【洋画】「西部戦線異状なし」

ホームセンターで売ってた100円DVDの第2弾。

「西部戦線異状なし(All Quiet on the Western Front)」(ルイス・マイルストン監督)。

ベースはレマルクのベストセラー小説で、1930年の公開だから、第二次世界大戦が起こる10年近く前のモノクロ・フィルム。

第一次世界大戦中の、西部戦線の前線で戦うドイツ軍兵士の話だけど、この時代から、クソ老人どもが戦争を煽り、熱狂した若者が前線に赴き、地獄を体験して、バタバタ死んでいくという構図は変わらない。ということで、チャップリンの映画にも劣らぬ、とても強烈な反戦映画の古典であった。

ドイツのある学校の授業で、戦争を煽る老教師の言葉に感化された生徒たちはこぞって入隊を志願、フランス軍と戦う西部戦線に送られる。
そこで、主人公のポールが、仲間の死と負傷、理不尽な上官への怒り、いつ弾や爆弾が飛んでくるかわからない不安と恐怖、戦場でのストレスから狂気に陥る仲間、そして、PTSDみたいな虚しさまでを体験する。

戦争の現実を目にして衝撃を受ける若者たち。古参兵らに生き延びるノウハウを教わるが、次々とクラスメイトが死んでいく。

ポールは、同じ塹壕に飛び込んで来たフランス兵をとっさに刺し殺すハメになるが、死んだフランス兵に泣いて許しを乞うシーンは悲しいというより、ある意味で狂気に陥るポールの姿が衝撃的だ。

負傷して病院に送られても、回復する見込みがなければ、死体安置所の隣の部屋に置かれる。

戦場の後方の町で知り合ったフランス娘に誘われて、楽しい一夜を過ごす場面だけは若者らしくてホッとする。

休暇を貰ったポールは帰郷するが、学校では相変わらず老教師が生徒を扇動してる。ポールが生徒の前で戦争の悲惨な現実を話すも、臆病者と言われる始末。家に帰っても休まることなく、早々に戦場に復帰するポール。「僕が死ぬ時が戦争が終わる時だ」という言葉が現実になる…。

「戦争はなぜ始まる?」
「国が国を侮辱したからさ。でも、俺には関係ない」
「誰かの利益になるからさ。後世に名前を残したいのさ。それが歴史だ」
「戦争は熱病みたいだ。誰が望まずとも自然に起こる」
…若者らの会話。

爆弾によって身体が吹き飛ばされて、鉄条網を握る手だけが残る場面もあったり、戦場のリアルにこだわった映像は、古くても色褪せない。白兵戦と塹壕戦の様は当時でも衝撃的だったのでは?

小説もそうだったけど、反戦映画の原点となる名作だと思う。でも、この映画の公開の後、第二次世界大戦の勃発だからなぁ…。変わんね〜や。

プーチンコ野郎とナンタラ大統領も観ればいいのに。はっはは。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。