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一般質問解説 ②左翼が狙う、学校跡地


・16年間待ち続けた住民。待たせ続けた行政。

平成20年、杉並区天沼にあった若杉小学校が廃校になりました。

地域住民は地域懇談会を結成し、学校跡地活用について提言を行いました。

その内容は、オープンスペースの確保、多世代利用が可能な施設にすることなど、誰もが納得できるものでした。

しかしそれから今日までの16年間、杉並区はこの学校跡地を時々の行政需要を満たすための、いわば、「行政に都合のいい施設」として利用してきました。

【利用例は以下】

  • 保育園緊急事態宣時の、保育園増設

  • 近隣学校建替時のプール授業利用

  • 近隣保育園建替時の仮校舎

  • 隣接病院併設看護学校の更衣室

  • 郷土博物館の資料置き場

  • コロナ禍のワクチン接種会場

  • 成人式の待ち合わせ場所

こうした行政利用が優先されてきたおかげで、学校跡地は16年間ほぼ地域住民に開放されてきませんでした。

・動き出した学校跡地活用の議論

令和5年、杉並区はようやく旧若杉小学校跡地の活用についての議論をスタートしました。

地域住民からは、「いよいよこの場所が、地域の主役になるかもしれない」と期待の声が聞かれます。

その後杉並区は、令和5年6月から約1年間、当該施設周辺の9町会の住民達と計5回の意見交換をしてきました。

そこでは、16年前の地域懇談会の提言も踏まえて、様々な議論があったことが議事録を見ると確認できます。

・旧校舎はどうする。建替?解体?長寿命化?

杉並区は意見交換会が開催されている間、旧校舎の取り扱いをどのようにするか、検討を続けていました。

杉並区は行政計画の中で「建物長寿命化」を掲げていることもあり、なんとか旧校舎を『改築修繕』して利用することができないか、現況調査や予算見積もりを行っていました。

旧校舎は、前述したように保育園等に利用されていました。

そのため、耐震工事が完了しているため耐震性は今のところ問題なし。

もっとも、3階部分は長年利用されていなかったこともあり、水漏れや床の剥がれの酷い教室が多数見受けられました。

住民の大多数は、こうした施設の現況に鑑み、旧校舎の『解体』を前提に跡地活用の方法を議論していました。

・決まった行政の方向性。しかし、住民の思いと齟齬あり。

令和6年5月、住民との意見交換会の最終回において、杉並区は旧校舎について「解体を前提とした建替え」との方針を発表しました。

区が示した旧校舎の方向性(総務財政委員会報告資料より)

長寿命化における残存利用期間との費用対効果に鑑みての判断とのことです。

もっとも、地域住民はこの決定に対して、違和感を覚えていました。

それは、行政が建物の「建替え」を前提としていたことについてです。

計5回の意見交換会を通じて地域住民は、学校跡地の活用について旧校舎の解体までしか考えておらず、建替えをしないことを前提に跡地利用の方向性を示していたからです。

・地域課題を踏まえた住民の結論。

当該地域は公園のような空地が少ない地域です。

したがって、災害時に火災が発生すれば、あっという間に燃え広がる可能性のある、危険度が高い地域です。

住民達はこうした地域課題を最優先と捉え、跡地の活用方法について「防災性を有した多世代が利用することのできる公園が望ましい」という一定の方向性を示しました。

つまり、旧校舎の解体後に同規模の建物を建設することは希望しておらず、せいぜい防災倉庫や管理棟といった小規模のもので十分、という考え方です。

これは、16年前の地域懇談会提言にも合致するものです。

こうして、行政と住民との考えに齟齬を残したまま、意見交換会は終了することになりました。

住民のイメージする防災公園の例(池袋イケサンパーク)
敷地内の建物は最小限のものとなっている

・ゼロベースからのワークショップは不要。

杉並区は、これからさらにワークショップを開催し、時間をかけて跡地の利活用方法について議論をしていく予定です。

私はそもそもこのワークショップでは、地域住民が方向性を示した「防災性を有した多世代の利用できる公園」を基礎に、その公園デザインのみを話し合う場にするべきだと考えます。

