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黒澤友貴の日報

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マーケティングの仕事をしたり、NPOの仕事をしたり、北欧に視察へ行ったり…領域を越境しながら生きている中での学び・発見を書いたことのまとめマガジン
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#マーケティング

そのデザインは本当に必要なのか?ヨーロッパで感じたデザインへの向き合い方の変化

ドイツ、デンマーク、スウェーデンと、ヨーロッパを回る中で、デザインに対する捉え方が変わってきていることを強く感じました。 ヨーロッパは、中国・アメリカ型の企業方針や考え方に対して、「本当にそれで良いのか?」「未来にとって良いデザインなのか?」を牽制する動きが強くなっていると感じました。 具体的に聞いてきた話と学びをまとめていきます。 倫理的な問題に対して向き合うフレームワークデンマークでは、AIやデジタルの体験設計には、倫理的な観点で考えることが大切にされているとのこと

コペンハーゲンの観光戦略から日本の地域が学べること

半年に1回ペースで訪れていて、今回で4回目のデンマーク訪問。 今回の視察では、コペンハーゲンの都市開発・地域ブランディングに関わっている方々と意見交換をすることができました。 話を聞かせてもらったのは、建築家たちが都市ツアーを企画するScaledenmarkの代表、Bo Christiansenさん。 観光都市として評価が高いコペンハーゲン世界的に有名な旅行ガイドブックLonely Planetの調査では、2019年の訪問すべき都市ランキングで、コペンハーゲンが1位を獲

マーケターにとって人的資本は必須領域ではないか?

マーケティングの難しさは、戦略を考えることよりも組織をつくったり、動かしたりすることにあるな… と改めて感じる機会が増えてきました。 組織を動かす=リソース獲得のためになっていないか? 組織を動かす=予算獲得や実行リソース調達のための合意形成する。 このような考え方が多いように感じています。 最近は、この考え方ではうまくいかず、「本質的に組織を強くするとは何か?」を考える必要があると考えるに至りました。 ヒントとなる人的資本 最近、聞く機会が増えてきた「人的資本」

匿名 vs 実名、どちらへのユーザーインタビューが顧客の解像度を高められるのか?

今日は、ユーザーインタビューの「誰に話を聞くと顧客の解像度を高めることができるのか」をテーマに書いていきます。 セルフ型オンラインインタビューツールで便利になりましたよねUniiリサーチのようなセルフ型オンラインインタビューツールが出てきたことによって、マーケティング業界に定性リサーチ・ユーザーインタビューを行う習慣が根付いてきたと感じています。 いつもお世話になっています。 例えば、対象セグメントに5名ほどインタビューして、リアルな顧客の声を拾って…といったことは行い

ユーザーインタビュー後に「発言の裏側」をまとめる方法

ユーザーインタビュー実施後は、どのようにアウトプットをまとめてますか? ・発言を文字起こしして、発見をコメントする ・発言をもとにカスタマージャーニーマップ形式で整理 など、それぞれの型があると思います。 最近は、AIで文字起こしをすれば、簡単に議事録はつくれるようになっており、「情報を整理するコスト」は下がってきていると感じています。 自分は、昨年からNottaで文字起こし→Notionにエクスポートして管理するようにしています。 AIで文字起こしをして、さらに…

マーケティングが機能する組織はどうなっているのか?マーケティングのインナー・アウター統合評価モデルをつくってみた

最近、マーケティングが機能する組織と機能しない組織の違いについてを考えていて、この図の考えに辿り着きました。 ポイントは、 1. Inner:組織の内部が健全に顧客と向き合える状態になっているか? 2. Outer:自分たちの価値を評価する指標を持てているか? この2つです。 マーケティングのインナー・アウター統合評価モデルの内容を文章でも書き出します。

どのように実務書を読むと、本当に実務で使えるのか?

