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薬剤師の新しい働き方 後編

今日は昨日に引き続き薬剤師の新しい働き方について、昨今の業界の流れを踏まえつつ妄想(?)していきます。

昨日の記事のポイントは以下4点でした。

1)薬に触らなかった
2)オフィス(薬局)に出勤しなかった
3)薬剤師として医療のPDCAサイクルに薬学を組み込めた
4)収益があった(居宅療養管理指導料)

上記の体験を踏まえた上で妄想の結論から言うと、薬剤師(あるいは所属する組織・薬局)はより一層機能分化し、そのひとつとして在宅勤務やフリーランスに近い働き方が十分考えられると思っています。
もっと言うと、今の薬局の形すら大きく変わるんじゃないかと考えています。

そう考えるに至る幾つかの根拠を示します。

とどくすりの登場

ついにと言うかやっとと言うか、来ましたね。
オンライン服薬指導、薬の配達、支払いのワンストップサービスです。
オンライン診療との組み合わせなので、患者は在宅したまま診療と服薬指導、調剤のサービスが受けられるわけです。
これまでも技術的には可能だったものが、今回の緊急事態によって実現したものでしょう。
この薬局の機能を端的に表すと「従来の外来調剤+オンライン指導及び調剤+配達+OTC +在宅訪問」となります。

メールオーダー薬局

実はアメリカではかなり近いサービスが既にあります。
メールオーダー薬局と言って、その名の通り患者が処方をメールで薬局にオーダーをかけると、薬が郵送されるサービスです。服薬指導は(必要時のみ)電話で行われるようです。
この薬局は外来を受け付けておらず、オーダーを受けた処方に基づく調剤の大半を機械が担っており、袋詰め等はテクニシャンが行い薬剤師が最終監査をすると言う「調剤工場」と呼べるものです。
この薬局の機能は「オンライン指導及び調剤+配達」となります。

昨日の在宅訪問での体験から得た4つのポイントを踏まえて、これら2種類の薬局の機能を掛け合わせて考えてみると。

調剤と配達をアウトソーシングして、服薬指導(在宅訪問含む)を担当する薬剤師は在宅勤務やフリーランスに近い働き方が今後あり得ると考えています。
昨日書いたように「自宅→患家→自宅」のような働き方です。
もちろんこれは薬局の機能や薬剤師の働き方のひとつとしてです。

世の中の流れを見ても今回の緊急事態によりオンライン診療が緩和され技術がより進化することは明白ですし、世界的に見ても既にAmazonがメールオーダー調剤に参入しており、近い将来「場所とモノに縛られない働き方」が誕生するかもしれません。

やや蛇足ではありますが、今回の緊急事態により地域医療構想下の病院統廃合は加速すると予想しています。現環境下での外来受診者数及びその疾病構造が後に集計された時、地域ごとに必要な医療資源は本来の形に選択・集中されると思っています。(門前の景色も変わるかも)

また、フリーアクセスの意味も「いつでも、どこでも」から「必要な時に、必要な医療を」と言う時代に即した用法に変わらざるを得ないのではないでしょうか。

昨今の技術の進展やGAFAMという国家規模の力を持つ企業の台頭、今回の緊急事態は我々の想像を超えるスピードで社会の形を変えていきそうです。

そしてそのような社会ではこれまで以上に薬剤師も個人の力が必要になり、また露わにされるのではないでしょうか。
これについてはまた書きます。

今日もありがとうございました。


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