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黒澤友貴の日報

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マーケティングの仕事をしたり、NPOの仕事をしたり、北欧に視察へ行ったり…領域を越境しながら生きている中での学び・発見を書いたことのまとめマガジン
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#マーケティング思考

マーケティング思考力が高い組織をつくるために、アイリスオーヤマから学べること

一橋ビジネスレビューの2024年夏号を読んでいて、アイリスオーヤマが優れた戦略を表彰するポーター賞を受賞したことと併せてその戦略の裏側について説明された記事がありました。 読んでいて感じたのは、アイリスオーヤマの経営の仕組みには「マーケティング思考をもった組織」をつくるヒントが詰まっているということです。 そのことについてツイートしたのがこちら。 このnoteではアイリスオーヤマの組織の仕組みと、実務への応用方法について整理しながら書いていきます。 先に全体像を。 マ

顧客ニーズを「点」で捉えない、「面」で捉えるために~マックス・ニーフ9つの普遍ニーズを学ぶ~

この「ニーズ」という単語は、マーケティングの仕事をしていれば必ず登場するものです。 本日のnoteでは、当たり前に使っている「ニーズ」の捉え方を整理し、深く考え直すためのヒントをお伝えできたらと思います。 ニーズとは何か?絶対に聞いたことがあるであろう、セオドア・レビット博士の言葉「顧客が欲しいのはドリルではなく、穴である」があります。 つまり、製品の機能や特徴よりも、顧客のニーズや目的を理解することが重要であるというメッセージですね。 ニーズを具体で捉えるためのジョ

ライザップのマーケティングコンサルティング事業開始について考えたこと

ライザップがマーケティングのコンサルティング事業を開始したとのニュースがありました。 このニュースの裏側がどうなっているのか、マーケティング業界に与える影響などについて考えたことを書いていきます。 なんといっても、chocoZAPの成長があっての動きだと思いますので、詳細を見ていきましょう。 chocoZAPの現状はどうなっている?chocoZAPは2022年9月に展開開始しており、2年が経過しようとしています。 2025年3月期の決算説明会資料を読み込むと、choco

「決め打ち」でもなく、「出たとこ勝負」でもない戦略策定プロセスについて

戦略策定のプロジェクトで、よく登場する質問がこの2つです。 答えを出しにくい問いであるため、 あーでもない、こーでもない…と時間を使ってしまいがちです。 最近の関わっているプロジェクトでも、上記の問いの答えを明確にもっておく必要性を感じることがありました。 本日は、自分も改めて思考整理をしてみた「戦略策定プロセス」をテーマに書いていきます。 前提は、意図的戦略と創発的戦略の2つ前提は、戦略の策定プロセスには、意図的・創発的の2つがあること、相互につながりあっていること

生成AI時代だからこそ求められる、ブランドの「オーセンティシティ(信憑性・信頼性)」

「オーセンティシティ」という言葉は、以前からマーケティングコミュニケーション領域で重要性について触れられてきました。 正直、抽象的な言葉でよくわからん… と思ってしまっていたのですが、改めて重要性を理解できてきたので整理していきたいと思います。 ありのままを伝えるブランドコミュニケーションブランドコミュニケーションにおけるオーセンティシティとは、このような文脈で使われています。一番しっくり理解できる記事でした。 Forbes JAPANの記事を引用します。 皆そりゃ「

時系列で市場・顧客の変化を捉える:定点観測から得られる洞察とその価値について

最近読んで興味深かった本が『ストリートファッション1980-2020』です。この本では、1980年から2020年までの40年間、街を舞台にファッションの変遷を定点観測し、その社会的価値観やトレンドの移り変わりを考察しています。 「ストリートファッション1980-2020」の中では、次のように述べられています。 同じ場所で40年もの時間軸で観察され続けたファッションスタイルの変化をもとに社会の価値観やトレンドの移り変わりが考察されています。 このように、特定の事象を一時的

フレームワーク活用を疑ってみる

今日は、今までの自分自身が「良し」としてきた仕組みを否定してみたいと思います。 テーマは、フレームワークです。 自分自身がつくってきたマーケティングトレースは、このような定義をしています。 PEST分析 5Forces分析 STP分析 4P分析 といった、マーケティング基本フレームワークを活用することで、裏側の仕組みを分析するトレーニングとして体系化してきました。 マーケティングトレースはフレームワークを活用しないといけないのか?本日のテーマの「フレームワーク活用」に

