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一般質問解説(全5回) ①裏切られた区民

杉並区議会第2回定例会が終わりました。

私は、初日の6月3日に一般質問をさせていただきました。

今回は、『施設マネジメント』『改正民放への区の対応』『男女共同参画』について質問させていただきました。

これらを全5回で解説します。

①施設マネジメント【裏切られた区民編】

・施設再編整備計画は、施設マネジメント計画へ

杉並区には前区長時代『施設再編整備計画』(以下、旧計画)という行政計画がありました。

これは、多くの区内公共施設老朽化を控えて、長期最適・全体最適の視点で、建物長寿命化や施設統廃合を計画的に進める、というものです。

しかしこの旧計画は、現岸本聡子杉並区長の選挙公約、「区立施設の統廃合等で住民合意の得られていないものは一旦停止し、抜本的に見直します」に基づき白紙となります。

その結果、岸本区長の手によって、旧計画は全く別の『施設マネジメント計画』(以下、新計画)へと姿を変えることになります。

・守られなかった約束。裏切られた区民。

旧計画は、将来世代の為に、今の世代がそれぞれ少しずつの不便を受け入れることを前提としています。

施設建替によりその間、利用者は不便な代替施設の利用を強いられたり、統廃合後に新施設へのアクセスが悪くなったり、といった不便です。

地域によっては、日本共産党や立憲民主党の議員が施設利用者を煽り、大々的な反対運動を展開する事例もありました。

もっとも、多くの地域では反対運動も起きず、「将来世代の為」と理解をしてくださる施設利用者がほとんどでした。

ところが、岸本聡子杉並区長による旧計画の突然の白紙撤回によって、その状況は一変します。

旧計画の目的を理解して不便を受け入れる覚悟をしていた区民は、いきなりハシゴを外されます。

それならばと、1日も早く施設の建て替えを完了させて欲しいと願うようになりました。

しかし、新計画はそうした区民の願いを一切許さない内容になっています。

・ワークショップによる時間の浪費。建替予定地は更地で放置。

新計画では、施設利用者や公募区民が約1年間の時間をかけてワークショップを行い、その後、ワークショップで出た意見を参考に、施設の設計。
設計後、再び区民意見を聞いて、手直し…

と、そもそも工事着手までにとても長い行程を予定しています。

したがって、旧計画では既に建替工事に着手しているはずの場所も、今も更地のまま放置されています。

そして今後数年間、そのまま放置され続けることになるのです。

こんな奇怪な話が通ってしまうのが、今の杉並区です。

旧計画の「将来世代の為」という目的を理解して不便を受け入れていた区民からすれば、納得ができないのは当然です。

・「生きているうちに、新しい施設は使えなさそうね。」

今回、杉並区上荻・西荻窪地域のゆうゆう館(高齢者向け施設)利用者の方からご相談を受けて、本件を一般質問で取り上げました。

相談者は、趣味の太極拳やサークルの集まりが代替施設では制限を受けていることを教えてくださいました。

その時の、「私の生きているうちに、新しい施設をサークルの友達と使うことはできなそうね。」という発言は忘れられません。

この方はご高齢でありながら、ご自身のことだけでなく将来世代のために、自身の楽しみを我慢する決断をしてくださっていました。

自身で不便を受け入れていたとはいえ、旧計画が区長の都合で突然白紙になり、その結果、建替完了期も大幅に後ろ倒しになる。

あまりにも理不尽ではないでしょうか。

・岸本区長は支持者の声しか聞いていない。

岸本区長は、旧計画に反対する区民に支えられて当選しました。

そして、その方達の望み通りに旧計画を握りつぶし、新計画に置き換えました。

しかし、旧計画の継続を望んでいた区民は今も大勢います。

その方達の声は、岸本区政のどこにも反映されていません。

今回私に相談をしてくださった高齢者サークルの皆様は、先日、当該地域の4町会と連名で岸本区長に、「1日も早い施設建替を求める要望書」を提出しています。

ところが今もなお、その切実な声が岸本区政に反映された形跡はありません。

「対話の区政」を標榜する岸本聡子区政の現実は、所詮この程度です。

だから再三議会で「仲間とだけ対話する区政」と揶揄されるのです。

これを「事実じゃない!区長に対する誹謗中傷!」と顔を真っ赤にして野次る議員が大勢いますが、もれなく区長と「対話をしてもらっているお友達」です。

・今、私にできること。

現在、私をはじめ、所属する自由民主党の一部の議員など、岸本区政のこうした理不尽なやり方に対峙しようとする議会内勢力は、残念ながら少数です。

ハリボテの「対話の区政」を大絶賛する議員達に囲まれ、連日肩身の狭い思いをしております。

そんな私が今できることは、議会の場で現区政の剛腕によって理不尽な思いをした区民の切実な声を代弁すること。

そして、いかに区民の気持ちに寄り添わない区政かということを、多くの区民に知ってもらうことです。
(岸本区政を支える議員や傍聴席の区長支持者からは、大変厳しいお声をその都度いただいております。)

こうした蓄積が、2年後、3年後の戦いにおける区民の行動につながり、本当に区民に寄り添う区政になればいいな、と思っています。

(以外該当部分読み原稿)

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