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「それって薬剤師の仕事なの?」葵みどりサイド②

前回はアンサングシンデレラを観て、「それって薬剤師の仕事なの?」という問いについて考えました。
思いもよらない反響をいただいていますので、もう少し続きを書いてみますのでお付き合いいただければ。

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前回
何が自分にとって自然か、つまり自分の役割はこれだとしっくりくるかは考えているだけでは分からないです。
まずは患者さんの困りごとを自分ごととして、飛び込んでみることで始めてわかると思います。

リアルな地域医療の課題点や、それに対する自分(薬剤師)の役割というのは、これまでの前提を捨てて、患者さんの困りごとに身体ごと飛び込まないとわからないというメッセージで結びました。

これは葵の行動を全肯定するものではなく、あくまでその”患者さんの困りごとを自分ごとにする姿勢”に対する共感が趣旨でした。(全薬剤師があんな風になると社会がおかしくなります笑)

病棟で患者さんを探し回ったり、家まで行って内服薬を確認したり、あるいは医師に缶詰の提案をすることは薬学的専門性は低いので、これを薬剤師の仕事だと規定するのには無理があります。

また、僕自身、やらなくて済むならやりたくないと思っています。
(以前、聴診についても同様の考えを書きました)

しかし、これらの行動は医療チームとしての業務重要度は高いわけです。
医療チームのミッションは”患者さんを良くすること”なので、低血糖症状で放置しておくのは避けなければならないし、ICUで人手が足りないなら心マのローテーションに薬剤師が加わることは不自然ではありません。患者さんの家まで内服薬を確認に行くことも、ミッションをクリアするためには必要なプロセスだったと思います。

薬剤師の専門性と照らし合わせて、「それは薬剤師がやることじゃない」と言って捨ててしまうのはとても簡単です。
医療チームの一員としてミッションに挑んだ以上、「じゃあ誰がやるのよ。」と考えるのが健全だと思います。

実際に地域医療の現場でミッションをクリアしようとすると、医療・介護資源が十分なことばかりではないため、それぞれのポジションが専門性のみを発揮していれば良いというわけではないように感じています。

じゃあどこで線を引くのか、ということになりますが、少なくとも僕は途上なので答えを持ち合わせていません。

おそらく地域や機能も含めた医療資源量、もっというと患者さんが持つ個々の背景・事情に合わせて、それぞれのポジションが形を変えながらなだらかな横のつながり(連携)を形成して対応していくしかないと感じています。(それが地域包括ケアシステムということなんでしょう)

例えば在宅でコンプライアンス不良の際に、薬剤師が毎日のように服薬確認のために訪問するというわけにはいかないので、ご家族や他の訪問サービスやデイサービスと連携して確認を行うようなこともあると思います。

薬剤師とは?保健医療とは?といった根本的な問いを孕みながらも、2025年を目標に描いた地域医療構想や地域包括ケアシステムという青写真の実現を目指しているのです。

さらに新型コロナによって外的環境が激変していく不確実な情勢においては、とにかく自ら行動し、その結果から手触り感のある情報を自己の中に増やしていくということが重要だと思います。

一度思い切って、飛び込んでみて、フルスイングしてみた上で、「これは他の職種やサービスに振れるよな」とか逆に「自分にはこんな価値が出せるのか!」といった情報を集めて観察し、今後の方向性を改めていくしかないと感じています。

薬剤師とはこういうものだ、という前提を捨てて、空っぽになってみる。
空っぽの自分の中に、行動から得た生の情報を蓄積して眺めてみて、方向性をアップデートしつづけていく。

空っぽになったら何もできないじゃないかよ!という感じですが、
空っぽの自分をDriveするのはVisionだと思います。
僕であれば「薬剤師を変えることで地域医療を変える」という、ワンワードがどんな環境にあっても自分を鼓舞し突き進ませてくれます。

まだまだ飛び込んで行くぞっ!というわけで今回はここまでです。

さて次回はリアリスト刈谷さんサイドでお会いしましょう。綺麗事だけでは変わらないぜ!

ありがとうございました😊

いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。