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良い戦略・コンセプトは、1人称・2人称・3人称の往復から生まれる

今月のコミュニティの読書会は、野中先生の「野生の経営」を読みました。

マーケティングの仕事に取り組む上での「リサーチや戦略策定のプロセス設計」を考えるヒントが詰まっていたので、発見を共有できたらと思います。

学びを図解でまとめると、このようなイメージです。

マーケティングの仕事をしていると、一人称で考える=自分はどう感じたのか?の視点が抜け落ちやすくないでしょうか?

リサーチや戦略策定から「自分」が抜け落ちていないか?

「野生の経営」の中で、このようなことが書かれています。

主体的な思いがあってはじめて、世界は価値づけ、意味づけられる。それなくして知は生まれない。つまり、『No belief(思い・信念)、No knowledge(知識)』なのである。」

野中先生は、複数の書籍において「客観性・データにとらわれないことの大切さ」を主張しています。

それを、1人称・2人称・3人称の比喩で表現されており、

価値の創出は、
1. 個人の主観(1人称)から始まり、
2. 相互主観(2人称)を経て、
3. 組織全体で共有される客観的視点(3人称)へと展開
この3つから生まれると解説されています。

例えば、ホンダは、新しい価値やコンセプトをつくり出すためにお互いの主観をぶつけ合う「ワイガヤ」という場をつくる文化があります。

「ワイガヤ」とは、「夢」や「仕事のあるべき姿」などについて、年齢や職位にとらわれずワイワイガヤガヤと腹を割って議論するHonda独自の文化です。合意形成を図るための妥協・調整の場ではなく、新しい価値やコンセプトを創りだす場として、本気で本音で徹底的に意見をぶつけ合う。業界初、世界初といった、Hondaがこれまで世に送り出してきた数々のイノべーションも、ワイガヤで本質的な議論を深めるところから生まれています。

本田技研工業株式会社 公式サイトより

ワイガヤの場を使って、1人称・2人称・3人称が往復されていると整理できます。

1. 個人の主観(1人称):自分はどんな自動車をつくりたいのか?を考える
2. 相互主観(2人称):徹底的にお互いの主観(想いや仮説)をぶつけ合う
3. 客観的視点(3人称):組織の共通言語として戦略やコンセプトに落とす

※ワイガヤの場がどのようにつくられているかは、「ホンダ イノベーションの神髄」はオススメです。変化を生み出す上での、「場づくり」「プロジェクト設計」のヒントが得られるはずです。

もう少しマーケティングの仕事にも紐づけていきます。

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