アインシュタインの芸術論

アインシュタインは次の文章で、世界の「センス・オブ・ワンダー」に対する理性的アプローチが科学で、感性的アプローチが芸術だと言いたいのだと思う。C・P・スノーの言う理系と文系の「二つの文化」を超えるには、まず世界に対する感動(センス・オブ・ワンダー)が必要なのだろう。

「芸術的および科学的経験が共有するもの」
世界がわれわれの個人的な望みと願いの舞台であることを止めたところで、讃美し、問いかけ、観察する自由な存在としてわれわれがそれに直面するところで、われわれは芸術と科学の領域に入る。見られ、経験されたものが、論理の言葉で描かれるならば、われわれは科学にたずさわっている。もしそれが意識せる心では接近できないが、直観的に有意味と認識されるような関連をもつ形式を通して伝達されるならば、われわれは芸術にたずさわっている。両者に共通なのは、個人的な関心と意志を超越したものへの愛情と献身である。
デュカス・ホフマン編『素顔のアインシュタイン』林一訳、東京図書、1979年、50頁。

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