくるのでしょうか?

自分の答えは、「情報のデータベースを自身でつくる」ことです。

データベースづくりと表現すると「機械的な作業」をイメージさせてしまう部分あると思うので言い換えると、
「情報(素材)を集めて・整理して・解釈する」という行為です。

自分も周りで思考が深いな…と感じる人は、この素材集め・整理・解釈をサボっていない、丁寧に行っています。
そして、アシスタントに全て依頼ではなく、自分自身でやっているケースが多い。

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