見出し画像

病院を訪問して関係性を構築する方法

ここ数年、入退院時サマリーを介した病院(薬剤部)との連携を模索してきました。その中でやはり関係性を構築する上で、直接会うことが一番だな!と強く感じています。

今回は昨年いくつかの病院へ訪問してわかったことを書きたいと思います。
※個人的な経験と考えに基づくものです※

サマリー運用のおおまかな流れ
①入院の連絡を受ける
②サマリーを作成する
③サマリーをFAXで送付する
④FAXの到着確認の電話をする
⑤サマリーの原本を郵送する
⑥病院へ訪問する


訪問の対象

まずは訪問の対象ですが、退院時サマリーを送って下さった病院さんを優先的に訪問しています。
入院時サマリーを送る前に訪問しておいた方が良いのでは?というご意見もあるでしょうし、僕もその方が良いような気もしています。

現状、僕がそうしていない理由は2つあります。 

ひとつは連携しそうな病院すべてに訪問するわけにはいかないことです。どう考えてもマンパワー的にも費用対効果的にも無理があります。

ふたつ目は何も起こっていないのに訪問するとまとまる話もまとまらない懸念があるからです。具体的な事例がないのに訪問すると、おそらく先方も構えてしまうでしょう。

病院へ訪問する目的は3つです。


1)顔の見える関係性を構築する

いくらITだDXだと言っても、見たこともない者同士でやるよりもそうでない方がうまくいきます。訪問先は薬剤部地域連携室です。

2)仮説を検証する

退院時サマリーが得られるまでに、その病院それぞれの事情を考慮しながら色々と工夫を重ねてきたはずです。

その中のどの工夫が成功につながったのかを確認して、次に繋げます。

例えば、アプローチする部署(人)を変えてみたり、送り方をFAXでなくて郵送にしてみたり、FAXの表書きの文言をわかりやすくしてみたりとか・・。

まだ確立されていない領域なので、ひとつひとつを大切に観察し検証していくことが重要です。


3)今後の連携の形を模索する

入退院時に限らず、外来等での連携に繋がる可能性があります。
昨年末に訪問した薬剤部の部長さんから一緒に在宅の勉強会やりましょうと仰っていただけたりしました。


上記3つのポイントを意識して、とにかく謙虚に教わる姿勢で訪問してみましょう。
きっと道が拓けるはずです!


訪問のアポを取る際のポイント


1)病院の代表電話に電話をかける
「先日いただいたサマリーの件で薬剤部につないで欲しい」と言います。
退院時サマリーの作成者の先生のお名前を指定しても良いです。
上述したように退院時サマリーを貰った病院に対象を絞ることで、このように電話をかける理由ができるわけです。


2)薬剤部の先生(部長や課長)にアポを取る
まずは「挨拶もせずに入院時サマリーを送付してしまったため、遅くなったが訪問を挨拶をさせて欲しい。」と述べ、続けて「サマリーの内容について意見をもらいたい」と伝えます。
電話に出た方が部長(課長)クラスでない場合は「部長の方が良いですか?」や「部長に確認して折り返します」と仰られると思います。

この際、当たり前ですが、複数の日程を提案しておきましょう。出来るだけラリーが少なくて済むように配慮します。


訪問する際のポイント


1)社内のそれなりのポジションの人物を巻き込む

2)説得力のある肩書きを得る


初期の頃は単独で訪問していましたが、僕のような末端のぺーぺーでは先方から不安感を持たれているような印象を受けることもありました。

もちろん訪問に際して社内のマネジャーには許可を取っていましたし、単独で訪問していたことには理由があり、”あくまで同じ患者をみた薬剤師同士”で話をしたいと考えてのことでした。

ただ実際には、薬局薬剤師が訪問してくる時点でそこそこ大きな出来事なので会話の内容はともかくそれなりのポジションの人間が来ることを期待されます。

そこで、それなりのポジションの人を巻き込むことと、同時に自分もそこそこの説得力のある肩書きを手に入れることにしました。

サマリーの書き方や送り方がある程度分かってきたタイミングでもあったので、取り組みを社内に拡げる目的で”地域連携推進室”という部署を立ち上げました。

ただし現状(2020年3月)で収益が見込める取り組みではないために、メンバーは僕だけとし、相談役・責任者として上司を巻き込みました。

これで上司の時間がある際には訪問に同行してもらえて、単独での訪問の場合でも”地域連携推進室 室長”と書かれた本社所属の名刺を手に訪問できるようになったわけです。
一見どうでも良さそうなことですが、かなり訪問しやすくなりました。

また随時アップデートして共有したいと思います。

いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。