日本政府は「朝鮮民主主義人民共和国」という“国家”の存在を認めていない
意外に知られていない、と言うと一気に小泉環境大臣的になってしまうのですが、日本はいわゆる「北朝鮮」を国家承認していません。
こういうと「え?北朝鮮が国家なのは客観的事実でしょ?」と言う人がいるのですが、実は国家について明確な定義はないのです。
例えば、「台湾」と言う国家はあるでしょうか?
「客観的に見て台湾は独立国じゃないか!」
と言う意見もありますが、台湾政府は「台湾国」ではなく「中華民国」と名乗っています。しかし、客観的に見て「中華民国」と言う国は既に亡んでいます。
政府の自称を尊重するならば台湾は「中華民国」ですが、実態を見ると「中華民国」ではなく「台湾」である、というややこしい状態です。どちらを基準にするのが正しいのか、そもそも国際法上は台湾は本当に独立国なのか、は容易に決着のつく問題ではありません。
このこと一つとってみても、国家の定義が曖昧であることはご理解いただけると思います。
また、中華人民共和国が台湾の領有権を主張していることは有名ですが、実は大韓民国も北朝鮮の領有権を主張しています。
このことが話をややこしくします。日韓国交正常化の時、韓国は日本に
「朝鮮半島全域が韓国の領土だ!」
と主張しました。日本からしても
「そりゃ、北朝鮮なんか無くなって朝鮮半島全域が韓国の一部になった方が、東アジアも平和になってええわ。」
と言うのが本音だったでしょうが、それを正面から言うにはいくつか問題がありました。
第一に、当時はまだ北朝鮮の軍事力も強かったので、北朝鮮と交渉する余地も残しておきたかった、と言うこと。
第二に、当時の韓国政府は軍事政権だったので、彼らを「正統な政権」とすることへの反発があったということ。
第三に、「朝鮮半島全域が朝鮮民主主義人民共和国のものだ!」と主張するキチガ・・・失礼、特定野党の皆様の存在があります。
そこで日本政府は韓国政府に対して、次のような曖昧な条文で決着をつけることにしました。
大韓民国政府は、国際連合総会決議第百九十五号(III)に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることが確認される。
これは韓国政府が朝鮮半島唯一の合法政権であることを認める一方、その根拠を国連決議にすることにより将来他の政府が国際法上合法になることもあり得ると解釈する余地を残したものです。
ただ、これはあくまで「そう言う解釈もできる」と言うものでしかなく、条文をそのまま読むと北朝鮮は違法な政権であると言っていることになります。
なので、私は彼らの政権を「平壌政府」と呼んでいます。
そして、拉致問題が明らかになって以降、日本政府は
「拉致問題が解決するまで、あいつらを合法政権と認める訳にはいかん!」
と判断しており、私もその判断は支持しています。
「平壌政府」国家承認は慎重であるべきであって、朝鮮半島は韓国主導で統一されることが、ベストでしょう。
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