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トルコと日本の経済の類似性


トルコリラの崩壊とトルコの株価上昇の背景

 近年、トルコの通貨であるトルコリラの価値が下がる、いわゆるトルコリラ安が年々加速している。以下のデータによると、ここ5年で通貨の価値は5分の1まで落ちている。

 こうした背景には、様々な要因が重ねるが、主にトルコのエルドアン大統領の政策によって引き起こされている。

トルコリラ/円下落の背景は明白だ。近年、トルコの経常収支は赤字が定着しており、実質金利を高く保って海外からの投資資金を呼び込み、国内マネーの海外漏出を防がなければ、通貨価値の安定を確保し難い状況にある。

にもかかわらず「金利は諸悪の根源」であり「金利と闘い続ける」と主張するエルドアン大統領の意向を踏まえ、トルコの中央銀行は政策金利を8.5%と、直近5月のインフレ率実績である39.5%を30%以上も下回る低い水準で据え置いている。

コラム:トルコリラの歴史的下落と今後、鍵はエルドアン氏の本音=植野大作氏 | ロイター (reuters.com)

 しかし、ここで興味深いのがトルコの株価指数はここ5年で上がり続けていることである。

https://president.jp/articles/-/62777?page=2#goog_rewarded

 こうした背景には、以下の記事に背景が書かれている。

それではなぜ、トルコで株価がこれほど顕著に上昇したのか。

よく指摘される理由として、トルコ国内の投資家が、インフレヘッジの観点から株を積極的に購入していることがある。年率80%以上のペースで物価が上昇する環境の下では、現預金の価値は日に日に落ちていく。であるなら、インフレ耐性が強い株式に投資したほうが合理的な判断だ。

さらにトルコがかなり緩和的な金融環境であるという点も見逃せない。トルコの政策金利は9月末時点で12%だが、同月の消費者物価は前年比83.5%だったため、実質金利の水準は▲70%近くになる。

加えてトルコでは、政府の規制を受けて、長期金利も低下している。こうした緩和的な金融環境はもちろん、株価にとって追い風となる。

インフレ地獄のトルコで「世界一の株高」が進行中…マネーの常識を覆す「いびつな現象」が起きているワケ 逃げ場を失った現金がトルコ株式に流れ込んでいる (3ページ目) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 つまり、インフレによる物価上昇の懸念から株式に投資する、低金利のためお金が借りやすく、それで資産を買っていく流れがあるということである。例えば、借金の金利1%で、資産増加率が5%なら、4%が利益となる。

円安と日本の株価推移の見通し

 日本は、近年円安が加速している。その背景は以下の記事にまとめた。

 ここで、日本の株価に注目してみる。

https://president.jp/articles/-/18757

 つまり、ドルが上がる(=円安)になると、日経平均株価が上がることが上記のデータから明らかである。

まとめ

 すぐには、トルコのような状態には陥らないが、日本もトルコのように他国よりも低い金利政策、ニーサにより円売りドル買いの流れが進むとなると、日経平均株価が2030年までに10万円いくのもありえることである。

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