【古典洋画】「ピクニック」

印象派の画家ルノワールの次男であるジャン・ルノワール監督の古典小品「ピクニック(A DAY IN THE COUNTRY)」(1936年、フランス)。Amazonプライムにて。

モノクロの、40分程の短い映画だが、まさに、父ルノワールの、自然や人物を描いた柔らかい絵画がそのまま映画になったような作品だ。

都会パリから天気の良い田舎にピクニックにやって来た、父と母、娘とその婚約者の一行は自然の美に大はしゃぎ。
彼らはレストランに寄ってランチとなるが、それを見ていた田舎の青年が、娘に声をかけて(ナンパ)、2人はボートに乗って川に出る。
そして、岸に上がると、青年がちょっと強引に動いて結ばれることに。
娘の眼から一筋の涙が流れると、たちまち空は雨雲に覆われて、大粒の雨が降る。
その後、青年と娘は結ばれることはなく娘は婚約者と結婚、2人はそれぞれ、ただ思い出の場所であるこの場所を訪れるのだった…。

モノクロなのに、描かれる自然がメッチャ素晴らしい。はしゃいでブランコに乗る娘と母なんて、まさに父ルノワールの絵だね(←そんな絵があったよね?)。父親譲りと思われる色彩感覚は、カラー映像ではないのが惜しい。

ただただ美しい映画だ。川のほとりの草の上で、青年の強引さに、婚約者がいるのに身体を許してしまった娘の不安と戸惑いの表情もまた美しい。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。