大局観をもってマーケティング戦略を考えるための「経済指標」との付き合い方

「お、ねだん以上。」で有名なニトリのマーケティング戦略を読み解くワークショップの中で、ニトリの成長要因を考えていました。 ニトリの成長は、経済の大きな流れを読む力に支えられている?様々な要因がある中で、「経済・社会全体の流れを掴み、戦略意思決定をする力」こそがニトリの成長を支えていると感じました。 象徴的なエピソードが「リーマンショック時の価格戦略」の意思決定です。 以下は、似鳥会長の書籍からの引用です。 ニトリの沿革を眺めていて、「2008年から2012年に値下げを

生成AI時代と不便益の価値

自分で組み立てるDIY体験が商品に特別な価値を与える「IKEA効果」と呼ばれる現象があります。 このIKEA効果について研究エビデンスを提示している面白いレポートに出会いました。 IKEA効果によって生じる認知メカニズム自分で組み立てるDIY体験が商品に特別な価値を与える「IKEA効果」の現象は、左右の前頭前野の活動と関連していることが証明されたとのことです。 つまり、ブランド体験において「使い手が一手間かける」ことには意味があるということです。 この一連の流れが脳の

優れたマーケティングコミュニケーションの裏側をトレースすること

最近、優れたマーケティングコミュニケーションをトレースすることを習慣化しています。 世界で評価されている広告表現は、どんな戦略意図に基づいてつくられているのか?を読み解くトレーニングを繰り返すことで、「戦略と表現をつないで考える力」を磨いていきたいと考えています。 トレースする上で参考にしているのは、クリエイティブブリーフの型です。 クリエイティブブリーフとは?クリエイティブブリーフは、広告制作の設計図と言われており、以下8つの要素で構成されます。 参考にしているのは

自己効力感と優れたブランド体験について

顧客の「自己効力感を高めるブランド体験づくり」が最近のテーマです。 自己効力感とは自己効力感とは、「自分ならできる」「自分ならきっとうまくいく」という認知状態のことです。 自己効力感の提唱者のバンデューラは下記のように定義をしています。 優れたブランド体験は、 ・小さな成功体験が積み重なって自信がもてる! ・このブランドとであれば目標を達成できる! といった心理状態をつくることが上手だと感じています。 ちなみに、自己効力感のキーワードは、昨今検索ボリュームも高まってい

表面的なリサーチから抜け出すための「センスメイキング」

ユーザーインタビューを実施する際に「それっぽい回答を誘導してしまったな…」という反省をしたことがある人は多いのではないでしょうか。 自分もよく反省しています… 最近も。 マーケティングの仕事で実施するインタビューは、裏付けとなるエビデンスを得たいという目的があります。 つまり、質問からこんな答えが出てきたら嬉しい!!!という思惑があるわけです。 自然と誘導質問をしてしまうんですよね。誘導質問はNGだと頭ではわかっていても。 情報武装するためだけの表面的なリサーチから

マッキンゼーによる「デザイン思考を活用した里親養育推進レポート」をマーケティングに活かす視点をまとめてみた

マッキンゼーによる「デザイン思考を活用した里親養育推進」レポート。 読みましたか?戦略⇄実行をつなぐヒントが詰まっていて、無料で公開してもらえることに感謝感謝の内容です。 マーケティングに関わる人こそ レポートのテーマは「デザイン思考」になっていますが、マーケティングの仕事にも活かすポイントが詰まっています。 マーケティングの実務に活かすポイント1. ペルソナは定量化・マトリックス化 ペルソナ作ったけど、作って終わりになってしまっている… そんな状態を抜け出すヒント

感覚的に顧客獲得チャネルを選ばないために「ブルズアイ・フレームワーク」のススメ

マーケティングの仕事において、頻繁に聞かれる質問の一つ。 この問いに答えるための手助けとなる考え方を紹介できればと思います。 こちらのツイートに紐づく内容です。 ポイントは、 1. 顧客獲得チャネルを一覧で見える化する 2. 各チャネルの優先度と目的を視覚的にわかりやすく整理する この2つです。 Notion管理の背景にある考え方も含めて、解説していきます。 参考書籍:トラクション スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル顧客獲得チャネルの優先度を決める上では、こ