【古典邦画】「あゝ特別攻撃隊」

1960年製作の映画「あゝ特別攻撃隊」(井上芳夫監督)。

「あゝ〜」というシリーズがあるんだね。

新人だった井上監督のデビュー作らしい。

映画自体は面白いものではないけど、太平洋戦争末期に、特攻を命じられた予備学生及び海軍兵学校出身の若者が、飛び立って行くまでの青春像だ。

恋人や妻、母からの手紙を楽しみにして、甘いモノを喜んで食べて、酒を呑んで大声で歌い、大いにはしゃぐ彼らを見てると、必ず死に行く運命にあるから、悲しみしか湧いて来ないね。

が、新人だからか、歌でも殴り合いでも言い合いでも宴会でも、演出がくどいというか素人っぽい。ラスト近くの恋人との逢瀬でも、女が言うのだから、抱いてやりゃいいのにさ。グズグズしてるから、恋人は死んじゃったじゃないか。

皆が皆、国のためと喜んで敵艦に突っ込んで行ったのじゃない、飛び立つまでに、自分の死を認めようと凄まじい葛藤がそれぞれにあったのだ。

特攻する本物の映像も使用している。

しかし、国が若者の自殺を推奨して、死が大きな価値を持ってた時代なんて…。命令した上官や司令官、国の指導者らはのうのうと生き残っていたのに。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。