シリーズAのCOOって何やってるの?

初めまして、株式会社エンペイCOOの中村です。

enpayは教育施設の集金課題を解決するFintech×Saasを提供するツールで、請求書作成から会計接続までの一連の集金フローの、キャッシュレス化とペーパーレス化、業務負荷軽減が可能なプロダクトです。


ステージAのスタートアップにCOOとして飛び込んで1年が経ちました。

COOというと「なんか凄そう」「なんか偉そう」と言っていただくことも多いのですが、「実際何してるの?」が一番見えにくいCxOでもあるのかなと思います。

僕自身、大企業からスタートアップに身を置く環境が変わる中で、COOの方って具体的に何してるの?というのは正直全然わかってませんでした。

これからスタートアップに飛び込みたい、COOになりたい、COOって何してるのか興味がある、そんな方に少しでもお役に立てればと思います。

ただ、大前提、世の中に大変優秀なCOOの方は沢山おり、これは超未熟な1個人としての振返りなので、個人の感想として受け止めていただけたら幸いです。

■自己紹介

まず簡単に自己紹介を。

東京の南にある八丈島という人口8,000人弱の島で生まれ、学生時代はずっと野球(ピッチャー)をやってました。

ピッチングは変化球中心でコントロールで勝負する軟投派ですが、コミュニケーションはストレートしか投げないストロングスタイルなので、もう少し柔らかさが欲しいと周囲の方からは指摘をいただいてます。
(野球分からない方ごめんなさい)

2008年に新卒で株式会社リクルートに入社し、12年間在籍しました。
カーセンサー、ゼクシィ、スタディサプリ、タウンワークといったメディアに携わり、営業・商品企画・マーケティング・UI設計・開発ディレクション・ブランディング・新規事業開発・事業企画・経営企画と、本当にいろんな仕事をさせてもらいました。

参考)過去の仕事

2020年にリクルートを退職し、自分で1度起業してから、エンペイ創業者の森脇さんから声をかけてもらい、一緒に社会課題を解決していきたいと思い、2021年4月にエンペイにジョインさせてもらいました。


■入社時の状況

社会人人生で転職というのは初めてだったのもあり、ワクワク感もドキドキ感もかなりあったのを覚えてます。
また、森脇さんはリクルート時代から知っていて、仕事に対する価値観でとても共感していたし、社内起業してバイアウトまで経験されているので新規事業を作ることにおいて、本当にすごい方だなと思ってました。

なので、シリーズAで4億円の資金調達をしているし、既に3桁を超えるアカウントの契約をもらっていると聞いていたこともあり、色々なことにめちゃくちゃ期待していました。いや、期待しすぎたかもしれません。

入社前の認識は、「きっと社内には沢山の穴があるだろうから、それをしっかり埋めていきつつ、より強い土台と目標に登っていくための道筋を決め、準備していこう」くらいのつもりでした。

入社前のイメージ


■キャッチアップ期 (2021年4月)

2021年4月、晴れてエンペイに入社しました。
当時はまだ社員も5名と少なかったため、全員と会話させてもらいながら、キャッチアップを進めていきました。

入社して最初に感じたのは、整った場所にいくつか穴があるのではなく、到底進めるとは思えない場所に道を拓いてきたんだなということ。

何も整備されていないと言ってしまえばそれまでですが、「こんな道よく通ってこれたな」という感じで、本当に必要最小限のリソースで、必要なことだけをやってきたその研ぎ澄まされた感じには美しささえ感じました。

当時いたメンバーはもちろん、創業者である森脇さん、田野さんは本当にすごいなと思ったのと同時に、シード期でチャレンジしている、それを乗り越えてきた全てのスタートアップの皆さんは本当にすごいなと今も常に思っています。

そして、そこに自分も加えてもらえたこと、一緒に道を切り拓いていけることにすごくワクワクしました。

■Sales担当期     (2021年5月〜7月)

事業をスケールさせていくためには、価値を提供できる施設数を伸ばしていく必要があるため、まずは顧客接点を強化するべくSalesを中心に見ていました。

当時はSalesが3名いましたが、個々人が個別の努力でなんとか頑張っているという状況で、CRMツールにデータ入力は一部されていたものの、組織として営業の進捗状況はブラックボックス化されてしまっていました。

そこで、まずはみんなが頑張ってくれている行動数を可視化するところから始めました。DM送付数、架電数、担当者通話数、アポ獲得数、商談数等。

Dailyで営業担当ごとに各項目を入力し、振り返っていた

こんなの可視化して共有するなんて当たり前でしょ、と思われる方も多数いると思いますが、リソースが限定的で目の前の顧客から沢山の要望をもらっている状況では整理する時間が作りにくく後回しになってしまうこともあります。ただ、こういうものすら作っていけることがスタートアップの楽しみであり、醍醐味でもあると感じています。

そして指標を可視化していくと当然色々なことがわかってきます。単純なアウトバウンドコールよりも、DM送付経由の方が担当者接続率は10%以上上がりそうとか、ウェビナー経由のアポ獲得率はアウトバウンドコールの5倍以上になる等。

