「エンペラーウェザー」と龍神――気候に関するちょっとスピリチュアルな話

 「晴れ男」「晴れ女」という言葉がある。天気に関しては不思議な現象がしばしば起きる。

 ややスピリチュアルな話になるが、今回は今話題の「龍神」の話も含めて天気のことについて触れていきたい。

「天皇晴れ」で注目された皇室の“霊力”

 少し前の話になるが、今上陛下の「即位の礼」で突如として雨が止んだことがあり、「天皇晴れ」として話題になったことがある。

 これに限らず、皇室関連には奇跡のような現象がたびたび起きる。その最大のものは、極東の小さな島国であって、過去には“朝敵”と呼ばれる反天皇勢力も跋扈し、皇室自体が分裂するなど多くの危機があり、近年も外国に軍事占領されるなど散々な目に遭っていたのに、皇統が途絶えていない、という事実であろう。

 こうしたことから、天皇陛下にはある種「霊的」なパワーがあると信じる方は多い。それは反天皇勢力にも信じる人がいるようで、「天皇制廃止の祈り」を信徒に呼びかけているRAPTという宗教家は、天皇陛下にはルシファーを召喚する強大な霊力があると主張している。

「天皇派」は「ルシファー」などの最高級の悪魔を召喚することができる。実際、彼らがそんな高級な悪魔たちを夜な夜な召喚してくれているお陰で、日本は現在、毎年三万人もの自殺者を出しています(変死者数を含めると11万人)。
とはいえ、「ルシファー」などの最高の悪魔を召喚できるのはあくまで天皇だけなのでしょう。
(「ロスチャイルドとイエズス会と天皇が悪魔を召喚するプロであるという証拠。」より)

 天皇陛下が「悪魔」を召喚している、等と言うのは笑いものにしかならない陰謀論カルトの主張ではあるが、反対派から見ると皇室に関する数々の奇跡が「悪魔」の仕業に見えてしまうのかもしれない。

 だが、天皇陛下は私利私欲でこうした「霊力」(というオカルトな言い方が正しいのかは知らないが)を使われる方ではない。

天候に感謝していると常に天候和順となる

 上皇陛下だったか、昭和天皇陛下だったかが、まだ未成年の親王時代に雨天に文句を言うと「百姓の方のことを考えなさい」と言われて、以降天候に文句を言わなくなった、という逸話をどこかで聞いたことがある。

 私はかつて宝蔵神社で修行していたが、宝蔵神社再興の祖である谷口雅春先生の祈りの次の一節がある――

天候のごとき自然現象も、
人の心に対して
鋭敏な反応を示すものである。
常にそれに対して感謝している人たちには、
常に天候和順にして、
その人に害を蒙らせることがなくなるものである。
「私が旅立つときには必ず天気はよくなる」
という人は、
常に天候に対して感謝している人
である。
(『万物調和六章経』p.36~38)

 天皇陛下は五穀豊穣を常に大自然の神々へ感謝している。新嘗祭もそのような義式の一つである。そうした感謝の祈りが、「エンペラーウェザー」の背景にあるのかもしれない。

 私はこういう話を「宗教家による創作」だとは思わない。事実、私の身近にも重要な用事の際には“必ず晴れる”人は、存在する。

 そして、そういう「晴れ男」「晴れ女」が天候に文句を言っているのは、聴いたことが無いのである。

貴乃花と佐々井秀嶺上人の“晴れ男”ぶり

 かつて、貴乃花が佐々井秀嶺上人の下を訪れた時の様子がテレビで報道された。その時は貴乃花が快晴の中、龍樹山を登っていく様子が放映されていた。

 それは、事実だ。だが、もうテレビで報道された後なので当たり障りのない裏話はしても良いと思うが、実はこの時の天気は“豪雨”だったのである。

 私もその頃は佐々井秀嶺上人の下で修行しており、貴乃花と一緒に山を登ったのだが、当初は雨天。無事テレビが撮影できるかも疑問だった。

 だが、佐々井上人は天候のことなど全く気にしない。

「バンテージ(上人様)は、天気を操ることができるんだ。」

等と言う真偽不明の話がまことしやかに語られていたが、それぐらい佐々井上人は晴れ男であった。

 そして、いざ貴乃花が登山を開始すると快晴。ちなみに、貴乃花はとても足が速く、私はついていくのが大変だった。カメラマンにはこけてしまった人もいたほどだ。

 さらに、問題は貴乃花が下山した後である。貴乃花は降りるのも早かった。そして、彼が下山を終えた直後、豪雨が降ってきた。

 無論、私はまだ下山を終えていない。要するに、私はもろ豪雨の直撃を受けてしまったのである。

 貴乃花や佐々井上人がいわゆる「霊能者」かどうかは知らないが――世間一般のイカガワシイ“霊能者”と一緒にすると彼らに失礼だろう――、こうも対照的な現象が起きると、スピリチュアルな何かが背景にあると信じる人が出てくるのも当然である。

 ちなみに、貴乃花はとても腰の低い方であった。トイレですれ違っただけなのに、私にとても丁重な挨拶をして下さって恐縮したことがある。あまりにも自然に、素の態度で挨拶されたので、本当に凄い人だと思った。

金星の「スーパーローテーション」は龍神の影響?

 こういう個人的なこと以外にも、天候には不思議な現象がある。

 実は、天候については科学で解明できていないことも多い。昔から我が国は龍神が天候を操ると言われてきたが、奇しくも近年のスピリチュアルブームで“龍神”と関連付けて取り上げられることの多い金星でも、科学では説明のつかない「スーパーローテーション」という現象が起きている。

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 簡単に言うと、金星の時点の速度は地球よりも遅い。地球時間でいう「243日」が、金星時間でいう「1日」である。金星はとても“ゆっくり”な星なのだ。

 偏西風の例を出すまでもなく、星で吹く風と時点には相関性がある。だから自転が遅ければ風も遅くなるだろう、というのが常識であった。

 例えば、地球では“早い風”と認識されている台風というのは「秒速17メートル」以上の風のことを指す。かつて「秒速60メートル」の台風が来たこともあったが、これは稀な例。こんな台風が吹くと大惨事になる。

 一方、金星では「秒速100メートル」の風が常に吹いているのである。

 地球よりも“超ゆっくり”な金星で、風だけが“超高速”なのである。この摩訶不思議な現象を「スーパーローテーション」と言い、その理由は未だに解明されていない。

 人気シリーズ『とある魔術の禁書目録』や『とある科学の超電磁砲』では、科学が進んだ近未来において天気を秒単位で予想するシステムが確立していることが描かれているが、それはフィクションならではの設定。本当に天候の謎をすべて解明できる日が来るとしたら、それはかなり遠い時代になりそうである。

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