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漫然投与を減らすために気をつけていること

今日は漫然投与をしないために僕が気をつけていることについて書きます。
今回は新規の処方が出るシチュエーションを想定してみます。

先にお断りしておきたいのは、漫然投与が医師のせいだとは思っていません。調剤した薬剤師にも一定の責任があると考えています。

以下のような方のお役に立てていただければと思います。

・これから訪問診療同行を行いたい
・訪問診療同行を行なっているがなかなか提案ができない
・漫然投与されている処方をどうにかしたい

ゴールを設定する

新規処方が出る際に必ずゴールを設定し、医療チームで共有するように心がけています。課題となる症状が処方によってどうなれば解決とするのかについて共通認識を持つことを促します。
そうすることで、それぞれのメンバーが課題に対してどうアセスメントすれば良いかを計画しやすくなりますし、症状が改善しその後なんとなく継続されているというような、いわゆる”漫然投与”を防ぐことができます。
チームで仕事をしているのでゴールを共有しておくことは当然のことですが、実際に言葉にして共有してみると、メンバー間(特に医師との間)の認識のズレに気がつく場合があります。

例えば急性の腰痛に対してセレコックスが処方された場合。(あくまで例)
医師「セレコックス始めようか。(痛いと言っているので痛み止めを出そう)」
薬剤師「はい。(高齢だし、ずっと飲み続けるわけにはいかないよな。急性症状が治まったら、外用剤にシフトしていけるといいな)」

このように医師は目の前の症状(患者さんの苦痛)を取り除くために処方をしたわけですが、一方で薬剤師は薬学が服用後の患者さんの状態を予測する特性があることや、これまでの経験上このように考える傾向があるのではないでしょうか。
その経験とは、ピッキングや一包化の作業を通して実物の薬に触れることで「この薬はまだ飲む必要があるのだろうか」「こんなにたくさん飲んでて大丈夫何だろうか」と肌で感じることです。

具体的には「どれくらい(日数)で評価しましょう。」「どのくらい(数値)を目指しますか?」、看護師さんやヘルパーさんの協力が必要な場合には「こういうところに注意して観察していただきたいです。」と言うようにしています。

そうすることで、上述したようにチームで具体的な目標を共有できることに加えて、服薬後のフォローとフィードバック、もっと言えば処方に口を出す姿勢を表明することができます。

なかなか処方提案や処方設計に参加できていない・・という方は、まずは勇気を持って言葉にすると良いかもしれません。

今日もありがとうございました!

いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。