こういった実績が見えてくると、次の打ち手も見えてくるため、当時はとにかく「可視化、可視化、可視化」を意識していました。

営業1人当たりの架電可能数の上限、担当者接続率の平均値、施策ごとのアポ獲得率、この辺りが見えてきた7月に、リクルート時代の先輩で、とてつもない研修を一緒にやり切った戦友でもある渡邊俊輔さんが営業担当役員としてエンペイにジョインしてくれたため、ここでSalesはバトンタッチをします。

■CS担当期      (2021年8月〜10月)

9月からMarketing専任の担当が入社決まっていたというのもあり、ここでSalesの後工程となるCSにガッツリ入っていきました。

enpayはプロダクトがシンプルかつUXにこだわって作っているため、オンボーディングも1時間以内で済み、かつその後のお問い合わせも非常に少なく利用してもらえるサービスになっています。

そのため、まずはどれだけ導入を決めていただけた施設の方にスムーズかつ早期にオンボーディングできるかを実現するため、ここでもやはり可視化を進めていきます。

受注した施設の一覧を作成し、施設が利用開始したい日に向けて、誰がいつどのタイミングでレクチャーを行い、初回請求が完了するまで確認する業務フローとリストを作成しました。

それを週次チェックしていくことで、営業→CSの引き渡し漏れや案内漏れ、利用開始期間の認識ズレが起こさず、顧客からの要望に応えられるように項目や確認頻度、社内の連絡フローなどを整えていきました。

その他にも、導入施設の声を最も聞ける部署でもあるため、いただいた要望を全て開発側に共有するためのリストを作成し、開発案件をストックして行ったり、そういった声を社内にも広く届ける・残していくための社内メルマガもメンバーからの発案で実施していきました。

■混迷期        (2021年11月〜12月)

エンペイは11月創業のため、11月で4期目を迎え、ようやく4期のキックオフで半年かけて議論してきたMissionとValueを全社にもお披露目できました。

しかし、この頃になると社員数も20名(業務委託の方入れると30名)程度となり、いわゆる30人の壁なるものにぶつかります。

人数が増えてきたため、役割と組織を明確していった結果、やはり組織同士での壁のようなものがうっすらでき始め、メンバー間のコミュニケーション量も落ちていました。

また、今までは良くも悪くも方向性が定まりきらない中で進んできていた中に、MissionとValueができたことで、明確な方向性が生まれ、今までとの変化が形となって現れた時期だったと思います。

その中で、エンペイで初めてとなる退職者が出ます。
個人的に退職や転職がネガティブなことだとは全く思いませんが、経営陣の一員として期待に応えられなかったこと、辛い想いをさせてしまったことは本当に申し訳なかったと思っています。

スタートアップは特にリソース不足で会社運営をしているため、退職者が出た時に別の担当者をアサインをする訳にもいかず、業務をほぼ全て私が引き継ぐことになります。

引き継ぐ中で様々な感情に襲われ、また、業務的な負荷も非常に重くなったのもあり、この時期は精神的にも肉体的にもかなり辛い時期でした。

この時期は本当に周囲の仲間の信頼に応えたいという一心だけでなんとか歯を食いしばって耐えていたくらいで、価値のある仕事ができていたかと言われると自信は全くありません。ただひたすら受け止めるという覚悟だけ持ってただそこにいたという感覚の2ヶ月でした。

■Marketing担当期  (2022年〜現在)

年が明けて、Marketingの専任が不在になったこともあり、本格的にMarketing業務に着手していきます。パートナーへのご挨拶や今後の取り組みについての改めてのゴール設計、そして目標設計。

未来に向けての会話は大切だと改めて感じ、ワクワクする未来に向けての話をするとやはりどんどん元気になってきます。

またBtoBマーケに挑戦するのは初めてだったのですが、BtoCマーケをずっとやっていたこともあり、その本質は大きく変わらないと感じ、自分の経験がかなり活かせそうだと思うようになりました。

顧客のインサイトに耳を傾け、そこに対して、いつどのようなタイミング、場所で何を提案するのか。

そして、Saas営業のフレームとして語られるTheModelの考え方と組み合わせることで、ToCのマーケでは挑戦できなかったようなMarketingの新たなしくみ作りができそうで、今は本当にワクワクしています。

現在はCRMツールのDB設計を見直しながら、顧客のセグメントとフェーズに合わせてコミュニケーションができるようにMAの設計を進めています。

今後はプロモーションやPRの強化と併せて、より課題に合わせたセグメント設計とコミュニケーションフローの構築と、事例として他社にも知見共有できるようなMAのフレーム構築にもチャレンジしていきたいと思っています。

そんな非常に面白いフェーズなのですが、現在Marketingの専任がいない状況のため、私と一緒に組織を立ち上げてくれる方を募集しています。

また、興味あるから話してみたいという方はこちらからもお願いします。

他の職種も絶賛募集中のため、少しでも興味持っていただけた方はお気軽にご連絡もらえたら幸いです。

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