こちらのツイートに多くの反響をいただきました。 こちらは、そのNotionリンクです。 何か参考にしていただけていたら嬉しいなと思っていますが、一方で本の情報よりも、どのように本を読むかが重要だろうなと感じている部分もあり… 実務書の活かし方をテーマに簡単にメモを共有します。 本を1人で読んでも実務では活かしにくいのでは?ビジネス実務書は、理解しても組織の共通言語になっていなければ実践しにくいのだと思っています。 1. 個人で理解していること 2. 組織やプロジェクト

インタビュー情報だけで顧客を理解したつもりになってはいけない~人類学的思考とマーケティングリサーチ~

文化人類学や人文知の視点をビジネスに活かそうとする動きが広がっています。 象徴的なリリースとして、COTEN社がサイバーエージェントと人文知分野における業務提携を行うリリースがありました。 私も大学時代に文化人類学を学んでいたこともあり、改めて人類学・人文知の考えの可能性について、考えたことを書いていきたいと思います。 断片情報でわかったつもりになることの危険性マーケティングリサーチをしている中で、最も気をつけたいことは、断片情報を見て「わかったつもり」になってしまうこ

マーケティングを江戸時代から学ぶ~三井越後屋の戦略をトレース~

経営思想家のドラッカーは著書『マネジメント』の中で、東洋におけるマーケティングの始まりを17世紀半ばの三井高利だと書き、三井越後屋のマーケティングがアメリカの百貨店シアーズ・ローバックの基本方針より250年も先んじていたと評価をしていることは有名な話です。 現在使われているマーケティングの考え方は、米国から輸入された考えが大半ですが、改めて日本独自に生み出された考え方を事例を体系化していくことが大切だと考えています。 この記事では、ドラッカーも取り上げた三井越後屋をテーマ

ビジネスモデルと戦略と戦術の違いを定義できているか?

最近感じている戦略を議論する場での課題について。 ビジネスモデルの見直し 戦略の見直し 戦術の見直し この3つが定義が曖昧なまま議論されてしまうことが多いということです。 さらに、経営全体の話なのか、特定事業の話なのか、マーケティングの話なのかの議論もあるため、曖昧なまま議論を進めると空中分解してしまいます。 組織の共通言語としても、変化をつくる上でどこに焦点を当てるかを考える上でも、「定義を明確にしておくこと」が大切だと考えています。 ということで、自分の頭の

理想的なカスタマージャーニーの設計原則

カスタマージャーニーマップの描き方に関して、新発見が多かった論文と出会いました。 理想的なカスタマージャーニーの設計原則 What You’re Getting Wrong About Customer Journeys They shouldn’t always be effortless or predictable. by Ahir Gopaldas and Anton Siebert 紹介されているカスタマージャーニーマップをマトリックスで4分類に分ける考え方は実

マーケティング思考力が高い組織をつくるために、アイリスオーヤマから学べること

一橋ビジネスレビューの2024年夏号を読んでいて、アイリスオーヤマが優れた戦略を表彰するポーター賞を受賞したことと併せてその戦略の裏側について説明された記事がありました。 読んでいて感じたのは、アイリスオーヤマの経営の仕組みには「マーケティング思考をもった組織」をつくるヒントが詰まっているということです。 そのことについてツイートしたのがこちら。 このnoteではアイリスオーヤマの組織の仕組みと、実務への応用方法について整理しながら書いていきます。 先に全体像を。 マ

顧客ニーズを「点」で捉えない、「面」で捉えるために~マックス・ニーフ9つの普遍ニーズを学ぶ~

この「ニーズ」という単語は、マーケティングの仕事をしていれば必ず登場するものです。 本日のnoteでは、当たり前に使っている「ニーズ」の捉え方を整理し、深く考え直すためのヒントをお伝えできたらと思います。 ニーズとは何か?絶対に聞いたことがあるであろう、セオドア・レビット博士の言葉「顧客が欲しいのはドリルではなく、穴である」があります。 つまり、製品の機能や特徴よりも、顧客のニーズや目的を理解することが重要であるというメッセージですね。 ニーズを具体で捉えるためのジョ

ライザップのマーケティングコンサルティング事業開始について考えたこと

ライザップがマーケティングのコンサルティング事業を開始したとのニュースがありました。 このニュースの裏側がどうなっているのか、マーケティング業界に与える影響などについて考えたことを書いていきます。 なんといっても、chocoZAPの成長があっての動きだと思いますので、詳細を見ていきましょう。 chocoZAPの現状はどうなっている?chocoZAPは2022年9月に展開開始しており、2年が経過しようとしています。 2025年3月期の決算説明会資料を読み込むと、choco