【邦画】「二十四の瞳」

1954年のモノクロ邦画「二十四の瞳」。監督は木下惠介。主演は高峰秀子。

女流作家・壺井栄の同名小説が原作で、昭和初期から終戦後までの、小学校の女性教師と生徒たちの交流を描いたもので有名だけど、2時間以上ある映画の方はクソつまらなかったね。いっぱい賞を受けてるけど。

一応、時代と戦争に否応なく飲み込まれていく苦難を通して、反戦を訴える意図があるのかもしれない。

女(オナゴ)先生と生徒たちのそれぞれの悲劇のエピソードも、お涙頂戴で、センスなく凝縮して断片的に詰め込んだようで深入りできないし、離れて撮ってるシーンが多くて感情移入できなかった。興味を引いた“赤狩り”の場面も少しだけ。

何よりも旧制学校の唱歌がウザいほど入っててイラつく。何かあれば「さあ、みんなで唄いましょう」って、で、それが長っ!

まあ、貧乏によって子供たち(女児)が売られていったり(奉公に出る)、勉強したくても学校に行けなかったり、身体が弱くて病気で隔離されたり、軍人に憧れて遠くの地で戦死したり盲目になったりは、時代だとはいえやっぱり憤りを感じて悲しいね。戦争の一番の犠牲者は子供たちだ。

男の子はたいてい軍人に憧れるけど、子供たちの身を案じた先生が“赤”と噂されて、校長先生に注意を受けるのも時代なのだろうなぁ。

中途半端に思えて面白くなかったけど、女先生のセリフ。
「あんたが悪いのではない。ご両親が悪いのでもない。世の中のいろんなことからそうなったんでしょう。でも、自分にガッカリしちゃダメ。自分だけはシッカリしていようと思わなきゃ。先生も他に言いようがないのよ。泣きたい時はいつでも先生のとこ来てよ。先生も一緒に泣いてあげる」

そういや小説もそんなに面白くはなかったなぁ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。