なぜなら、杉並区は町会・自治会を区政における重要なパートナーと位置付けており、そのパートナーが1年という年月をかけて導き出した結論を尊重するべきだ、と考えるからです。

しかし、杉並区は地域住民の結論は1つの参考として共有するが、あくまでも「ゼロベース」でワークショップを進める、とのこと。

1年間の意見交換はなんだったのでしょうか。

このワークショップで、地域住民の意見が生かされる保証はなくなりました。

・ワークショップの人員構成に違和感。

杉並区は、岸本聡子杉並区長が肝入りで始めた「施設マネジメント計画」において、『施設利用者や地域住民等と共に地域の実情に応じた解決策を検討』と規定しています。

岸本区長肝入りの「施設マネジメント計画」の核の部分

これに従えば当然ワークショップの人員は、地域住民や今施設を利用している人たち、当該施設でいえば、荻窪消防団第一分団や日本の宝である子供達です。

こうした人たちが地域の実情、すなわち「木造住宅密集地域にも関わらず、公園のようなオープンスペースが足りていない」という課題をいかに解消するかを話し合うべきなのです。

しかしながら、杉並区はこの施設に関してのみ突然「学校跡地という特性があるので、当該地域外、区内全域からワークショップ参加者を公募する」と表明しました。

自分たちの定めた行政計画と、まったく整合性が取れません。

・岸本聡子杉並区長の支援者は、この地に「男女平等推進センター」が欲しい、とおねだり。

こうした区の不可解な決定を受けて、私はあることを思い出しました。

それは、杉並区が令和5年11月11日(土)に杉並区役所で開催した、杉並区総合計画等「改定案」地域説明会での出来事です。

岸本区長を中心に参加者が車座になって意見交換をする場で、真っ先に挙手をして発言された方のことです。

この方は、岸本聡子杉並区長の選挙対策本部メンバー。
岸本区長の宣伝映画にももちろん出演し、当選時の中継にもど真ん中で映っていました。

岸本区長の宣伝映画にも出演

ご自身でも平成15年の杉並区長選挙に、日本共産党の支援を受けて挑戦したことがあり、現在は議会の度に傍聴席から気に食わない議員に対して、規則で禁止されているヤジを飛ばされています。

この方曰く、「私は、旧若杉小学校の跡地に男女平等推進センターを持ってくるのが長年の夢なの。是非とも岸本さんには、その夢を叶えて欲しいわ」とのことです。

こうして公の場で、区長の支援者が区長に対して『おねだり』をやってのけたのです。

なお、地域住民の意見交換会では、一度たりとも「男女平等推進センター」という言葉すら出てきていません。(議事録確認済み)誰も望んでいません。

区長のお友達が、公の場で平然と区長におねだりをするという茶番劇

・地域住民が望まない活用は、絶対に許せない。

まとめると、以下のような事実があります。

  • 建替を前提とした区の姿勢

  • 計画にない地域外からのワークショップ参加者の公募

  • 区長の支援者が特定用途を希望している

岸本聡子杉並区長は『お友達だけとの対話』によって区政運営を進めています。※昨日の記事を参照

これらの事実を勘案すると、杉並区にはこの施設の跡地利用について『既に青写真があるのではないか』、と想像してしまいます。

しかし、この施設の跡地利用は地域住民16年間の悲願です。

これ以上、地域住民の期待を裏切り続けることは、あまりにも残酷です。

杉並区には、16 年間ひたすら跡地活用を待ち続けてきた住民の声を重く受け止めていただきたいと思います。

地域住民の一切望まない施設ができるようなことだけは絶対にないよう、私は住民の皆さんとともに、これからも声を上げ続けます。

※以下該当部分の読み原稿です

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