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高雄[2023.11.2]

午後は高雄に行く。台北から新幹線で1時間半ほど。12時31分発だが、台北に戻ってきたのが12時すぎだったので昼ごはんを食べる時間がない。

みどりの窓口的なところで3日間新幹線乗り放題パスを発行してもらった。出国前にパスの存在を知って買っておいたのだ。1万円で3日間新幹線が乗り放題になる。今日は高雄、明日は台南で乗り倒そうという計画。

窓口の男性は隣のブースの女性に何やら話しかけているが、中国語なので分からない。何を言われているのか分からないというのは、あまり気持ちの良いことではない(そもそも自分について話しているのかどうかも分からないが笑)。

パスの発行が完了し、待ち時間で鶏肉のサンドイッチを食べ(初めて食べたかもしれない)、新幹線に乗り込んだ。

台湾高鐵は車両に日本の新幹線の技術が用いられている。したがって、車両の内装は日本の新幹線と変わらない。

隣のサラリーマンの音漏れが気になる…。ラップを聞いているようだ。

14時すぎに左營駅に到着。高雄の観光スポットは高雄駅ではなく左營駅周辺である。ちなみに左營駅に隣接している台鐵の駅は新左營駅であり、台鐵の左營駅はひと駅先である(さすがに混乱)。

まずは遅めの昼ご飯だ!と言いたいところだが、14時すぎでも昼ごはんを出している店はあるのだろうか。

駅を出て、広い通りを見て回ることにした。何軒かやっている店もあるが、全て漢字表記なのでどんな料理なのか全くイメージが湧かない。

入り口にドアの付いている店が目に入ったので、そこで食べることにした。ドアがあればまともな店、という短絡的な発想。店内は客の数とテーブルの数が不釣り合いなほど、がらんとしている。適当な席に座り、適当に注文用紙にチェックを入れた。九份でもそうだったが、こちらでは店員を呼ぶのではなく、注文用紙にチェックを入れて店員に渡すようだ。

席に戻って周りを見渡すと、部活終わりらしき学生3人組や、動画でも見ているのかケータイを凝視している若い女の人が目に入った。

えらくシンプルな麺が来た。牛肉麺と言って、台湾ではポピュラーな料理のようだ。ラーメンと言うよりはうどんに近い。

とりあえずお腹を満たしたところで、辺りを散策してみよう。時刻は15時前。

左營に来てまず気になるのは、雰囲気が台北と全く異なることだ。首都と比較するのは間違っているかもしれないが、言葉を選ばなければこちらの方が素朴で、台北がいかに洗練された都市であるかがわかる。台北はビルが立ち並んでいるが、左營駅周辺は個人商店が並んでいるという印象だ。ときおり肉の独特な香りがただよう。

人々の顔つきも台北と異なるように思う。失礼かもしれないが、こちらの方が、顔立ちも素朴で、東南アジア系に近いような印象さえ受ける。正確なことは分からない。

20分ほど歩くと、蓮池潭風景区の門が。

このあたりは道教関連の名勝が多いようだ。

龍虎塔。有名な観光スポットだが、工事中でした(先に調べとけ)。

工事中でも見に来ている人はそこそこいたように思う。自分と同じように工事していることを知らなかった組だろうか。

道教の寺院。ギラギラしている。

隙間という隙間を彫刻が埋め尽くしている。仏教寺院よりも遥かに畏れ多い。しばらく柱やら天井やらを眺めていた。

こちらの寺院では、熱心そうな信徒が頭を3回下げている。日本では一礼か二礼しか見ないので、三礼というのはどうも奇妙に映る。

階段を登って後ろを振り返ると、大きな像を眺めることができる。色使いが不気味ですらあるが…

ちなみにこの龍の中は通って抜けられる。

中はこんな感じ。道教の世界観が描かれているのだろうが、世界観を知らないのでなんとも言えない。

龍の尻尾を出ると、関羽を祀るという啓明堂まで細い道が続いている。

反り返りの角度がすごい。柱と柱をつなぐ細長い板には、青や緑の彫刻が付けられている。韓国に行ったときも気になったのだが、韓国では彫刻ではなく、絵だった。

来た細い道を引き返すと、西日が照りつけてくる。左營駅からの移動で、さすがに汗がにじみ出てきた。ズボンの裾をまくり、タオルで汗を拭く。

ここからまた高鐵の左營駅に戻るのもなんだか気が引ける。台鐵の左營駅のほうが近そうなので、そちらから高鐵の左營駅まで戻ることにした。

途中で道を間違えるなどを挟み、だんだん駅に近づいてきた。アメリカンスクールがある。グラウンドでは部活をやっている。部活ごとに細かく区画が分けられている。グラウンドでバスケをやっているのが新鮮だ。アフリカ系のコーチが生徒の相手をしている。バスケ部も、それ以外の部も、楽しそうだ。なんというか、青春の香りがする。

校舎の入り口付近には、迎えの車が停まっている。ヘッドホンをしながらケータイを見て歩いている私服の男子生徒が、車に乗り込んだ。いかにもアメリカンという感じ。

駅に着いた。構内の電光掲示板を見ると、電車はあと20分ぐらい来ない。水もなくなって喉が乾いていたので、自販機でペプシコーラを買った。500ミリリットルで100円ぐらいだっただろうか。日本より安かったと記憶している。

キャップを開けるとペプシが吹きこぼれた。僕は何も悪くない。地下に続く階段を降り、薄暗いプラットフォームの椅子に座る。

電車内は何人か部活帰りの男子高校生が座っていた。ジャージ姿である。左營までは一駅で、すぐに到着。17時前。

帰りの新幹線は18時発なので、まだ時間がある。近くの美麗島(メイリーダオ)駅の駅舎が有名らしいので、行ってみよう。

思ってた5倍ぐらい綺麗でした。ステンドグラスが天井一面に広がっている。パブリックアートとしては世界最大級のようだ。

せっかくなので駅周辺も散歩して、再び美麗島駅から左營駅に戻ってきた。

駅弁を売っている。日本ほどのバラエティーではないが、3種類ほどの中から選べる。晩ごはんは駅弁にしよう、と意気込んでちらし寿司っぽい弁当を購入。

改札を通り抜けて気づいたのだが、箸がない。おーい、台北に戻るのは20時ぞ…落胆に落胆を重ね、乗車。

一駅前で新幹線を降りるというミスも含め(空腹のせいにしておこう)、ホテルのある中山駅に戻ってきたのは21時前だった。

ホテルのラウンジで、駅弁やらテイクフリーのパンやらを詰め込んだ。パンは味が薄く、あまり美味しくない。台湾に来てからほとんど食事らしき食事をしていないのでは…明日こそは、と心に誓う。

しかし総じて充実した一日だった。また明日。

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