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黒澤友貴の日報

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マーケティングの仕事をしたり、NPOの仕事をしたり、北欧に視察へ行ったり…領域を越境しながら生きている中での学び・発見を書いたことのまとめマガジン
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#アート思考

歴史と未来を往復するからこそ得られる発想について

ウクライナ情勢は終わりが見えず、日本国内は円安とインフレが進行しています。 日本がこの先がどうなっていくのか、自分たち(個人としても組織としても)どう在るべきなのかが問われているタイミングだと思っています。 冒頭「オワコンと決めつけるな 西陣と和太鼓のアップデート」の記事で紹介されている、細尾(ブランドはHOSOO)に注目しています。 HOSOOは、歴史ある西陣織をリデザインし、ディオール、シャネル、ザ・リッツ・カールトン、レクサスなどの世界を代表するブランドのお店やホ

アーティストの常識の壊し方から学ぶ

最近はアーティストの思考に興味があり、アート作品が生まれた背景を調べたり、体系化したりしています。アーティストの思考から学ぶことで、マーケティング発想だけでは違いがつくりにくくなっていると感じているのが取り組みの背景にあります。 アーティストトレース、というアーティストが作品を生み出す思考プロセスを読み解く実験をはじめています。 アーティストトレースを繰り返す中で、アーティストがもつ「常識の壊し方」はビジネスパーソンが学ぶべきだと考えるようになりました。 アーティストの

シャネルから学べることは何か?-アーティストトレースの告知とメモ-

女性ファッションの常識を覆し、一大ブランドを築いたココ・シャネル。 ラグジュアリーブランドの象徴として捉えられることが多いシャネルですが・・・当時の仕事を調べると、男性中心に語られる社会やファッションに問いを投げかけ、常識を壊してきたことがわかります。 例えば・・ 金持ちマダムが身につけていた宝石を「男による、男のための女のモード」だと否定 ジャージー素材の女性服、肩紐をつけて女性が動きやすいバッグをつくる 贅沢とは華美な衣装ではなく、シンプルさと機能性を両立した衣装で

フロー体験とアート思考について

最近は、アート思考(広くはアーティストの生き方)について興味があり、アート系の発信を増やしています。 以前に書いた記事。 しかし、アート思考はフレームワークやプロセス提示されているものではなく、具体的に何をすれば良いかはわかりにくい・・・ 座禅研修を取り入れてアート思考を浸透させる取り組みもやられているようです。 再現性を出すのは難しそうです。 なので、まずはアーティストの表現の裏側にある思考や行動プロセスをトレースすることから始めています。 こちらは、先日に書いた

自分の仕事に「健全な怒り」はあるか?

最近は、アート思考とは何かを考えています。 自分の頭の中を整理するために書いたnoteがこちら。 もう少しアート思考について深掘りしていきたいと思います。 「アート」ならではの思考とは何か?アーティスト特有の思考って何なんだろう・・・と考えているのですが、一つに「怒り」の感情があるのではないかと考えています。 アーティストは怒りを内省して表現につなげる どういうことか? 例えば、ベートーヴェンは、難聴の苦しみや、当時ヨーロッパ全体の自由を抑圧する空気感への怒りから、

マーケティング思考とデザイン思考とアート思考の違い

最近、○○思考がたくさん出てきている。 最近流行っているもの順番で整理すると、 アート思考、デザイン思考、マーケティング思考・・・という流れだと認識しています。 気になるポジショントーク・・・ ・マーケティング思考ではダメだ、デザイン思考だ! ・デザイン思考ではダメだ、アート思考だ! といったように、○○思考のポジショントークが繰り返されているように感じています。(トレンドがあるのは普通なので、これが悪いとは思っていませんが) では、それぞれの思考をどう扱うと良いのか

1次情報と強制的に向き合うこと

最近は、1次情報の取り扱い方を意識するようにしています。 社会人になると(もしくは学生の時でも)1次情報に当たって判断をしなさい、と一度は言われたことがあるのではないでしょうか? しかし、意外と1次情報に当たって判断をしている人は少なかったり、当たっていても少しだけ・・・となってしまっている人は多いと感じています。 そもそも1次情報とは?こちらの川手さんのnoteにわかりやすくまとまっています。 一次情報とは、自分が情報源である情報のことを示します。 一次情報を取得

大きな問いをもった仕事

今日は大袈裟なタイトルになってしまいましたが、忘れてしまわないようにしたいことについて。 大きな問いをもって仕事ができているか? 歴史に名を残しているアート作品、デザイン、成長している企業の戦略の裏側には、「大きな問い」があると最近感じています。 全ての人が問いをもって仕事をしていると思います。 ・なぜ、この課題が解決されていないのか? ・どうやってこの課題を解決できるのか? ・誰に伝えると良いのか? etc 問いをもって仕事をすることが大切なのは間違いないですが、

ピカソから学ぶ、良い真似について

凡人は模倣し天才は盗む ピカソの有名な言葉で、スティーブ・ジョブズも影響を受けたと言われています。 この言葉を解釈すると、 ・表面的な模倣をするな ・自分で考え、本質まで分析した上で模倣をする といった感じでしょうか。 何もまねしたくないなんて言っている人間は、何も作れない こちらは、サルバドール・ダリの言葉です。 ピカソ、ダリの言葉から、アーティストは真似から偉大な作品を生み出していることがわかります。 具体的な作品をもとに整理していきたいと思います。 ビジネ

アートから学ぶ「ものごとの見方」を変える3つの方法

「これまでの常識が通用しない」というとき、ぼくたちは新しいやり方を考えなければなりません。今日は、アート作品を見ることでものごとの見方や考え方を変える方法を学ぶことができるという話を書きます。 1. 物理的変化:場所を変える 1つは、物理的に場所を変えてしまうことです。リゾート地に旅行に行くといつもとは違った服装になったり、いつもとは違った行動をしたりします。そんなふうに、物理的な移動は、ものごとの見方も変えることができます。 文化人類学などを背景に持つ作品は、アーティ